
世界的にBEV見直しの動きがあるがクルマとしての完成度は確実に向上。「BEVかエンジン車の選択「ではなく、多様なパワーユニットのひとつとして認識するとBEVの魅力が見えてくる。写真はノイエクラッセを掲げるBMWのiX3
山本善隆(以下、山本):2026年こそ、BEVに注目したいところ。日本勢は新型日産リーフやスズキeビターラの販売がスタートして、ホンダからも新たなBEVが発売されるとの噂。またここ数年で積極的にBEVを投入してきた欧州勢からも、新世代BEVが送り出されてくる。個人的には中でもBMWのiX3に期待している。BMWはi3登場時から電動車づくりが上手いと感じていた。現行のiX1もとてもよかった。となれば、「ノイエクラッセ」を掲げるiX3はさらに素晴らしいに違いない。
岡本幸一郎(以下、岡本):確かに2026年はBEVが豊作となりそうです。VWはID.ポロやゴルフ・クラスのID.3のデビューが待ってるし、メルセデスの新型CLAもBEVになります。BEVに逆風が吹いていると指摘されますが、技術は確実に進化し、商品性はぐっと高まっている。日本の充電インフラも、ようやく整ってきました。一夜にしてBEVが見直される可能性もあると感じています。
九島辰也(以下、九島):BEVはユーザーを選ぶ。自宅で充電できる環境かどうかが分かれめ。降雪地帯ではいまだに厳しい。複数所有では1台をBEVにするのはありだと思うけれど、ファーストカーとしてはまだ難しいと思います。
横田宏近(以下、横田):実際にBEVを所有してみて、意外に使えると思いました。ただし冬場の走行ではひざ掛けがほしくなりますが(笑)。確かに自宅で充電できるかどうかは大切なポイント。でも充電環境さえクリアーできれば、その静かでスムーズな走りは圧倒的な魅力。最新BEVは航続距離がエンジン車と同等レベルまで伸びていますし、そのほかの機能も日進月歩で革新されています。
山本:いまという時代は、あらためてクルマ好きにとって魅力的なのではないかと思います。エンジンが再び注目を集め、ハイブリッドも大いに進化している。同様にBEVも確実に魅力が高まっている。まさに好みに応じて、いろいろなパワーユニットが楽しめる環境が整ったといえます。この時代を楽しめるのは幸運だと思えば、なんだかワクワクしてきますよね。
九島:BEVは進化途上だから、買うタイミングが難しいと思っていたけど、真剣に検討する時代が到来したということかな。
山本:BEVの魅力は、とにかくドライバビリティに優れていてストレスなく快適に走れるところ。抵抗なく走っているというコースティングの感覚、そして少し加速したい時のリニアな反応は快感レベルだと思います。
横田:どんなパワーユニットのクルマにもいい点、悪い点はある。BEVは以前は新参者扱いだったけれど、開発が進みエンジン車やハイブリッドと同じレベルで魅力を語れるところまで来た。2026年はBEVにいままで以上に注目したいですね。
九島:BEVを含めラインアップが充実すれば、楽しいクルマが増える。輸入車を含め2026年は充実の1年になりそうだ。大いに期待しよう。
■NISSAN リーフ
新型日産リーフは第3世代。過去の経験を生かし世界をリードするBEVを創造。アリアと同様の電動車専用CMF-Eプラットフォームを採用。Cd値0.26の空力フォルム。写真のB7Gの航続距離は685㎞、価格は599万9400円。
■SUZUKI eビターラ
eビターラは世界戦略BEV。インド工場で生産し、日本や欧州をはじめ世界で販売。日本仕様はX(FWD)と上級版のZ(FWD/AWD)の2グレード構成。航続距離はXが433㎞、ZはFWDが520㎞、AWDは472㎞。価格は399万3000〜492万8000円。
■BMW iX3
新型iX3は「ノイエクラッセ=新しいクラス」第1弾。内外装からメカニズムまで、すべてを新設計。高効率モーターと円筒型バッテリーセルを採用した800V電動パワートレーンを搭載。ツインモーターAWDで0→100㎞/h加速4.9秒、航続距離は800㎞。
■Mercedes-Benz CLA
メルセデスCLAは250 with EQテクノロジーと350 with EQテクノロジーが欧州デビュー。ともにBEVで250はRWD、350はAWD。800V電動パワートレーンと85kWバッテリーの組み合わせで航続距離は792㎞。10分の充電で320㎞の走行に対応。
■VW ID.GTIコンセプト
GTI誕生50周年の節目にBEVのホットハッチ、ID.GTIコンセプトを提案。BEVならではの強大なトルク/前輪駆動/電子制御フロントデフロックを武器にシャープな走りを実現。GTIの象徴である赤いラインとハニカムグリルを採用。足元は20㌅。
■VW ID.ポロ
ID.ポロは欧州では2026年4月に正式発表。日本にも導入予定。最高出力85kW/99kW/155kW/166kWの仕様を設定し、駆動方式はFWD。バッテリーはリン酸鉄リチウムイオンとニッケルマンガンを積み分ける。サイズは4053×1816×1530㎜。
