【本格ヨンクはカッコいい!】ディフェンダーはランドローバーの原点にして英国の誇り。究極のパフォーマーOCTAを体感

ディフェンダーは1948年に誕生したランドローバーの原点にして主力。現行モデルは2代目。90/110/130/OCTAの4シリーズに多彩なパワーユニットを設定する。走破性の高さは折り紙付き。OCTAはディフェンダーのパフォーマンスを最大限に追求したスペシャルモデル。635㎰/750Nmを誇る4.4ℓ・V8ツインターボを搭載

ディフェンダーは1948年に誕生したランドローバーの原点にして主力。現行モデルは2代目。90/110/130/OCTAの4シリーズに多彩なパワーユニットを設定する。走破性の高さは折り紙付き。OCTAはディフェンダーのパフォーマンスを最大限に追求したスペシャルモデル。635㎰/750Nmを誇る4.4ℓ・V8ツインターボを搭載

OCTAはオンもオフも妥協なし。生粋のドライバーズカーである!

 現行型ディフェンダーは大人気のオフローダーだ。発売からずいぶんと時間が経ったが販売は順調。ビジネスとしても大成功を収めている。とはいえ、発売前はネット上でいろんな意見が飛び交ったのを覚えている。旧型をうまくオマージュしているが、新しくなった造形を受け入れらないというマニアは少なくなかった。それだけ旧型が偉大だったということだ。が、いざ販売を開始したら問題はなし。ショートボディの90(ナインティ)と110(ワンテン)から始まったボディタイプは130(ワンサーティ)まで広がり、エンジンも2ℓ直4ターボのガソリンと3ℓ直6ターボのディーゼル、5ℓ・V8スーパーチャージャーへと広がっている。現在110はPHEVも選べる。さらにいえば、4.4ℓ・V8ツインターボ+48Vバッテリーで動かすマイルドハイブリッドも追加された。

正面

リア走り

 ここでフィーチャーするのは、ディフェンダーOCTA(オクタ)だ。Octahedron(オクタへドロン)を略した名前が付けられたモデルである。OCTAはダイヤモンドの特徴的な八面体形状を表すもので、“タフさとラグジュアリーさ”を表現する。確かにディフェンダーの持つオフロードでのタフさと、レンジローバーの系譜としてのラグジュアリーさが同居したモデルだ。ダイヤモンドだけにもはや絶対的な存在といったところ。最上級モデルにふさわしいネーミングである。

パワーユニットの実力はスーパーカーレベル。足の仕上がりも凄い

 パワーユニットの出所はBMWで、最高出力は635㎰、最大トルクは750Nmの驚異的なパフォーマンスを発揮する。数値だけ見ていればスーパーカーの領域にある。

 もちろんBMW製といってもランドローバー開発陣が独自のセッティングを行っている。オフロード走行を鑑みてのチューニングだ。低回転域でのトルクの出し方はまさにそんな感じ。ピークトルクを低回転で発生させ、それをキープする。このクルマはオンロードでのスピーディな走りも重要だが、オフロードの高い走破性がキモであることはいわずもがなである。そこが欠けてしまってはディフェンダーの名が廃るってもんだ。

 とはいえ、オンロードでは時としてBMWテイストが顔を出すから面白い。計算されたスムーズなターボの効き方はBMWらしい。滑らかな吹き上がりもそうだ。自社開発の5ℓ・V8+スーパーチャージャーの荒々しさと比べると上質さを感じる。

オフ走り

インパネ

 そんなOCTAの足を司るのが、6Dダイナミックサスペンション。バルブと油圧を統合制御し、4輪のサスペンションをそれぞれ最適化させている。路面からの入力に対し、それをどう消すのかといったところを判断する。オンロードではキャビンをフラットに、オフロードでは効率的にトラクションを伝える働きをしてくれるから、ドライバーはステアリングに集中できる。実際オフロードをハイスピードで走ってみたが、足の動き幅はこの上なく広い。腰下であらゆるギャップをいなしてくれるような走りを披露する。この足のセッティングはオフローダーメーカーとしての経験がもたらしたものに違いない。

 OCTAの魅力はそればかりではない。他では見ないボディカラーが目を引く。メタリックでありながらマット系にも見えるそれはかなりコストがかかった塗装だ。それにホイールも個性的で凝ったデザインを揃える。3種類あるホイールの中で個人的に刺さったのはサテンブラックに塗られた20㌅アルミ。オフロードタイヤとの組み合わせで、ワイルドさはマックスとなる。

 というように、このクルマは見た目の完成度がとてつもなく高い。好みのオプションを選べば納得の仕上がりになるだろう。カスタムに関してはサードパーティの出番はなさそうだ。2000万円オーバーのハイエンドモデルだけに隙はない。

2台

タイヤ

シート

 OCTAはさておき、ディフェンダーには冒頭に記したように、90/110/130とラインアップは充実する。その中で個人的に好きなのは130だ。エンジンはV8もいいが、ディーゼルマイルドハイブリッドとの相性がよさそうに思える。

 このクルマの魅力は積載性に尽きる。なんといってもホイールベースの長さは110と同じだから、延長された全長はすべてリアのオーバーハングに使われている。3列目シートまで使っても余裕のカーゴスペースだ。確かにその分ディパーチャーアングルは減るからオフロード性能は落ちる。とはいえ、ロックセクションでも走らない限り不都合はない。というか、130の特性を冷静に見てほしい。そこにライバルが不在なことに気づくだろう。メルセデス・ベンツGクラスにもジープ・ラングラーにも、ランクル300にもこんなグレードは存在しない。つまりオンリーワンのモデルということ。この希少性は限られた人にしか理解できないかもしれない。

 また、ディフェンダーには時として魅力的な限定車が用意される。ラングラーがよくやる手法だが、カッコいいのは確かだ。現在は110にトロフィーエディション・キュレーテッドフォージャパンがラインアップされる。パワーソースはディーゼルマイルドハイブリッド。クラシカルなイエローボディが、われわれクロカン好きの目を引く。

エンブレム

ラインアップ

諸元

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