【最新モデル試乗】BYDシーライオン6は、いま最もコスパに優れたPHEV。電動車専門メーカーらしい高い完成度の持ち主だった

BYDシーライオン6(FWD)/価格:398万2000円。シーライオン6はEVとして100km走行可能。航続距離は1200kmに達する。まさに電欠しらずの電動車。安全・走行支援機能も充実しており高速クルージングの快適性はクラストップ級にある

BYDシーライオン6(FWD)/価格:398万2000円。シーライオン6はEVとして100km走行可能。航続距離は1200kmに達する。まさに電欠しらずの電動車。安全・走行支援機能も充実しており高速クルージングの快適性はクラストップ級にある

BYDのPHEV販売スタート! スタイリッシュで廉価、しかも実力は高水準

 BYDのPHEVモデル、シーライオン6の販売がスタートした。BYDは2023年のATTO 3上陸以降、日本でのラインアップはBEVのみとなっていた。だが海外では以前からエンジン車も製造しており、グローバルで見るとPHEVの販売比率はかなり高い。なお、世界初のPHEV量産車は、2008年にBYDが世に送り出したモデルである。

 シーライオン6は、2025年秋のジャパンモビリティショー2025で発表。BYDの日本上陸第5弾となり、初のPHEVとして注目されている。正式発売までの約1カ月間で300台ほどの先行予約を獲得したという。

リア

インパネ

 シーライオン6の大きな魅力は価格だ。ラインアップは駆動方式の違いによる2グレード。日本車ではハリアーやアウトランダーPHEVに匹敵する車格にもかかわらず、FWD(=前輪駆動)は何と400万円を切る398万2000円。相当のインパクトがある。448万8000円のAWDだって内容を考えると望外のバーゲンプライスだ。

 もちろん安普請な印象は皆無。兄貴分のBEV、シーライオン7をスポーティにした印象のスタイリングはまとまりがあり、19インチのブラックアルミホイールがよく似合う。ボディサイズは伸びやかな4775×1890×1670mm。幅は広めだが、日本の道路環境でも持て余す心配はない。シートレイアウトは2列で、乗車定員は5名である。

 一連のBYD車と同じく、躍動的な造形のインテリアの仕立ても上々だ。センターには最新のインフォテインメントシステムを備えた15.6インチの大型ディスプレイをレイアウト。これまでのBYD各車は、ディスプレイを縦向きにも横向きにもワンタッチで変えられたがシーライオン6は横向き固定タイプ。これはちょっと残念である。とはいえApple CarPlay®やAndroid Auto™によるスマートフォン連携が可能となっていて機能は実に充実している。

シート01

シート02

 センターコンソールに2台同時接続ができるワイヤレス充電が設定されているのもBYDらしい。また、ボイスコントロールが全席からの発話を認識して対応してくれるのも重宝する。後席の居住性も上々である。2765mmとホイールベースが長い効果で実にゆったりとしている。しかも床面がフラットになっていて居心地がいい。荷室は425リッターから最大1440リッターまで拡張でき、前倒しした際の段差も小さくて使いやすい。

 装備はまさに至れり尽くせり。頭上にはワンタッチ開閉式パノラミックサンルーフがあり、シートはレザー調。前席はヒーター/ベンチレーションを備えた電動スポーツシートだ。さらにステアリングヒーターを備えるほか、NFCカードキー、インフィニティ10スピーカーオーディオなどが標準装備される。それで400万円を切る価格なのだ。シーライオン6のコストパフォーマンスは驚愕のレベルにある。

EVとして100km走り、最大航続距離は1200kmを達成。HVの価格でPHEVに乗れる!

「DM-i」と名付けられたPHEVシステムは、FWDでは1.5リッター直4自然吸気エンジンとモーター+ジェネレーターの組み合わせ。試乗したFWDモデルのスペックはエンジン最高出力が72kW、最大トルクは122Nm。モーターは同145kW、300Nmで、バッテリー容量は18.3kWh。シーライオン6では、12Vの補機バッテリーもBYDお得意のリン酸鉄リチウムイオンとなっている。注目の一充電EV走行距離は100kmに達する。

走り

エンジン

 PHEVの魅力は電欠の心配なく電動走行が楽しめる点にある。モーターのみで100kmも走れれば、日常使いのほとんどをBEVとして使える。たまに遠出したいときには、エンジンとの併用で長距離ドライブできるのはいうまでもない。ちなみにシーライオン6の最大航続距離は1200kmに達する。

 充電は、普通充電が最大6kW、急速充電は最大18kWに対応。18.3kWhのバッテリーを満タンにするのは容易だ。車外への給電(V2L)や家庭への電力供給(V2H)にも対応しているのも朗報である。

 走りは力強い。モータートルクが300Nmもあるので、EVモードのままでも加速フィールはパワフル。上り勾配の続くワインディングでも、バッテリー残量が25%以上あればエンジンは基本的にかからない。

 ただし、オルガンペダルの途中にスイッチが設けられていて、全開まで踏み込むとバッテリー残量に余裕があってもエンジンが掛かり全力で加速する。ドライバーがスポーティな走りにトライしたい場合は、すぐに応えてくれる体制が整っているわけだ。

タイヤ

メーター

 静粛性はハイレベル。遮音性の高いガラスを採用している効果だろう。エンジンがかかっていない状態での静粛性はなかなか見事だ。HVモードを選択するとエンジンがかかる頻度が増える。エンジンがかかるとそれなりに音や振動が入ってくるが、発電に徹している印象だ。アクセル操作とエンジンが連携している感じはなく、必要なだけ充電してあるところで止まる。慣れれば、さほど気にならない。

 フットワークは及第点。エンジンの稼働を含めた制御が4輪の荷重移動にも影響しているのか、ワインディングではややリズムがつかみづらい。粗削りな印象もなくはなかったが、高速巡行は充実した運転支援機能も手伝って、安心して快適に走れた。新東名を120km/hで余裕を持ってEV走行できた。

 シーライオン6は、走るほどに価値を実感するクルマだった。この内容で400万円を切っているのは、やはり驚異的というほかない。日本勢もうかうかしていられなさそうだ。

エンブレム

諸元

フォトギャラリー

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