九島辰也(以下、九島):トヨタが米国生産のタンドラ、ハイランダー、カムリを日本に導入するというニュースはうれしい驚きだった。個人的には4ランナーも日本に持ってきてほしい。タンドラなどの大型ピックアップ&SUVは、日本でも一定のニーズがある。いままで並行輸入だったが、正規輸入となることで潜在ユーザーが飛びつくのではないかと。
山本善隆(以下、山本):トヨタは企業体力がダントツだから、いろいろなチャレンジができるのが素晴らしいですね。
横田宏近(以下、横田):ホンダもオートサロンで北米で人気のSUV、パスポートと、シビック・タイプRと同様のメカニズムを持つインテグラ・タイプSを展示し、日本道入を示唆しました。間もなくワールドワイドで評価されているCR-Vも発売します。
九島:新型CR-Vはかっこいいよね。売れそうだな。ところで最近マツダが少し元気がない印象だけど、CX-5のモデルチェンジで活気が戻りそうですね。
横田:CX-5は2.5リッターのマイルドHVから発売の予定です。現在「スカイアクティブZ」という本命パワーユニットを開発中で、そちらのデビューは2027年。先日、開発者から「スカイアクティブZは80点の完成度に達している。あとは磨き込みだけ、期待していてください」と聞きました。新型CX-5は、2.5リッターマイルドHVでも従来の2リッター以上に燃費がいいそうです。実車を確認しましたが、基本がしっかりとした気持ちのいい仕上がりでした。新型はドライバーだけでなく、パッセンジャー全員が満足できるクルマ。インフォテインメントの充実、リアスペースの拡大など魅力たっぷりです。
岡本幸一郎(以下、岡本):CX-5は定番SUVとしてヒットしそうですね。ただしマツダは商品ラインアップの個性を明確化することが求められると思います。CX-60/CX-80のラージ商品群はFRレイアウトとストレート6で勝負した。期待したユーザーは多かったが、販売は苦戦しています。
山本:CX-5のデビューを機に、個人的にはCX-60はドライバーズカーというキャラクターを一段と明確にしたらいいと思う。2025年にCX-60でラリーに挑戦しはじめたのだから、現場でクルマを強くする姿勢を見せるなど、ブランドイメージにエッジをもたせると、より魅力的に映ると思う。
九島:CX-80は上級3列シート車として独自のポジショニングを誇るシボレー・サバーバンのような路線を追求してほしいな。CX-60がタホ、CX-80がサバーバンといった。
山本:ビッグスケールの走りを持つ、たとえばバスフィッシングの世界で愛されるランドクルーザーのような存在でしょうか。CX-80はトーイングにも対応していますし、フィッシングボートを牽引するにもパワーは十分、よりフラッグシップとして光ると思います。いずれにせよ、新型CX-5の導入はこれまでの車種ごとのブランドイメージを上書きする絶好の機会。いまブランドコミュニケーションがややブレ気味にあるいまのマツダにとって、そこを再定義する重要な年になると思います。
横田:確かに2026年はマツダのようにニューモデルの投入とともにラインアップの個性、メーカーアイデンティティの再定義が求められる気がします。三菱はデリカD:5のマイナーチェンジで、「独自の技術でユーザーのライフスタイルを広げるタフなブランド」というイメージをより明確にしました。日産はどうでしょう。先日パトロールの2027年の発売が決定しました。
九島:期待していますよ。でも販売戦略は難しいと思う。パトロールはメルセデスのGクラスのすぐ下といったレベルのプレステージ4WD。それをランクル300のライバルというイメージで展開するのとステータスが下がってしまう。
山本:パトロールは日産の技術力ととともに、世界に認められているブランドの強さを、日本国内であらためて評価してほしいという関係者の強い思いで発売が決定したときいています。販売台数に期待が持てる新型エルグランドも出てくるようですし、ぜひ日産のリバイバルはうまくいってほしい。
岡本:エルグランドは大いに気になります。圧倒的な人気のトヨタ・アルファード/ヴェルファイアのライバル車としてどう勝負するのか。すでに試乗した関係者からは、好印象を聞いています。新世代e-POWERを含め、今後の日産の技術が満載されている注目車です。
■TOYOTA タンドラ
トヨタは北米工場生産車の輸入販売を検討。フルサイズピックアップのタンドラがその中心。3.5リッター・V6ツインターボの強心臓と5933×2037×1981㎜のBIGボディは圧巻。
■TOYOTA カムリ
2023年に国内販売が終了したカムリが輸入車として復活。新型は上級サルーンの快適性とスポーティな味わいを強調。パワートレーンは2.5リッターハイブリッド。全長4920㎜。
■HONDA パスポート
ホンダは年頭のオートサロンで北米専用モデルのパスポートとアキュラ・インテグラの日本導入を示唆。パスポートは3.5リッター・V6(285ps)を積む大型SUV。サイズは4870×2070×1860㎜。
■MAZDA CX-5
優れた走りと快適性を追求。当初2.5リッターマイルドHVを発売。本命ユニットのスカイアクティブZは2027年以降に登場する。サイズは4690×1860×1695㎜。
■NISSAN パトロール
世界で高い評価を獲得しているフラッグシップSUV。中東では「砂漠の覇者」と呼ばれる。日本発売は2027年の予定。3.5リッター・V6ツインターボ。サイズは5350×2030×1955㎜。
■NISSAN エルグランド
開発陣は「500㎞以上のロングツーリングに連れ出しても乗員全員が「もっと乗っていたい」と思わせるクルマ」と説明。最新技術を傾注した自信作。新世代e-POWERと日産自慢のe-4ORCEシステム搭載。サイズは4995×1895×1945㎜。
