トヨタ・ランドクルーザーの新世代コンパクトモデル“FJ”が発表。日本発売は2026年年央を予定

トヨタがランドクルーザー・ファミリーの新しいコンパクトモデル“FJ”を初公開。“250”シリーズで原点回帰したからこそ見えた、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いをもとに、人々の生活を支える「信頼性・耐久性・悪路走破性」に、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供。日本での発売は2026年年央を計画

 トヨタ自動車は2025年10月21日、ランドクルーザーの新世代コンパクトモデルに位置する“FJ”を世界初公開し、またジャパンモビリティショー2025においては実車を披露した。

▲トヨタ・ランドクルーザーFJ(プロトタイプ) 全長4575×全幅1855×全高1960mm ホイールベース2580mm 乗車定員5名 日本での発売は2026年年央を予定

▲トヨタ・ランドクルーザーFJ(プロトタイプ) 全長4575×全幅1855×全高1960mm ホイールベース2580mm 乗車定員5名 日本での発売は2026年年央を予定

 今回発表されたランドクルーザーFJは、“250”シリーズで原点回帰したからこそ見えた、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いをもとに、人々の生活を支える「信頼性・耐久性・悪路走破性」に、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供する新世代のコンパクトオフローダーとして開発される。

▲ランドクルーザー・ファミリーに新たに加わるFJは、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供する新世代のコンパクトオフローダーとして開発される

▲ランドクルーザー・ファミリーに新たに加わるFJは、自分らしく楽しむ自由「Freedom&Joy」という新たな価値を提供する新世代のコンパクトオフローダーとして開発される

 まずエクステリアは、ランクルが受け継いできた伝統とモダンを新たな解釈で統合させたことがトピックだ。基本フォルムは歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲したうえで、サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさを表現。キックアップしたグラスエリアやダイナミックなウエストライン、張り出した前後フェンダーなどによって、躍動感やタフさを演出したことも特徴である。また、フロントとリアの造形は引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーを配し、圧倒的な安定感を創出。LEDヘッドライトおよびLEDリアコンビネーションランプはC型でアレンジした。さらに、前後ともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプとすることで、壊れた部分のみ交換可能として修理性を向上させると同時に、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズに対応する。リアゲートには横ヒンジタイプを採用し、スクエアで広い荷室開口部を確保した。ボディサイズは現行の250比で350mm短く、125mm狭く、25mm高く、ホイールベースが270mm短い全長4575×全幅1855×全高1960mm/ホイールベース2580mmに設定。最小回転半径は5.5mを実現している。

▲基本フォルムは歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲したうえで、サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさを表現

▲基本フォルムは歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲したうえで、サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさを表現

▲フロントとリアの造形は引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーを配し、圧倒的な安定感を具現化。LEDヘッドライトおよびLEDリアコンビネーションランプはC型の造形でアレンジ

▲フロントとリアの造形は引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーを配し、圧倒的な安定感を具現化。LEDヘッドライトおよびLEDリアコンビネーションランプはC型の造形でアレンジ

 インテリアについては、移動の楽しさを体験できるキャビン空間を目指し、車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルや、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニターおよびスイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、様々な環境で運転する時でも瞬時に認知・操舵ができるコクピットレイアウトに仕立てる。必要な情報を見やすく集約したマルチインフォメーションメーターディスプレイは、速度やナビゲーション、車両状態など、運転に必要な情報を効率的に表示。オフロード走行時には、ピッチ角やロール角、方位などの情報も表示可能で、安全な走行を支援する。このメーターディスプレイと上面が連なる形で、スマートフォンとの連携も可能なタッチパネル式のHDディスプレイオーディオを配備した。また、安全なオフ/オンロード走行に貢献するため、低く設計されたカウルとインストルメントパネル上面によって、見通しのいい前方視界を確保。悪路でも路面を見下ろしやすいように、ベルトラインは低く設計した。さらに、プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用し、より安心な運転をサポート。リアビューカメラは余計な突起を無くし、かつデザイン性も配慮してスペアタイヤの中央部に配置した。一方、シートレイアウトは2/3名乗車の2列式で構成。前後席ともに広い横方向のスペースとヘッドクリアランス、足もと空間を実現している。

▲移動の楽しさを体験できるキャビン空間を目指し、車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルや、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニターおよびスイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、様々な環境で運転する時でも瞬時に認知・操舵ができるコクピットレイアウトに仕立てる

▲移動の楽しさを体験できるキャビン空間を目指し、車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルや、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニターおよびスイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、様々な環境で運転する時でも瞬時に認知・操舵ができるコクピットレイアウトに仕立てる

▲必要な情報を見やすく集約したマルチインフォメーションメーターディスプレイと、スマートフォンとの連携も可能なタッチパネル式のHDディスプレイオーディオを配備

▲必要な情報を見やすく集約したマルチインフォメーションメーターディスプレイと、スマートフォンとの連携も可能なタッチパネル式のHDディスプレイオーディオを配備

▲シートレイアウトは2/3名乗車の2列式で構成。前後席ともに広い横方向のスペースとヘッドクリアランス、足もと空間を確保する

▲シートレイアウトは2/3名乗車の2列式で構成。前後席ともに広い横方向のスペースとヘッドクリアランス、足もと空間を確保する

 パワートレインには、ランドクルーザー250やピックアップトラックなどに採用され、タフな動力源として世界中から好評を博す熟成の2TR-FE型2693cc直列4気筒DOHC・Dual VVT-iガソリンエンジンの搭載を予告。最高出力は120kW(163ps)、最大トルクは246Nmを発生する。トランスミッションには専用セッティングを施した電子制御6速ATの6 Super-ECTを配備。駆動システムには、オフロード走行に定評のあるパートタイム4WDを導入した。

▲パワートレインにはタフな動力源として世界中から好評を博す2TR-FE型2693cc直列4気筒DOHC・Dual VVT-iガソリンエンジン(最高出力120kW[163ps]、最大トルク246Nm)の搭載を予告

▲パワートレインにはタフな動力源として世界中から好評を博す2TR-FE型2693cc直列4気筒DOHC・Dual VVT-iガソリンエンジン(最高出力120kW[163ps]、最大トルク246Nm)の搭載を予告

▲トランスミッションには専用セッティングを施した電子制御6速ATの6 Super-ECTを配備

▲トランスミッションには専用セッティングを施した電子制御6速ATの6 Super-ECTを配備

▲駆動システムにはオフロード走行に定評のあるパートタイム4WDを採用

▲駆動システムにはオフロード走行に定評のあるパートタイム4WDを採用

 基本骨格に関しては、IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)シリーズで鍛えたプラットフォームおよびラダーフレーム構造を活用し、有効な最低地上高やアプローチアングルを確保。70シリーズと同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)による優れた悪路走破性も実現する。また、床下へのブレース追加やボディの高剛性化により、優れた操縦安定性を達成した。開発では、オフロード試験にて弱点を徹底的に洗い出し、ランクルネス(信頼性・耐久性・悪路走破性)をつくり込んでいるそうだ。

▲基本骨格にはIMVシリーズで鍛えたプラットフォームおよびラダーフレーム構造を活用し、有効な最低地上高やアプローチアングルを確保する

▲基本骨格にはIMVシリーズで鍛えたプラットフォームおよびラダーフレーム構造を活用し、有効な最低地上高やアプローチアングルを確保する

 今回の発表では、FJのカスタマイズ仕様と、新しい電動パーソナルモビリティの「LAND HOPPER」も披露する。カスタマイズ仕様は、フロントマスクに往年のランクルを彷彿とさせる丸目のLEDヘッドランプを採用。また、悪路での走破性を向上させる専用バンパーやスキッドプレート、シュノーケル、サイドアンダーガード、積載性を高めるルーフキャリア、アウトドア用品などが取り付けられるモールパネルなど、“どこにでも行きたくなる”ランクルらしい外装・機能アイテムを装備した。トヨタは今後、FJのカスタマイズの楽しさを広げるオプションを順次開発し、地域のニーズに即して導入していくという。

▲ランドクルーザーFJのカスタマイズ仕様(プロトタイプ)。フロントマスクに往年のランクルを彷彿とさせる丸目のLEDヘッドランプを配備

▲ランドクルーザーFJのカスタマイズ仕様(プロトタイプ)。フロントマスクに往年のランクルを彷彿とさせる丸目のLEDヘッドランプを配備

▲悪路での走破性を向上させる専用バンパーやスキッドプレート、シュノーケル、サイドアンダーガードなどを装備

▲悪路での走破性を向上させる専用バンパーやスキッドプレート、シュノーケル、サイドアンダーガードなどを装備

▲アウトドア用品などが取り付けられるモールパネルを装備。リアゲートは横ヒンジタイプを採用し、スクエアで広い荷室開口部を確保する

▲アウトドア用品などが取り付けられるモールパネルを装備。リアゲートは横ヒンジタイプを採用し、スクエアで広い荷室開口部を確保する

 一方、新しい移動の価値観を提供し、人とモノを運べる開発中の電動パーソナルモビリティ「LAND HOPPER」は、ランクルでたどり着いたさらにその先のトレイル(山や森の中にある主に未舗装路の小道)などのオフロードの楽しさを体感できる新世代モビリティとして企画。日常の普段使いにととまらず、クルマのラゲッジに積載して旅先でのツーリングが楽しめるなど、移動の楽しみをいっそう拡大させる逸品である。

▲LAND HOPPERはランクルでたどり着いたさらにその先のトレイルなどのオフロードの楽しさを体感できる新世代モビリティとして企画される

▲LAND HOPPERはランクルでたどり着いたさらにその先のトレイルなどのオフロードの楽しさを体感できる新世代モビリティとして企画される

 なお、ランドクルーザーFJの生産はIMVを製造する一拠点のタイ・バンポー工場が担当。日本発売は2026年年央を予定している。

 

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