【2022 J'sスポーツ特集】フェアレディZとGT-Rの二枚看板で魅了する「技術の日産」の過去/現在/未来!

1969年に登場した1stフェアレディZは北米を中心に世界中で人気を獲得 写真は2リッター直6DOHCユニットを積む432  トップスピードは210km/h
1969年に登場した1stフェアレディZは北米を中心に世界中で人気を獲得 写真は2リッター直6DOHCユニットを積む432 トップスピードは210km/h

The Sport-spirit of NISSAN

ZとGT-Rはともに1969年にデビュー!

日産は1960〜80年代に海外ラリーに積極的に挑戦 輝かしい戦績を挙げる 写真は1973年のモンテカルロ・ラリーを走る240Z 総合9位でフィニッシュ
日産は1960〜80年代に海外ラリーに積極的に挑戦 輝かしい戦績を挙げる 写真は1973年のモンテカルロ・ラリーを走る240Z 総合9位でフィニッシュ

 日産のスポーツカーはフェアレディZとGT-R抜きでは語れない。どちらも1969年に登場し、50年以上の歴史を持つレジェンドだ。
 興味深いのはコンセプトがまったく異なること。フェアレディZは「アメリカ市場のニーズに適した新しいスポーツカーを作る」、GT-Rは「勝つためのマシン」。この思想は現行モデルも基本的に変わっていない。

 キャラクターが一貫しているのはフェアレディZだ。1stモデルは純粋なスポーツカーとして誕生。2nd&3rdモデルはラグジュアリー色が強調され、4thモデルのZ32型では再び本格スポーツカーに戻るなど、表層的には変化が激しいように感じる。だがそれはスポーツカーに対するニーズの変化にいち早く対応した結果にすぎない。フェアレディZはつねにアメリカ人が最も好むスポーツカーの1台であり続けている。先頃デビューした新型7thモデルは、405psの強心臓を搭載。デザイン/走りともに大きく手が加えられており、日本では春に受注がスタートする。

1stフェアレディ(SPL213)は1961年デビュー 1.2リッター直4ユニットを搭載した2+2オープン アメリカ市場専用のパーソナルカーという性格だった
1stフェアレディ(SPL213)は1961年デビュー 1.2リッター直4ユニットを搭載した2+2オープン アメリカ市場専用のパーソナルカーという性格だった
フェアレディZは「アメリカ市場に適した新しいスポーツカー」をコンセプトに発展 新型7thモデルは405psを誇る3リッター・V6ツインターボを搭載した
フェアレディZは「アメリカ市場に適した新しいスポーツカー」をコンセプトに発展 新型7thモデルは405psを誇る3リッター・V6ツインターボを搭載した
新型Zは2022年シーズンからGTーRに代わりスーパーGT500クラスに参戦 4チーム/4台体制でチャンプを目指す Zはレースシーンでも日産のイメージリーダーの座を鮮明にした
新型Zは2022年シーズンからGTーRに代わりスーパーGT500クラスに参戦 4チーム/4台体制でチャンプを目指す Zはレースシーンでも日産のイメージリーダーの座を鮮明にした

歴代GT-Rは「最強のマシン」をテーマに開発

第1世代のGT-R「ハコスカ」はサーキットで大活躍 勝つことは当たり前 負けるとニュースになるといわれた
第1世代のGT-R「ハコスカ」はサーキットで大活躍 勝つことは当たり前 負けるとニュースになるといわれた

 一方、GT-Rは「その時代の最強のマシンを作り上げる」がテーマ。それを実現する手段(=メカニズム)は世代ごとにまったく異なる。共通項はない。ちなみにハコスカ/ケンメリが第1世代、R32/R33/R34型が第2世代、現行R35型が第3世代に分類できる。どの世代も投入当初は賛否があったが、時が経つにつれて評価が高まった。つまり、どの世代も「ユーザーの期待/想像を大きく超えた商品」だったのである。

 シルビアも日産のスポーツカーのもう一つの流れだった。1stモデルはパーソナルクーペとして生まれたが、1980年代の3rd&4thモデルはラリーで活躍、1990年代の5th~7thモデルは走り屋ご用達モデルとしてスポーツ性をアピールした。2002年に生産終了するが、いまでも復活を期待する声は多い。1991年に登場したパルサーGTI-Rも異色の存在だった。WRC制覇のための秘密兵器として開発。コンパクトボディに2リッターターボ+4WDという最強のパッケージで登場した。しかしWRCでは活躍できず短命に……。残念ながら後継モデルは存在しない。

 この先はどうなるのか? フェアレディZは新型がデビューしたが、デビューから14年が経過したGT-Rは、次期モデルのウワサを聞かない。シルビア後継も復活のウワサが流れては消えての繰り返しである。現在の日産は経営再建が最優先なのは理解できる。だが、電動化以外の部分でも「技術の日産」を見たいものだ。

GTーRの第2章は1989年のR32型で幕を開ける ニュルブルクリンク北コースで徹底的な走り込みを実施 2.6リッター直6ツインターボ+4WDのスーパーパフォーマンスに世界が驚いた
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GTーRはつねに「勝つためのマシン」として発展 現行R35型はデビューから14年が経過するが現在でも世界トップ級のパフォーマンスを誇る
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