話題のピュアEV、テスラ・モデル3は日本にぴったりの存在、というマルチな考察

テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス 価格:511万円 試乗記

メインIMG_4652.JPGテスラ・モデル3スタンダードレンジプラス モデル3はスタンダードレンジプラス(511万円)/ロングレンジAWD(655万2000円)/パフォーマンス(713万3000円)の3グレード構成 WLTP航続距離は409/560/530km

すべてが斬新。スタイリングは伸びやか、室内は超シンプル

 テスラの最新作モデル3は、多くのユーザーに受け入れられそうな1台である。 511万円からというスタート価格をはじめ、全長×全幅×全高4694×1849×1443mmのボディサイズも理由のひとつ。全長は5ナンバー枠内、全幅1.85mを切る。日本の道路事情を考慮したような外寸の持ち主だ。

 大型サイズのモデルSに似たスタイリングは、ノーズが低く、ガラス面積が大きい。エンジンが未搭載の特徴を生かした造形といえる。キーは薄いカード型で、センターピラーのセンサーにかざすとロックが解除される。

 ドアを開けたときの光景は驚きだ。インパネは、中央に巨大なディスプレイがあるだけ。スイッチはステアリングのスポーク上に集められ、エアコンのルーバーは段差に埋め込まれている。ミニマリズムという言葉を思い出した。
 インパネは低く、まるでミッドシップエンジンのスポーツカーのようである。シートの座り心地はアメリカ生まれらしくソフトで、後席はボディサイズ相応のスペースを確保。ただし、床下にバッテリーを積む関係でフロアは高めだ。

 日本仕様は1モーター後輪駆動のスタンダードプラス、2モーター4輪駆動のロングレンジAWDとパフォーマンスがある。車名のとおり航続距離はロングレンジAWDが560kmと最も長く、0→100km加速はパフォーマンスが最速(3.4秒)となる。

IMG_4656.JPG全長×全幅×全高4694×1849×1443mm ボディサイズはマツダ3セダン(同4660×1795×1445mm)比でややワイド Cd値は0.23

新たな発見があるクルマ! 圧倒的なダッシュ力と大らかな乗り味が魅力

 試乗車のスタンダードプラスは最もおとなしい仕様。それでも航続距離は409km、0→100km/h加速は5.6秒と実力は十分。アクセルペダルを大きく踏み込んだ際の加速は強烈で、レスポンスのよさに圧倒される。ほぼ無音で圧倒的なダッシュが展開されることを含め、〝異次元〟という表現がふさわしい。

 それでいておとなしく走る際の反応は自然だ。豊富なEV経験が反映されている。いち早く採用した運転支援システムの完成度も高い。回生ブレーキは強すぎず、唐突感もないのですぐに慣れた。この回生ブレーキと加速、操縦モードのレベルは、ディスプレイで切り替え可能である。

 乗り心地はまろやかでアメリカ車らしい。大きめの段差や継ぎ目は正直に伝えがちだが、シートがソフトな仕様なので、安楽に過ごせる。フットワークはフロントの軽さ、重心の低さを実感した。とにかく意のままに向きを変え、立ち上がりは後輪駆動らしく路面を蹴って加速していく。

 多くの自動車メーカーが、エンジン車をベースにEVを開発しているのに対し、テスラはEV専用だからできる新しいクルマの世界を開拓した。デザインから走りまですべてが新鮮。乗ると新たな発見が待っている。

IMG_4724.JPG室内は超シンプル 中央の15インチディスプレイに機能を集約 テスラは定期的に各種ソフトウエアのアップデートを配信 つねに最新機能が利用できる

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IMG_4753.JPGシート素材は動物由来の皮革を100%不使用のビーガンフリー 座り心地は良好 頭上は開放的なガラスルーフ仕様

IMG_4735.JPG15インチタッチスクリーンはナビを含む全車両情報を表示 24時間リモート診断機能付き

IMG_4695.JPG225/45R18タイヤ+アルミ標準 足回りは快適性重視のセッティング 低重心設計でハンドリングは高水準

IMG_4704.JPGフロントのラゲッジスペース ボディパネルはスチールとアルミの組み合わせ

IMG_4711.JPGリアトランクは425リッターの大容量 後席シートバックを倒すと長尺物が積載できる

テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス 主要諸元と主要装備

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グレード=スタンダードレンジプラス
価格=511万円
全長×全幅×全高=4694×1849×1443mm
ホイールベース=2875mm
最低地上高=140mm
車重=1610kg
モーター最高出力=225kW(306ps)
モーター最大トルク=420Nm(42.8kgm)
バッテリー=リチウムイオン電池
WLTP航続距離=409km
最高速度=225km/h
0→100km/h加速=5.6秒
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/45R18+アルミ
駆動方式=2WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表
●主要装備:衝突回避&自動緊急ブレーキシステム/8エアバッグ/電気式スタビリティ&トラクションコントロール/LEDフォグランプ/ナビゲーション搭載15インチタッチスクリーン/インターネット接続(Wi-Fi & LTE)/モバイルアプリによるキーレスエントリー&リモートクライメイトコントロール/音声コントロール/6対4分割可倒リアシート/デュアルゾーンクライメイトコントロール/FMインターネットラジオ/シートヒーター/オープンポアウッドデコール/12ウェイ電動調節フロントシート/プレミアムオーディオ&サラウンドスピーカーシステム/ティンテッドガラスルーフ/自動防眩サイドミラー/100%レザーフリー・ビーガンシート
●保証システム:車両4年8万㎞まで/バッテリー8年16万2000㎞まで
●装着メーカーop:オートパイロット
●ボディカラー:パワーホワイトマルチコート
※2018年11月デビュー 価格はすべて消費税込み

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