【ポルシェの実力/最新モデル試乗】718ボクスターは痛快ドライビングプレジャーと爽快オープンエアを追求。エンジンの鼓動を味わうには急げ!

718ボクスター・スタイルエディション/価格:6MT/7DCT 1029万円。スタイルエディションは964型のカレラRSと同色のルビースターネオ(写真)を設定。トップスピードは275km/h。エンジンは2リッター水平対向ターボ(300ps)

718ボクスター・スタイルエディション/価格:6MT/7DCT 1029万円。スタイルエディションは964型のカレラRSと同色のルビースターネオ(写真)を設定。トップスピードは275km/h。エンジンは2リッター水平対向ターボ(300ps)

軽やかな走行フィールが印象的。意のままに操れる!

 初代ボクスターのデビューは1996年。ポルシェは長い歴史を持つ空冷エンジン搭載の911シリーズに頼ったビジネスからの脱却を目指し、同じ水平対向6気筒ながら水冷化を果たした新エンジンと、ボディのフロントセクションを新世代911(996型/1997年登場)と共有するという合理的なシナリオを導入。ミッドシップレイアウトを備えたオープン2シーターのブランニューモデルとして誕生した。

 ボクスターはいまやポルシェの主力モデルに成長した。現行718シリーズは、燃費効率に優れるターボ付き4気筒をメインとする第4世代だ。アルミニウムを多用したボディは、3代目モデル(981型)をベースにしている。

リア

室内

 ボディサイズは全長×全幅×全高4379×1801×1281mm。車両重量は6速MT仕様で1335kg。日本の道路事情にも最適なサイズと、その内容を考えると軽量に仕上げられている。現代のライトウェイトスポーツを代表する1台と表現していいだろう。もちろん、ひと昔前であればこうしたスペックの持ち主を「ライトウェイト」とカテゴライズするのは憚られた。しかし、車両の大型化とそれに伴う重量増が止まらない現在では、これでも相対的に「小さくて軽い」部類に入れてよさそうだ。

 実際、718ボクスターで走り初めてまず感じるのは、何とも軽やかな感覚である。加速もハンドリングも意のままに反応する。同じボクスターでも2代目モデル(987型/2004〜2012年)以前のクルマから乗り換えると、その差は明確だ。前述のようにボディの多くの部分をアルミニウム化するなど軽量構造が意識された効果が実感できる。

タイヤ

トップ

 パフォーマンスは一級品。ガソリン・エンジンとしては稀有な可変ジオメトリー式ターボを装備した2.5リッターユニット(350ps)を積むSグレードはもちろん、通常のターボを組み合わせる2リッターエンジン搭載のベースグレードでも、最高出力が300psというデータから想像出来るとおり絶対的な加速能力に不足はない。それでも、「やはりポルシェには官能的なフラット6サウンドがほしい」というユーザーには、モデルライフ途中で加えられた4リッターの自然吸気6気筒(400ps)を積むGTS4.0という選択肢もある。どんなユーザーでもきっとお気に入りの1台が選べるに違いない。

 ちなみにポルシェは、次期型ボクスターとそのクーペ版、ケイマンをピュアEVとする方針を発表済み。そうなれば、現行モデル比で3桁単位で車重が増す可能性が高い。もちろん、そうしたハンディキャップをポルシェならではの技術力で跳ね返してくれることを期待したいが、現行718とはキャラクターは大きく変わりそうだ。

 純エンジン搭載のポルシェのミッドシップ・オープン2シーター。その軽快で味わい深い走りを堪能できるのはそろそろラストチャンスかもしれない。

エンブレム

諸元

718スパイダーRS/7DCT 2065万円。718オープン系の最高峰。911GT3由来の4リッター自然吸気フラット6(500ps/450Nm)を搭載。最高回転数は9000rpmに達し、0→200km/h加速は10.9秒でクリア。トップスピードは308km/hをマーク。足回りは標準車比30mmローダウンした準スポーツ設定。トップは手動開閉式の軽量構造

718スパイダーRS/7DCT 2065万円。718オープン系の最高峰。911GT3由来の4リッター自然吸気フラット6(500ps/450Nm)を搭載。最高回転数は9000rpmに達し、0→200km/h加速は10.9秒でクリア。トップスピードは308km/hをマーク。足回りは標準車比30mmローダウンした準スポーツ設定。トップは手動開閉式の軽量構造

 

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