【最新モデル試乗】B E Vのネガを徹底的に払拭。今度のSUBARUソルテラはここが凄い!

SUBARUソルテラET-HS(AWD)。ソルテラはトヨタと共同開発したBEV、トヨタbZ4XとBROS車の関係になる。改良版は「Upscale practical BEV=格上の実用性を備えたBEV」をコンセプトに開発

SUBARUソルテラET-HS(AWD)。ソルテラはトヨタと共同開発したBEV、トヨタbZ4XとBROS車の関係になる。改良版は「Upscale practical BEV=格上の実用性を備えたBEV」をコンセプトに開発

速さも磨いた電動オールラウンダー登場

 2021年11月のワールドプレミアから4年、SUBARUの主力BEV、ソルテラがフェイスリフトした。これまでもたびたび改良を繰り返してきたが、今回はかなり大がかりな内容となっている。

 最新型は2025年4月にアメリカのニューヨークオートショーで初公開された、すでにフロントのデザインを一新したスタイルを目にした方も少なくないだろう。日本仕様についても、いよいよ新型に切り替わるときがやってきた。

 よりスリムになった6連LEDデイタイムランニングライトを備えたヘッドライトを得たマスクは、都会的かつ先進感がある。その他、リアのSUBARUオーナメントやホイールのデザインも新しくなっている。

リア

岡本さん

 インテリアもかなり変わった。14インチのセンターインフォメーションディスプレイはメニューや階層の整理、表示情報の追加がされており、エアコンの機能が一部ソフトスイッチ化された。また、コンソールのスマホのワイヤレス充電器はドライバーと助手席乗員の同時使用が可能になり、スイッチ配置も変更している。その他、サイドミラー調整スイッチをダイヤルタイプからフラットタイプにしたり、後席シートヒータースイッチを垂直面から水平面に変更。強回生スイッチをパドル操作に一体化するなど、改良内容は「マイナーチェンジでここまでやるのか」と感心するほど多岐にわたっている。今回のリファインは熱がこもっている。

新型は航続距離746kmを実現。しかも走りが断然楽しい!

 ガラリと変わったのは見た目だけではない。ドライブフィールも短期間でここまで改善されるとは予想以上だった。

 最大の改良ポイントはパワートレーンの大幅なアップグレードだ。eAxleのシステム出力は、FWDが150kWから165kWへ、AWDでは160kWから252kWへと向上した。さらに、パワートレーン損失低減が図られたことで航続距離を約10%改善。バッテリーセル数増加などでバッテリー総容量も拡大され、結果的に航続距離は約20%も延長した。航続距離はFWDで746km、AWDは622kmに達するという。

走り02

インパネ

 新しい74.7kWのリチウムイオンバッテリーは、150kWの充電器に接続すると、35分以内に10%から80%まで充電でき、寒冷気候での充電効率を高める事前調整システムも搭載された。

 試乗の舞台は、群馬サイクルスポーツセンターの1周約6kmのコースだ。制限速度と伝えられた直線100km/h、カーブ60km/hを意識しつつ新旧を乗り比べたところ、違いは歴然だった。

リア

モータールーム

 まず加速フィールが明確に違う。従来型は遅くはないもののややマイルドな印象。対して新型は瞬発力が増し、車速が高くなってからも加速に伸びがある。しかも全体的にコントロール性が高まっている。パワーモードを選択すると、より素早く力強くダッシュする。

 足回りも大幅にリファインされていた。荒れた個所の多い路面を走ると、従来型は影響を受けやすく、跳ねや突き上げを感じる。対して新型は振動が少なくフラットな走り味。とくにリアの乗り心地が格段によくなっている。走行中の静粛性も向上していて、より会話しやすくなったように感じられた。

 ハンドリングもずいぶん変わった。サスペンションや電動パワーステアリングの調整や新しいAWD制御の効果だ。従来型も操縦安定性は高く、悪いわけではないのだが、乗り比べると応答遅れや前の挙動が残っている感覚がある。新型はスッキリと動いてくれて意のままに操れる感覚が強い。

タイヤ

メーター

 しなやかな足回りは、荒れた路面でもタイヤが上手く追従し、イメージしたとおりにラインをトレースする。その正確さも新型のほうがだいぶ上回っている。これには、「予見性」を高めたというAWD制御も貢献しているに違いない。新型ではアクセルペダルの踏み込み量を元に前後タイヤにかかる動荷重の変動を予測し制御に活用。さらにステアリング操舵角から車両にかかる横Gを推定して駆動力を配分している。この新たな取り組みが意のままの走りを生み出した大きな要素だ。

 従来型のソルテラも全体の完成度は高かった。だがアピールポイントはどこかと聞かれたときに即座に返答できない感じだった。ところが新型はそれがいくつもあるという印象だ。

 最後に新井敏弘選手のタイムアタックに同乗してソルテラの高いパフォーマンスを体感した。新井選手から新しいソルテラは「WRX STIと遜色のないタイムで走れる」と聞いて、ますます感心せずにいられなかった。

SUBARUマイスターの新井敏弘選手がタイムアタック。ソルテラのラップはWRX STIと同等。「BEVのソルテラは運転操作に対する反応がリニアで素早い。それが速さにつながっている」と語る

SUBARUマイスターの新井敏弘選手がタイムアタック。ソルテラのラップはWRX STIと同等。「BEVのソルテラは運転操作に対する反応がリニアで素早い。それが速さにつながっている」と語る

エンブレム

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ラインアップ

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