跳ね馬のFRオープンスポーツの系譜に新たなページを刻む新世代“2+”スパイダー「フェラーリ・アマルフィ スパイダー」が登場

フェラーリがローマ スパイダーの実質的な後継モデルとなる新世代“2+”オープンスポーツ「アマルフィ スパイダー(Amalfi Spider)」を発表。Zホールドキネマティックを採用した電動ソフトトップは60km/hの速度域までであれば13.5秒で開閉可能。3段階調整のリアウイングとボタン1つで作動するディフレクターを備えたアクティブ空力設計により、最上のオープンエア走行を実現。パワートレインには最高出力640psを発生する進化版の3.9リットルV8ツインターボエンジンを搭載。

 伊フェラーリは2026年3月12日(現地時間)、新世代のFR(フロントエンジン・リアドライブ)オープンスポーツモデル「アマルフィ スパイダー(Amalfi Spider)」を発表した。

▲フェラーリ・アマルフィ スパイダー 全長4660×全幅1974×全高1305mm ホイールベース2670mm トレッド前1652/後1679mm 乾燥重量1556kg 従来のローマ スパイダーの実質的な後継モデルに位置する新世代の“2+”オープンスポーツ

▲フェラーリ・アマルフィ スパイダー 全長4660×全幅1974×全高1305mm ホイールベース2670mm トレッド前1652/後1679mm 乾燥重量1556kg 従来のローマ スパイダーの実質的な後継モデルに位置する新世代の“2+”オープンスポーツ

 従来のローマ スパイダーの実質的な後継モデルとなるアマルフィ スパイダーは、2025年7月に登場した新世代“2+”FRベルリネッタ(クーペ)のアマルフィのオープントップモデルに位置。パフォーマンス、エレガンス、ドライビングの楽しさ、使いやすさ、多用途性の完璧なバランスをオープンスポーツモデルで具現化し、フェラーリのパフォーマンス重視のライフスタイルを新たな基準で確立しているという。

▲車名のアマルフィはイタリア南部の海岸名で、ユネスコ世界遺産にも登録されている名勝地に由来。写真のボディカラーはアマルフィ海岸の色合いから着想を得た、夕暮れ時の海を表現する新色のロッソ トラモント

▲車名のアマルフィはイタリア南部の海岸名で、ユネスコ世界遺産にも登録されている名勝地に由来。写真のボディカラーはアマルフィ海岸の色合いから着想を得た、夕暮れ時の海を表現する新色のロッソ トラモント

 オープン化に際しては、コクピットまわりを入念に強化したうえで、センタートンネル部に設けたスイッチを操作するだけで開閉できる電動ソフトトップを装備する。トップ格納機構にはZホールドキネマティック(Z型折り畳み)システムを採用し、完全に格納した状態でのルーフ厚は220mmの薄さを実現。後部には格納したソフトトップをリアボディラインに沿ってシームレスに覆うトノカバーを配する。開閉に要する時間はわずか13.5秒で、60km/h以下であれば走行中でも操作が可能だ。ソフトトップ自体は5層構造のサンドイッチアコースティックファブリックで仕立て、軽量化を果たすとともにクローズド時の高い室内静粛性を確保。遮音性と断熱性はリトラクタブルハードトップ(RHT)に匹敵するという。また、ラゲッジ容量はトップを閉じた状態で255リットル、開けた状態で172リットルを実現した。ルーフの素材は2種類のテクニカルファブリックと4種類のオーダーメイドファブリックから選べるほか、オプションとして数々のテクニカルなスペシャル・ファブリックを設定。この中には新しいテクニコ・オッタニオも含まれ、生地の特徴的な織り込みが三次元のきらめき効果を生み出し、あらゆる照明条件下でルーフを際立たせる。

▲コクピットまわりを入念に強化したうえで、センタートンネル部に設けたスイッチを操作するだけで開閉できる電動ソフトトップを装備。トップ格納機構にはZホールドキネマティック(Z型折り畳み)システムを採用する。開閉に要する時間はわずか13.5秒で、60km/h以下であれば走行中でも操作が可能

▲コクピットまわりを入念に強化したうえで、センタートンネル部に設けたスイッチを操作するだけで開閉できる電動ソフトトップを装備。トップ格納機構にはZホールドキネマティック(Z型折り畳み)システムを採用する。開閉に要する時間はわずか13.5秒で、60km/h以下であれば走行中でも操作が可能

▲ソフトトップ自体は5層構造のサンドイッチアコースティックファブリックで仕立て、軽量化を果たすとともにクローズド時の高い室内静粛性を確保する。ルーフの素材は2種類のテクニカルファブリックと4種類のオーダーメイドファブリックから選べるほか、オプションとして数々のテクニカルなスペシャル・ファブリックを設定

▲ソフトトップ自体は5層構造のサンドイッチアコースティックファブリックで仕立て、軽量化を果たすとともにクローズド時の高い室内静粛性を確保する。ルーフの素材は2種類のテクニカルファブリックと4種類のオーダーメイドファブリックから選べるほか、オプションとして数々のテクニカルなスペシャル・ファブリックを設定

 フラビオ・マンゾーニ氏が率いるフェラーリ・スタイリング・センターのチームが手がけたエクステリアは、フロント・ミッドマウントのV8エンジンを搭載した“2+”ベルリネッタの原型を基調に、“2+”スパイダー構造とファブリック製ソフトトップを配して、フェラーリならではのオープンエア構成のスポーツライフスタイルを体現する。シルエットはエレガントかつ流麗で、屋根が開いていても閉じていてもすぐにアマルフィ スパイダーであることを認識できるようにアレンジ。デザイン言語は洗練とエネルギーを融合させ、一枚岩のように滑らかで彫刻的なオープントップのスピードフォルムを形成した。このアプローチはミニマリストかつ機能的であり、光によって彫り込まれた美しい表面と体積の精密な相互作用を軸に構築している。ボディカラーとしてアマルフィ海岸の色合いから着想を得た、夕暮れ時の海を表現する新色のロッソ トラモント(Rosso Tramonto)や、鮮やかな海の色合いをイメージさせるヴェルデ コスティエラ(Verde Costiera)を設定したこともトピックだ。ボディサイズは従来のローマ スパイダー比で4mmほど長く、それ以外はほぼ同寸の全長4660×全幅1974×全高1305mm/ホイールベース2670mmに設定。車重は乾燥重量でベルリネッタ比+86kg増の1556kgに仕立てている。

▲フロント・ミッドマウントのV8エンジンを搭載した“2+”ベルリネッタの原型を基調に、“2+”スパイダー構造とファブリック製ソフトトップを配して、フェラーリならではのオープンエア構成のスポーツライフスタイルを体現する

▲フロント・ミッドマウントのV8エンジンを搭載した“2+”ベルリネッタの原型を基調に、“2+”スパイダー構造とファブリック製ソフトトップを配して、フェラーリならではのオープンエア構成のスポーツライフスタイルを体現する

▲アマルフィ海岸の鮮やかな海の色合いをイメージさせるヴェルデ コスティエラのボディカラーも選択可

▲アマルフィ海岸の鮮やかな海の色合いをイメージさせるヴェルデ コスティエラのボディカラーも選択可

 空力特性も最大限に重視する。クーペのベルリネッタと同様、フロントのアンダーボディには空気の流れをスムーズにするボルテックスジェネレーターを配し、同時にスプリッターに統合された2つのディフューザーを装備して整流効果をアップ。一方、リアには可動式ウィングを組み込み、格納時はオープンスポーツならではのフォーマルな優美さを損なわず、高速走行時には自動で起動して効果的なダウンフォースを発生する。また、スポイラーの角度は「ロー・ドラッグ(LD)」「ミディアム・ダウンフォース(MD)」「ハイ・ダウンフォース(HD)」の3パターンに調整する仕組みとした。さらに、後席のシートバック部にはボダン操作1つで展開するウィンドディフレクターを配備。展開角度は101度に設定し、後部からキャビン部に侵入する空気の流れを巧みにコントロールする。

▲フロントのアンダーボディには空気の流れをスムーズにするボルテックスジェネレーターを配し、同時にスプリッターに統合された2つのディフューザーを装備して整流効果を高める

▲フロントのアンダーボディには空気の流れをスムーズにするボルテックスジェネレーターを配し、同時にスプリッターに統合された2つのディフューザーを装備して整流効果を高める

▲リアには可動式ウィングを組み込み、格納時はオープンスポーツならではのフォーマルな優美さを損なわず、高速走行時には自動で起動して効果的なダウンフォースを発生する

▲リアには可動式ウィングを組み込み、格納時はオープンスポーツならではのフォーマルな優美さを損なわず、高速走行時には自動で起動して効果的なダウンフォースを発生する

▲後席のシートバック部にはボダン操作1つで展開するウィンドディフレクターを配備。後部からキャビン部に侵入する空気の流れを巧みにコントロールする

▲後席のシートバック部にはボダン操作1つで展開するウィンドディフレクターを配備。後部からキャビン部に侵入する空気の流れを巧みにコントロールする

 インテリアに関しては、クーペのベルリネッタと同様にドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するデュアルコクピットの“セル”構造の理念をいっそう進化させたうえで、アップデートした最新のデジタルインターフェースを積極的に採用したことが訴求点である。コクピットにはすべてのドライビングおよびビークルダイナミクス情報を提供するフルデジタルの15.6インチインストルメントクラスター、センターにはドライバーと同乗者の両方がマルチメディア、オーディオ、電話、スクリーンミラーリング、クライメートコントロール、シート調整、車両設定などの主要機能にアクセスできる10.25インチの静電容量式タッチスクリーン、助手席側にはオーディオなどのほかGフォースやエンジン回転数などのパラメーターを表示する8.8インチのパッセンジャーディスプレイを配備。ステアリングは左側にアイコニックなアルミニウム製のスタートボタンを配し、合わせてスポークにADASコントロールやアダプティブクルーズコントロール、音声コマンドなどの機能を、右側スポークにはディスプレイビューやワイパー、インジケーターのセレクターを組み込む。裏側にはボリュームとステーションの選択を管理する2つの回転式ダイヤルを配置した。一方でダッシュボードには、インストルメントクラスターとエアベントが1つのブロックに融合したモノリシックレイアウトを採用。また、アルマイト処理したアルミニウムのブロックから削り出したセンターコンソールはフローティングタイプでアレンジし、ギアセレクターゲートやキースロット、ワイヤレス充電パッド、セカンダリコントロールなどの機能要素を効率的に収容する。さらに、ドアパネルはセイル(帆)をモチーフにデザインし、合わせてハンドルとアームレストを一体化して個性を際立たせた。トノカバーやドアパネル、シートバックなど一部のコンポーネントをソフトトップと同素材のファブリックで仕立てて、従来モデル以上に内外装の連続性を持たせたことも、アマルフィ スパイダーのアピールポイントである。

▲ドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するデュアルコクピットの“セル”構造の理念をいっそう進化させたうえで、アップデートした最新のデジタルインターフェースを積極的に採用。コクピットにはフルデジタルの15.6インチインストルメントクラスター、センター部には10.25インチの静電容量式タッチスクリーン、助手席側には8.8インチのパッセンジャーディスプレイを配備

▲ドライバー側とパッセンジャー側を別々の空間で演出するデュアルコクピットの“セル”構造の理念をいっそう進化させたうえで、アップデートした最新のデジタルインターフェースを積極的に採用。コクピットにはフルデジタルの15.6インチインストルメントクラスター、センター部には10.25インチの静電容量式タッチスクリーン、助手席側には8.8インチのパッセンジャーディスプレイを配備

▲前席には“セル”構造で仕立てたうえでサポート性と座り心地を高次元で両立させた上質なバケットシートを装着。トノカバーやドアパネル、シートバックなど一部のコンポーネントをソフトトップと同素材のファブリックで仕立てて、従来モデル以上に内外装の連続性を持たせる

▲前席には“セル”構造で仕立てたうえでサポート性と座り心地を高次元で両立させた上質なバケットシートを装着。トノカバーやドアパネル、シートバックなど一部のコンポーネントをソフトトップと同素材のファブリックで仕立てて、従来モデル以上に内外装の連続性を持たせる

 フロントミッドシップに搭載するエンジンはクーペのベルリネッタを基本的に踏襲し、進化版の3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットを採用。圧縮比は9.4に設定し、最高出力は640ps/7500rpm、最大トルクは760Nm/3000~5750rpmを発生する。一方、組み合わせるトランスミッションには8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用。また、さまざまな運転条件に適応させるための専用マップを備えたサイレンサーレイアウトも導入する。性能面では0→100km/h加速が3.3秒、最高速度が320km/h以上という超一級のパフォーマンスを実現した。

 シャシー面では、最新の電子制御デバイスやブレーキ・バイ・ワイヤを組み込んで高度なドライビングプレジャーと快適な乗り心地を高次元で両立させる。まず、サイドスリップを予測してコントロール系の制御システムへ伝達する最新バージョンのSSC(サイドスリップコントロール)6.1を配備。E-Diff、F1-Trac、SCM-E Frs、フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)といった制御を統合し、より正確で緻密なダイナミクス性能をアシストする。また、ABS Evoシステムはあらゆる路面とすべてのマネッティーノ・モードで最適なパフォーマンスを発揮するように再調整。車体の動きを監視して瞬時に反応する6Dセンサーにより、走行時の安全性と機敏性をよりいっそう引き上げた。足もとには20インチアロイホイールと前245/35/後285/35R20サイズの専用タイヤ(銘柄はピレリP ZERO、ブリヂストンPOTENZA SPORT、グッドイヤーEAGLE F1 SUPERSPORT)を装着する。さらに、先進安全運転支援システムのバージョンアップも図り、最新のアダプティブクルーズコントロールや自動緊急ブレーキ、レーンデパーチャーウォーニング、トラフィックサインレコグニション、ブラインドスポットディテクション、ドライバー異常対応システムといった先進機構を採用した。

▲フロントミッドシップに搭載するエンジンには進化版の3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットを採用。最高出力は640ps/7500rpm、最大トルクは760Nm/3000~5750rpmを発生する。最新の電子制御デバイスやブレーキ・バイ・ワイヤも装備

▲フロントミッドシップに搭載するエンジンには進化版の3855cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットを採用。最高出力は640ps/7500rpm、最大トルクは760Nm/3000~5750rpmを発生する。最新の電子制御デバイスやブレーキ・バイ・ワイヤも装備

 なお、フェラーリ・アマルフィ スパイダーの受注はすでに始まっており、車両価格は27万ユーロ(約4920万円)~に設定される見込み。欧州市場におけるユーザーへの納車開始は2027年初頭を予定している。

 

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