【情熱と革新/究極のアイデンティティ】最高許容回転数1万rpm! システム出力920cvの新世代V8スーパーPHEV「ランボルギーニ・テメラリオ」のドライビング世界

テメラリオのネーミングはマドリッドで活躍した闘牛に由来。スペイン語で「桁外れに勇敢」を意味する。新開発のV8ツインターボは10000rpmの超高回転を許容。PHEVながらエンジンの存在感は抜群。システム出力は920cv。0→100㎞/h加速を2.7秒でクリアしトップスピードは343㎞/hに達する

テメラリオのネーミングはマドリッドで活躍した闘牛に由来。スペイン語で「桁外れに勇敢」を意味する。新開発のV8ツインターボは10000rpmの超高回転を許容。PHEVながらエンジンの存在感は抜群。システム出力は920cv。0→100㎞/h加速を2.7秒でクリアしトップスピードは343㎞/hに達する

ランボルギーニの新たな主役は電動車。だがエンジンの存在感が凄い

 テメラリオは、ランボルギーニの新たな主軸。性格的には従来のウラカン後継車だが、メカニズムはレヴエルトに近い。フロントモーター×2+エンジン+リアモーター+8DCTのシステム構成は両車共通。バッテリーはレヴエルトと同じユニットである。注目はエンジン。L411型と呼ばれる4リッター・V8ツインターボはサンタアガータ独自開発の完全新設計。オイル潤滑はレーシーなドライサンプでエンジン単体で800cv/730Nmの高スペックを誇る。最高許容回転数はなんと10000rpmである。システム出力920cv、トップスピード343㎞/hに達する駿馬は、ステファン・ヴィンケルマン氏の言葉「ランボルギーニはドリームカーであり続ける」を象徴している。

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■証言/九島辰也 主役は4リッター・V8ツインターボ! とにかく気持ちいい

 テメラリオの試乗はクローズドエリアで行われた。加速と制動力、ハンドリングにおいての印象を得られたが、一般道的な動きはしていない。なので、偏った私見になる。そもそもこのモデルはサーキットをメインフィールドにしている感が強い。10000rpmまで吹き上がるV8ツインターボとモーターによるアシストの力強さがウリだ。とくにこのエンジンのリニアリティは素晴らしく、まるで自然吸気エンジンのようなフィーリングをドライバーに与える。無論ターボあっての高回転だが、とにかく気持ちがいい。これには、サウンドを含め既存のV10自然吸気エンジンの存在があるようで、それを参考に開発プロジェクトが進められた印象が強い。

 走り味から考えられるのはランボルギーニらしいモーターとのつきあい方だろう。スーパーカーを電動化することのポジティブさとネガティブさを徹底的に研究したようだ。モータースポーツでのモーターによるブースト機能はすでに常識となっているが、一般社会における電動化のネガ要素は明らかに存在する。結果、テメラリオはレヴエルト同様3基のモーターを搭載しながら、モーターの気配を消すようセットアップされている。モーターのパフォーマンスを手に入れながら、あくまでも主役は4リッター・V8ツインターボにしてあるのだ。サンタアガタ・ボロネーゼでゼロから設計・開発した意義はそこにあるのかと感じられる。

リア走り

■証言/西川 淳 圧倒的なドライビングファンの持ち主!

 ウラカンの後継モデルだなんてまったく思えなかった。THE MAGARIGAWA CLUB、そして鈴鹿で試したテメラリオはアヴェンタドールの後継といってもおかしくない、否、ほとんどレヴエルトに迫る高いパフォーマンスを発揮した。加速から減速、コーナリング、そして超高速域での安定感。すべてがウラカン後継レベルを遥かにしのぐ。ドライビングプレジャーという点ではウラカンの系譜に連なるハンドリング重視のスーパーカーかもしれない。けれどもそれにしたところで実際の性能は異次元だ。コーナリングスピードが極めて速い、というだけでなく、曲がっている最中にドライバーが楽しいと思えるクルマでもあった。コーナーで速いというのはレヴエルトもそうだったが、ことドライビングファンという点でテメラリオはレヴエルトさえ上回った。クルマの運転好きが選ぶべきは間違いなくテメラリオ。10000rpmまで回るV8エンジンのフィールとサウンドを加味すれば、答えはおのずとそうなる。実際、テメラリオはレヴエルトと姉妹関係にある。アヴェンタドールとウラカンのときのようにまったく異なるモデルではない。テメラリオは、カーボンではなくアルミシャシーで、V12と比べても遜色ない高性能なV8を積んだレヴエルトでもある。テメラリオは間違いなくランボルギーニ製スポーツカーのコアであり、そのパフォーマンスは同様のパワートレーン構成をもつハイパーカーをも脅かす。

俯瞰走り

■証言/大谷達也 絶品のハイレヴV8。パワーとシャシーで新境地を創造

 ウラカンの自然吸気式V10エンジンは官能性の点で申し分なかった。だがプラグインハイブリッド化するならコンパクトなV8エンジンに置き換えざるを得ない。そして、この判断がテメラリオのキャラクターを決定づけた。

 V8で官能性を生み出す方法としてランボルギーニが挑戦したのが、エンジンの超高回転化だった。常識破りのハイレブエンジンを開発するうえで課題となったポイントを、技術トップのルーベン・モールはこう解説する。
「ボアとストロークの関係、ピストンスピード、バルブトレインの強度などを詳細に検証することで超高回転化を実現しました」

 こうして誕生した新設計のV8ツインターボは、量産エンジンとしては驚異的な最高回転数10000rpmを達成。この超高回転域まで苦もなく到達するレスポンスとスムーズさを兼ね備えることで、単なるスペックとしてではなく「実際に使える能力」として10000rpmを手に入れたのだ。その官能性はすさまじく、9000rpmを超える領域では全身に電流が走ったかのような刺激を味わえる。

 そのうえで3モーター式ハイブリッドによりウラカンを上回るスタビリティと柔軟な操縦特性を獲得。とりわけスポルト・モードではちょとしたきっかけで安定したオーバーステアの姿勢を作り出すことも可能である。シャシーとパワートレーンの両面でランボルギー二の新境地を切り拓いた。

3台

■証言/桂 伸一 スーパーな速さと操縦性、安定性が融合。驚きのクルマ

 ランボルギーニはVWグループに加わる前と後でメーカーの体制、作られるモデルの性能、品質、安全性が大きく変わった。これは、古くを知る者が実感している現実だ。いうまでもなく現在は「誰にでも運転しやすい、扱いやすく、使い勝手に優れたスーパースポーツ」になった。ブランニューのテメラリオもそれは同様。V8ツインターボが後輪を駆動し、前輪左右に2個、後輪にも1個追加の3モーターによるHEVの威力が、AWDである事も含めて信じられない速度からステアリング操作に忠実に曲げに行く。

 THE MAGARIGAWA CLUBでの試乗会では、加速はV8ターボにモーターアシストが加わり、あっという間に290㎞/hオーバー。ブレーキはペダルを踏み込む量に対して引き戻されるほどの絶大な減速Gを発揮。操縦性は切れば切るだけ曲がる。これほどスーパーな速さと操縦性と安定性を持ち合わせたクルマは稀。誰にでも扱いやすいのだが、こんなに容易に操れていいのか!? と感じた。

2台

■証言/岡本幸一郎 「電気の力」で新たな世界を演出。圧倒的な刺激を体感

 もはやスーパースポーツといえども電動化なしには理解が得られない時代になり、ランボルギーニは早急にそれに応えた。電動化で失ったものは思い当たらず、一方で得たものはたくさんある。複雑なハイブリッドを組み合わせながらもレブリミット10000rpmを実現したV8ツインターボは、パワー感も吹き上がりもサウンドも素晴らしいことこのうえない。その刺激的な速さを遠慮なく踏み込んで堪能し、次々に訪れる表情豊かな鈴鹿のコーナーをなんの不安もなくクリアしていける。

 前作のウラカンもそれまでのガヤルドあたりとは違って、別物のように快適で乗りやすくなっていたが、テメラリオはそこに電気の力が加わったことで、一段と洗練され意のままに操れるようになっている。電気の力を得たからこそ実現できた新時代のランボルギーニの世界を味わわせてくれた。その電気の力は公道でドライブする際にもさまざまな面で利便性をもたらしてくれるに違いない。

エンジン

■証言/山本善隆(本誌・統括編集長) 「もっと走りたい」をかきたてるスーパースポーツ

 ハイブリッド化されたV8ツインターボエンジンを10000rpmまで回しきるという超絶快感。パワー感は9200rpmあたりで頭を打つが、奏でられる甲高いエンジンサウンドがシフトアップを躊躇させ、もっと回したくなる。それでいて、実際に速い。THE MAGARIGAWA CLUBのメインストレートで軽々と290㎞/hをマークした。前方向の動きだけみれば「なんて軽いクルマだ」と錯覚するほどの加速感。しかし、ブレーキングに差し掛かるとそのスピードとともに、決して少なくない質量を一気に体感させられる。

 ワイド&ローなフォルムでありながら、ヘルメットを装着してもなお余裕のあるヘッドクリアランス。そして、レースギアが十分に格納できるトランクスペース。週末のトラックエクスペリエンスを前提としているともいえるこのパッケージングは、同時に万能であることを意味している。やや大人しめともいえるエクステリアデザインは確信犯的。ランボルギーニが市場をとりにきた、と感じさせられた。

メーター

諸元

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