【AMGを知る】AMGはF1由来の電動テクノロジーを積極投入。AMGの強さは、モータースポーツで得た知見を活かすことから生まれる!

F1ではメルセデスAMGペトロナス・チームが圧倒的な強さを発揮。2014年から2021年までコンストラクターズ選手権8連覇を達成し、2025年もライバルチームと熾烈なバトルを繰り広げている

F1ではメルセデスAMGペトロナス・チームが圧倒的な強さを発揮。2014年から2021年までコンストラクターズ選手権8連覇を達成し、2025年もライバルチームと熾烈なバトルを繰り広げている

AMGの速さと強さは、卓越した技術から生まれている

 メルセデスAMGはこの数年で、モータースポーツと市販モデルの両面で躍進を遂げてきた。市販車ではコンパクトモデルのAクラスからSクラス、GT、さらには電気自動車に至るまで幅広いラインアップを揃える(2025年4月末時点AMGは44モデル)。

 F1を頂点とするモータースポーツでの活躍も印象的である。F1ではメルセデスAMGペトロナス・チームが圧倒的な強さを示し、2014年から2021年までコンストラクターズ選手権8連覇を達成。2025年もライバルチームと熾烈なバトルを繰り広げている。

 GT3マシンによる活躍も特筆ポイントだ。グローバルで300を超えるレースに参加し、世界各地の耐久レースやGT選手権で数えきれないほどの勝利を獲得してきた。モータースポーツで培った「技術と情熱」は、市販車に惜しみなくフィードバックされている。ここがメルセデスAMGの強さの秘訣である。

AMG GT

 モータースポーツ経験が生かされた最新技術の代表は、「Eパフォーマンス」と命名されたハイブリッドシステムである。F1で培われた新世代の電動化テクノロジーは、圧倒的なスポーツ性能と時代が求める効率を実現。スポーツモデルの新たな方向性を示している。

現在Eパフォーマンスは、メルセデスAMG GT 63S Eパフォーマンスや、メルセデスAMG C63S Eパフォーマンスなどに搭載。GT63Sはフロントに4リッター・V8ツインターボ、C63Sは2リッター直4電動ターボを積み、リアには両車ともモーターと、自社開発の高性能バッテリーを搭載している。モータースポーツでの知見を生かした先進の電動テクノロジーは、連続ブーストをはじめ瞬時のエネルギー供給を可能にした。従来にない圧倒的なハイパフォーマンスを現実のものにしたのである。Eパフォーマンスは、環境性能とサーキットレベルの走行性能を高次元で実現した新時代の技術。メルセデスAMGを象徴するテクノロジーといえる。

C63S

 メカニズム面では車体構造の剛性強化も見逃せない。最新のメルセデスAMGスポーツモデルは車体構造の強靭化を徹底している。GTクーペ(C192)の場合、アルミニウムを中心とした新設計プラットフォームの採用で、ボディシェルのねじり剛性が先代(C190)比で約36%向上。高剛性ボディはハンドリング精度や乗り心地の向上に直結し、サーキット走行から日常走行まで安心してクルマの潜在性能を引き出すための基本要素になっている。

 近未来のメルセデスAMGも積極的な動きを見せている。まずF1では、次世代パワーユニットで戦われる2026年シーズンを目指し、新規定マシンの開発が進む。引き続きトップ争いに挑む姿勢を明確にしている。またGTレースでは、現在のAMG GT3 Evoの後継となるGT3マシンの開発が進行中だ。

 2025年夏に公開予定となる、ブラッド・ピット主演のFormula 1をテーマにした映画『F1/エフワン』でもメルセデスAMGの世界観が体感できるというから楽しみである。

 ちなみにメルセデス・ベンツは2025年以降、新世代のプラットフォームへの移行を積極的に推進予定。メルセデスAMGも専用の電動アーキテクチャ、「AMG.EA」を開発中という。

 2024年の日本でのAMG車の年間販売台数は約9800台。過去最高を更新し、世界的に見ても重要なマーケットに位置付けられている。ファンにとってうれしいのは、ブランド体験を提供するイベント、「AMGパフォーマンスツアー」を日本全国のAMGパフォーマンスセンター(正規販売店)で開催するというニュースだろう。ドイツ本社のオフィシャルプログラムとして世界中で展開しているサーキットイベント、「AMG Experience on Track」と合わせ、大いに楽しみだ。

 メルセデスAMGは今後もモータースポーツと連動した技術開発を軸に据えつつ、時代に即した新モデル計画を積極的に推進すると表明している。2025年は日常走行での実用性を保ちながら、サーキット走行で真価を発揮するメルセデスAMG GTのニューモデルをはじめ、魅力的な特別仕様車が登場予定。今後もメルセデスAMGの動きから目が離せない。

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