フェラーリがPHEVモデルの296GTBをベースとするワンオフモデルの「SC40」を発表。シンボリックなハイパースポーツである「F40」をモチーフに、フェラーリ・スタイリングセンターが最新のデザイン言語で再解釈して、F40のスピリットを現代的に表現
伊フェラーリは、PHEVモデルの296GTBをベースとするスペシャルプロジェクトプログラムのワンオフモデル「SC40」を発表した。

▲フェラーリSC40 全長4700×全幅1975×全高1198mm ホイールベース2600mm 車重1550kg 乗車定員2名 ボディカラーには太陽の光の下でボディの曲線を強調するクールな色合いの特注色“SC40ホワイト”を纏う
フェラーリのスペシャルプロジェクトプログラムは、ひとりの顧客の要望に応えてワンオフで車両を製作する完全オーダーメイドのピスポークプログラムで、今回のSC40はその最新作として披露される。テーマは「伝説的なスーパーカーであるF40のスピリットを現代の技術で再現する」ことだ。
べースモデルとして選ばれたのは、パワートレインにミッドシップ配置の“ピッコロV12(ミニV12)”こと2992cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(663hp/740Nm)、ダブル・ローターでシングル・ステーター型のMGU-Kモーター(122kW/315Nm)、専用セッティングの8速DCT、モーターとエンジンを切り離すトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)、総電力量7.45kWhのリチウムイオンバッテリーで構成するプラグインハイブリッドシステムを搭載し、システム総出力830hpを発生して後輪を駆動するベルリネッタ(クーペ)モデルの「296GTB」。デザインはフラヴィオ・マンゾーニ氏率いるフェラーリ・スタイリングセンターが担当した。

▲パワートレインにはミッドシップ配置の2992cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン、ダブル・ローターでシングル・ステーター型のMGU-Kモーター、専用セッティングの8速DCT、モーターとエンジンを切り離すトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)、総電力量7.45kWhのリチウムイオンバッテリーで構成するプラグインハイブリッドシステムを搭載。システム総出力830hpを発生
エクステリアはF40のシャープでスクエアなラインを引き継ぎつつ、柔らかい表面のトランジションと巧みに組み合わせて、ボリューム感あふれる力強いフォルムを創出する。各部のデザインもフェラーリの最新デザイン言語を存分に反映。フロント部は、外側のコーナーに配した新造形のLEDヘッドライトを下部のエアインテークまで下向きに伸びる黒いハウジングに統合し、さらにインテークをフロントバンパー全体にまたがらせて、個性的なマスクを形成する。ブレーキエアインテークの輪郭を示す2つの長方形のフレームや、その上に配備するデイタイムランニングライトのアレンジなども印象的だ。

▲フロント部は外側のコーナーに配した新造形のLEDヘッドライトを下部のエアインテークまで下向きに伸びる黒いハウジングに統合し、さらにインテークをフロントバンパー全体にまたがらせて、個性的なマスクを形成
一方でサイドビューは、ロングノーズとショートオーバーハングのプロポーションに、ボディ側面から自然に流れる固定式リアウイングを配した点がトピック。クラシックなNACAダクトを再解釈したインタークーラー用エアインテークのデザインや、つや消し仕上げのアルミニウム材で仕上げた燃料および充電キャップなども目を引く部分である。足もとには、ダイヤモンドカットのブラッシュメタルとブラックスポークを組み合わせて幾何学的な造形を際立たせた専用20インチアロイホイール(タイヤは前245/35/後305/35ZR20サイズ)を組み込んだ。

▲ロングノーズとショートオーバーハングのプロポーションに、ボディ側面から自然に流れる固定式リアウイングを配備。クラシックなNACAダクトを再解釈したインタークーラー用エアインテークのデザインも目を引く
そしてリアセクションは、ワイドなフォルムを基調にエンジンカバーとシームレスに融合する固定式リアウイングや、センター部に組み込んだアディティブ・マニュファクチャリング製エキゾースト、新デザインのディフューザーなどを配備して、一目でSC40と分かる迫力満点の後ろ姿を具現化。エンジンカバーの中央部にスモーク仕上げのLexanルーバーを装着し、美しいV6エンジンの表面を見られるように工夫した点も見逃せないポイントである。ボディサイズはベースの296GTB比で135mm長く、17mm幅広く、11mm高く、ホイールベースが共通の全長4700×全幅1975×全高1198mm/ホイールベース2600mmに設定。ボディカラーには太陽の光の下でボディの曲線を強調するクールな色合いの特注色“SC40ホワイト”を纏い、SC40ロゴは固定式リアウイングの右側のみに配備した。
インテリアについては、296GTBのデジタルインターフェースを踏襲しつつ、F40を想起させるケブラー素材を再開発して足元やシート背面、ステアリングホイール、ダッシュボードインサートの一部、フロアマットの一部などに採用したことが訴求点。同素材はエンジンベイやラゲッジコンパートメントにも使用する。ダッシュボードにはSC40バッジを貼付した。一方、バケットタイプのシートにはチャコールのアルカンターラとレッドのジャカードテクニカルファブリックのコンビネーション表皮を張り、ヘッドレストには跳ね馬ロゴを、シートバックにはSC40ロゴを配備している。

▲インテリアは296GTBのデジタルインターフェースを踏襲しつつ、F40を想起させるケブラー素材を再開発して足元やシート背面、ステアリングホイール、ダッシュボードインサートの一部、フロアマットの一部などに採用する
