メルセデスAMG独自開発の「メルセデスAMG GTクーペ」に高性能バージョンの「メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+クーペ」を設定。最高出力612ps/最大トルク850Nmを発生する専用チューニングの“M177”4リットルV8ツインターボエンジンを搭載するとともに、空力性能と冷却機能のレベルアップを図ってパフォーマンスを向上
メルセデス・ベンツ日本は2025年10月15日、メルセデスAMG GTクーペ(C192)のハイパフォーマンスモデルとなる「メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+クーペ」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は3095万円に設定する。

▲メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+クーペ(受注生産モデル) 価格:3095万円 全長4730×全幅1985×全高1355mm ホイールベース2700mm 車重1940kg 乗車定員2(可倒式リアシート装着時4)名 WLTCモード燃費7.0km/リットル 写真のボディカラーはMANUFAKTURアルペングレー
新たにメルセデスAMG GTクーペのラインアップに加わったGT 63 PRO 4MATIC+クーペは、サーキットにおける走行性能の向上を追求したいユーザーを指向したハイパフォーマンスモデルに位置する。
注目のパワートレインは、エンジンコントロールユニットのチューニング変更などを実施して既存のGT 63 4MATIC+クーペ比で27ps(20kW)/50Nmの出力アップを図った“M177”3982cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを搭載。最高出力は612ps(450kW)/5750~6500rpm、最大トルクは850Nm/2500~4500rpmを発生する。トランスミッションには専用セッティングの電子制御式9速トランスミッションのAMGスピードシフトMCT(マルチ・クラッチ・テクノロジー)を組み合わせ、また駆動機構には可変トルク配分を行うことでハイパワーを4輪に最適配分するAMG 4MATIC+と、走行状況に応じてロッキング機構を電子制御することでトラクションを最大限に高める電子制御AMGリミテッドスリップデフを採用。性能面では、最高速度315km/h、0→200km/h加速10.9秒(GT 63 4MATIC+クーペ比で-0.5秒)を実現した。

▲パワートレインにはエンジンコントロールユニットのチューニング変更などを実施して既存のGT 63 4MATIC+クーペ比で27ps(20kW)/50Nmの出力アップを図った“M177”3982cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを搭載。最高出力は612ps(450kW)/5750~6500rpm、最大トルクは850Nm/2500~4500rpmを発生
冷却機能の強化もトピックだ。高負荷時にもドライブトレインが高温にならないよう、高温および低温の冷却回路を改良する。左右のフロントホイールアーチには、2基のラジエターを配置。これによりドライブトレインの冷却性能が高まり、サーキットにおける車両全体のパフォーマンスが向上する。また、フロントおよびリアアクスルのディファレンシャルと、AMG 4MATIC+のトランスファーケース上部に取り付けられたラジエターには、アクティブ冷却方式を採用。電動ウォーターポンプによりクーラントは冷却回路を循環し、トップマウントラジエターを介してより効率的かつ継続的な放熱を実現する。さらに、ボディ下部の新形状のエアガイドベーンと改良されたブレーキカバープレートがより多くの空気をブレーキに導き、これにより耐久性が向上し、ブレーキ温度が過度に高まるのを抑制した。
シャシー面に関しては、5本のコントロールアームによって各ホイールを常に最適にガイドすることで接地面積を最大限に確保する5リンク式サスペンションを前後に採用したうえで、電動機械式の連続可変式電子制御スタビライザーによりコーナリングや車線変更時のロールを効果的に抑制する専用セッティングのAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションを配備。足もとには21インチ鍛造AMGアルミホイール(RWJ)+前295/30/後305/30R21タイヤを装着し、オプションとしてゴールド調塗装のMANUFAKTUR 21インチ鍛造AMGアルミホイール(RWM)を用意する。タイヤはサマータイヤのほかに、公道走行可能なサーキット指向のスポーツタイヤを無償オプションで設定した。さらに、制動機構には前6ピストン固定式キャリパー/後1ピストンフローティング式キャリパー(キャリパー色はブラック)を備えたAMGカーボンセラミックブレーキを標準で組み込んでいる。

▲足もとには21インチ鍛造AMGアルミホイール(RWJ)+前295/30/後305/30R21タイヤを標準装備。写真はオプション設定のゴールド調塗装MANUFAKTUR 21インチ鍛造AMGアルミホイール(RWM)
エクステリアについては、GTクーペのアイコニックなスタイリングをベースに、多数のカーボン素材の採用やハイパフォーマンスを予感させるデザインアイテムの追加によって、 他のGTモデルとは一線を画すスタイルを持つと同時に、パフォーマンスの向上を図る。具体的には、AMGカーボンエクステリアパッケージやAMGエアロダイナミクスパッケージ、AMGカーボンファイバードアミラーなどを標準で装備した。また、GT 63 PRO専用となるフロントエプロンは、大型化されたサイドエアインテークにカーボンファイバー製のエアディフレクターを採用し、さらなる空力性能の向上を実現。一方、リアにはスクエアデザインのデュアルツインテールパイプやカーボンファイバー製リアウイングスポイラーを標準で組み込む。さらに、“GT 63”のモデル名を表すリアバッジ横には、本モデル限定装備のチェッカーフラッグエンブレムを配し、モータースポーツとのつながりを強調した。ボディカラーについては、GT 2ドアクーペ・シリーズでGT 63 PROのみに設定するAMGグリーンヘル マグノ(マット、有償オプション)を含む、標準4色+有償オプション6色の全10色をラインアップ。AMGナイトパッケージⅡやプライバシーガラスは標準で配備している。
インテリアに関しては、AMG専用のアイテムを多数採用して、ハイパフォーマンスを体感できるコクピットに仕立てる。インテリアトリムにはレーシーなムードを醸し出すAMGカーボンファイバーインテリアトリムを標準装備。無償オプションでAMGアルミニウムインテリアトリムやオープンポアブラウンアッシュウッドトリム、MANUFAKTURブラッククロームインテリアトリム、オープンポアグレーバーチウッドトリムも選択できる。ステアリングにはナッパレザー/MICROCUT巻きのAMGパフォーマンスステアリングを装着。有償オプションとして、3D サラウンド対応高品質オーディオシステムのBurmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムやパノラミックルーフなども設定した。
一方でシートには、スポーツ走行をサポートすると同時に、多数の内装色やシート素材からドライバーの好みに応じて選択が可能なAMGパフォーマンスシートを装着。標準の表皮はナッパレザーで、同時にマルチコントロールシートパックを標準で組み込む。2+2シートレイアウトにより4名乗車が可能となる可倒式リアシートはオプションで用意した。
