往年のベントレー「4 1/2 リットル スーパーチャージド“チーム・ブロワー”」をモチーフに、車両を85%スケールダウンしたうえで電動システムを搭載した新型EV「ブロワー ジュニア」が、18カ月あまりの路上テストを完了して生産を開始。生産台数は349台限定で、顧客の要望に応じたカスタマイズも可能
英国ベントレーモーターズと英国ヘドリー・スタジオ(Hedley Studios)は2025年5月29日(現地時間)、ベントレーの歴史的なアイコンである1929年製「4 1/2 リットル スーパーチャージド“チーム・ブロワー”」をモチーフに、車両を85%スケールダウンしたうえで電動システムを搭載した新型EV「ブロワー ジュニア(Blower Jnr)」の18カ月あまりにおよぶ路上テストが完了し、生産を開始したと発表した。
▲ヘドリー・スタジオがベントレーの歴史的なアイコンである1929年製「ベントレー 4 1/2 リットル スーパーチャージド“チーム・ブロワー”」をモチーフに、車両を85%スケールダウンしたうえで電動システムを搭載した新型EV「ブロワー ジュニア」の生産を開始
ベントレーが所有する1929年製ベントレー 4 1/2 リットル スーパーチャージド“チーム・ブロワー”は、同社のヘリテージコレクションとして収蔵される逸品。ヘドリー・スタジオはこの名車を実際に使用して、スケールダウンボディおよびシャシーの設計を図るとともに電動パワートレインの搭載を企画する。さらに、インテリアの再現も行ったうえで、最新の機能装備の採用を実施した。
基本骨格に関しては、スチール製のフレームに前後2つのセクションからなるボディを架装。リアボディはオリジナルのアッシュフレームに代えて含浸ファブリック生地で覆ったカーボンファイバー材で仕立てる。また、足回りにはオリジナルをスケールダウンしたリーフスプリングとフリクションダンパーを配備。制動機構にはブレンボ製のフロントディスクブレーキとリアドラムブレーキを組み込んだ。
エクステリアにはベントレーメッシュグリルおよびニッケルメッキのラジエーターハウジングや、ハンドメイドのアルミニウム製フロントボンネット、レザーバックル付きのボンネットストラップ、ボラーニホイール、オーバル型のベントレー製サイドステップなど、オリジナルをイメージした専用パーツを装備。ボディサイズはオリジナルから85%ほど縮小した全長3720×全幅1480×全高1270mmに設定した。
▲基本骨格はスチール製のフレームに前後2つのセクションからなるボディを架装。リアボディはオリジナルのアッシュフレームに代えて含浸ファブリック生地で覆ったカーボンファイバー材を採用する。ボディサイズは全長3720×全幅1480×全高1270mmに設定
インテリアについては、前後にシートを配するタンデム式の1+1名乗りレイアウトで構成。コクピットはオリジナルのチーム・ブロワーのデザインをオマージュしたうえで、アルミニウム材のインパネや4本スポークのステアリング、ビンテージラップカウンターといったアイテムを専用装備する。一方、前進/ニュートラル/後退の切替は、オリジナルのイグニッションアドバンスコントロールを模したレバーを介して選択。また、オリジナルで採用していた燃料加圧ハンドポンプはドライブモードセレクターとして再利用し、コンフォート/ベントレー/スポーツというモードを設定した。さらに、ヘッドライトやウインカーなどのスイッチ類はオリジナルのマグネトースイッチの形状と材質をオマージュして設置。合わせて、バッテリー充電ゲージはオリジナルの電流計のデザインから再現した。
▲コクピットはアルミニウム製のダッシュボードや4本スポークのステアリングホイールなどオリジナルのデザインを基本的に踏襲したうえで、オリジナルのフューエルプレッシャーポンプに代えてドライブモードセレクターを組み込むなど専用アレンジを施す
48Vの電動パワートレインは、最高出力15kW(20bhp)のモーターをリアアクスルに、総電力量10.8kWhの駆動用バッテリーとドライブユニットをアンダートレイに搭載。最高速度は本国およびEUで72km/h(米国では規制により40km/h)を実現する。充電ポートはオリジナルのスーパーチャージャーユニットを模したうえで車両前部に配置。一充電当たりの航続距離は約65マイル(105km)としている。
▲48Vの電動パワートレインは最高出力15kWのモーターをリアアクスルに、総電力量10.8kWhの駆動用バッテリーとドライブユニットをアンダートレイに搭載。最高速度は本国およびEUで72km/hを実現
なお、ブロワー ジュニアは700以上の部品から手作業で組み立てられ、生産台数は349台限定。顧客の要望に応じたカスタマイズも可能としている。