【最新モデル試乗】ノート・オーラは静かさとパワフルさを徹底追求。日産本気のプレミアムといえるのか

オーラのモーター出力は100kW(136㎰)/300Nm 標準ノート比で出力は18%/トルクは7%向上 とくに中間・追い越し加速のゆとりがアップ まるで大排気量車のようなフィーリング
オーラのモーター出力は100kW(136㎰)/300Nm 標準ノート比で出力は18%/トルクは7%向上 とくに中間・追い越し加速のゆとりがアップ まるで大排気量車のようなフィーリング

日産ノート・オーラ 価格:261万300~295万7900円 試乗記

オーラは高級車の遮音技術を採用。静かな走りを追求

 オーラにテストコースで試乗した。オーラの特徴は高い静粛性だ。ノートでも十分以上のレベルだと感じたが、オーラはドアにラミネートガラスを採用するなど高級車の遮音技術を導入。“やはり上には上がある”と実感した。ノートは“高速域”でEV→エンジン始動のタイミングがわからないレベルだったが、ノート・オーラは“常用域”でもわからないほど静かだ。
 オーラにはコンパクトクラスでは珍しい8スピーカーのBOSEパーソナルプラスサウンドシステムが設定されている。走行中もボリュームは必要最小限でクリアなサウンドが楽しめた。

 メカニズムはオーラ専用である。パワートレーンの基本構造はノートと同じ(直列3気筒1.2ℓエンジンで発電した電力でモーターを駆動させるeパワー)だが、モータースペックをいちだんとパワフルに変更。最大出力を85kW(116㎰)から100kW(136㎰)に、最大トルクは280Nmか300Nmに引き上げた。

 実際に乗ると“すごくパワフルになった”というよりも、発進時や追越加速時に“余裕ある力強さ”を実感。排気量がアップしたようなイメージを受けた。標準のノートを1.5ℓクラスとすると、1.8ℓといった印象だろうか。
 3種類のドライブモード中、最も穏やかなECOでも十分以上のパフォーマンスで、〝ノーマルがいらないのでは!?〟と思ったほどだ。スポーツを選ぶと、俊敏なレスポンスと加速感が印象的。プレミアムな“スポーティコンパクト”と呼ぶにふさわしい制御だった。

オーラはフロントドアにラミネートガラスを採用するなど遮音対策を徹底 静粛性もハイレベル エンジン始動時も静かさをキープ
オーラはフロントドアにラミネートガラスを採用するなど遮音対策を徹底 静粛性もハイレベル エンジン始動時も静かさをキープ
オーラは発電用1.2ℓエンジン(82㎰/103Nm)とモーター(100kW/300Nm)でシステムを構成 4WD仕様のⓇモーター(50kW/100Nm)は標準ノートFOURと共通
オーラは発電用1.2ℓエンジン(82㎰/103Nm)とモーター(100kW/300Nm)でシステムを構成 4WD仕様のⓇモーター(50kW/100Nm)は標準ノートFOURと共通

乗り心地はいい感じ。重厚な味わいとしっかり感が両立

 フットワークもレベルアップ。パワートレーンの出力アップに合わせてサスペンションの最適化が図られ、ノートよりも1㌅大径化された205/50R17サイズのブリヂストン・トランザT005Aを組み合わせる。
 ノートよりもしっとりした足の動きが印象的。常用域は偏平タイヤの影響からノート比でわずかにコツコツ感があるものの、本来はスカイライン・クラスに装備される3層構造シート(本革)の高い吸収性も相まって、動的質感は上級モデルのシルフィを軽く超えている。

 ハンドリングにも明確な違いを感じた。ノートは床下にバッテリーを搭載していることを忘れるくらい軽快なフットワークの持ち主だが、オーラはいい意味で重さを活かしたドッシリしたフットワークが特徴。テストコースで追い込んだ走りを試すと、ノートよりも高い接地性と、直結感が増したステアフィール、ロールを抑えたサスペンションセッティングが味わえた。グリップの増したタイヤとの相乗効果でハンドリングはシュア。シャシーとタイヤのマッチングは、ノートよりバランスが取れていると感じた。

 ノートはFFと4WDで乗り味に差があったが、オーラはその差が少ない。オンザレールで安定感の高い4WDも悪くはないが、個人的にはスロットルでクルマの挙動をコントロールできるFFがお勧めだ。
 日本では〝小さな高級車〟の成功例は少ない。理由は明確で“見せかけ”だけの差別化だったからだ。しかし、オーラは走りや乗り味も含めた“本質的”な部分まで上級化されている。
“本物”の和製プレミアムコンパクトが誕生した。

マテリアルにこだわったオーラの室内は上質で居心地がいい 適度な先進感も魅力ポイント
マテリアルにこだわったオーラの室内は上質で居心地がいい 適度な先進感も魅力ポイント
アドバンスドライブアシストディスプレイとネーミングされたTFT液晶メーターは多彩なデザインが選べる 地図表示(写真下)も可能でナビゲーション誘導は的確
アドバンスドライブアシストディスプレイとネーミングされたTFT液晶メーターは多彩なデザインが選べる 地図表示(写真下)も可能でナビゲーション誘導は的確
センターコンソールは木目仕上げ セレクター周囲には専用イルミネーション付き 高級車らしい味わいを追求
センターコンソールは木目仕上げ セレクター周囲には専用イルミネーション付き 高級車らしい味わいを追求
走行モードはノーマル/エコ/スポーツの3タイプを設定
走行モードはノーマル/エコ/スポーツの3タイプを設定
プロパイロットは9㌅ナビなどとセットop(40万1500円)
プロパイロットは9㌅ナビなどとセットop(40万1500円)
BOSEパーソナルプラスサウンドシステムは高音質8スピーカー
BOSEパーソナルプラスサウンドシステムは高音質8スピーカー
木目調パネルは15工程で本物感を表現 艶を抑えた表面処理採用
木目調パネルは15工程で本物感を表現 艶を抑えた表面処理採用
オーラはアラウンドビューモニター標準 バック時などに後方に加えて俯瞰情報も表示する安心設計
オーラはアラウンドビューモニター標準 バック時などに後方に加えて俯瞰情報も表示する安心設計
ラゲッジスペースは後席使用時にスーツケースが4個積める大容量 後席は6対4分割可倒式 Ⓡゲート開口幅は広く使い勝手は高水準
ラゲッジスペースは後席使用時にスーツケースが4個積める大容量 後席は6対4分割可倒式 Ⓡゲート開口幅は広く使い勝手は高水準

日産ノート・オーラ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=Gレザーエディション
価格=269万9400円
全長×全幅×全高=4045×1735×1525mm
ホイールベース=2580mm
トレッド=フロント:1510×リア:1510mm
車重=1260kg
エンジン=1198㏄直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=60kW(82ps)/6000rpm
最大トルク=103Nm(10.5kgm)/4800rpm
モーター=交流同期電動機(EM47型)
最高出力=100kW(136ps)/3183~8500rpm
最大トルク=300Nm(30.6kgm)/0~3183rpm
WLTCモード燃費=27.2㎞/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路=26.9/29.6/25.9㎞/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=205/50R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m
主な燃費改善対策:ハイブリッド/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/ミラーサイクル/電動パワーステアリング
主要装備:インテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)/ヒルスタートアシスト/インテリジェントエマージェンシーブレーキ/標識検知機能(進入禁止、最高速度、一時停止)/車線逸脱警報/ふらつき警報/踏み間違い衝突防止アシスト/ⒻⓇソナー/インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)/IRカット&スーパーUVカット断熱グリーンガラス/プライバシーガラス(リア3面)/アダプティブLEDヘッドライト/インテリジェントオートライト/電制シフト/プッシュパワースターター/e-POWERモードスイッチ/EVモード/インテリジェントキー/オートAC/本革巻きステアリング/本革シート/6対4分割リアシート/アドバンスドドライブアシストディスプレイ(12.3㌅)/ツイード調織物+ステッチ入り合皮インテリアトリム/イモビライザー/前席エアバッグ/運転席ニーエアバッグ/前席サイドエアバッグ&カーテンエアバッグ/17㌅アルミ
装着メーカーop:プロパイロット&ニッサンコネクトナビ&BOSEパーソナルサウンドシステム(ナビリンク機能付きプロパイロット+SOSコール付きプロパイロット緊急停止支援システム+ステアリングスイッチ+日産コネクト専用車載通信ユニット+BOSEパーソナルサウンドシステム+USB電源ソケット+統合型インターフェースディスプレイ+ワイヤレス充電器+ETC2.0車載器ほか)40万1500円/ホットプラスパッケージ&クリアビューパッケージ7万3700円
※価格はすべて消費税込み

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