GRカローラがモータースポーツ現場での学びを活かしてさらなる改良を実施

TOYOTA GAZOO Racingがさらなる厳しいステージでクルマを鍛えていくためにGRカローラの基本性能を向上。構造用接着剤の塗布を延長してボディ骨格を強化するとともに、クールエアダクト(2次吸気ダクト)を追加してG16E-GTS エンジンの冷却性能をアップ。街中の運転でもエモーショナルなモータースポーツサウンドを楽しめるようにJBLプレミアムサウンドシステムの機能拡充も実施

 トヨタ自動車傘下のTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2025年9月18日、スポーツカーシリーズ「GR」の一翼を担う「GRカローラ」の一部改良を実施し、同日より全国のトヨタ車両販売店にて注文を受け付け、本年11月3日に発売すると発表した。

▲トヨタGRカローラRZ GR-DAT(8AT) 価格:598万円 全長4410×全幅1850×全高1480mm ホイールベース2640mm 車重1500kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.4km/リットル

▲トヨタGRカローラRZ GR-DAT(8AT) 価格:598万円 全長4410×全幅1850×全高1480mm ホイールベース2640mm 車重1500kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.4km/リットル

車両価格は以下の通り。

GRカローラRZ GR-DAT(8AT):598万円

GRカローラRZ iMT(6MT):568万円

▲トヨタGRカローラRZ iMT(6MT) 価格:568万円 全長4410×全幅1850×全高1480mm ホイールベース2640mm 車重1480kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費12.4km/リットル

▲トヨタGRカローラRZ iMT(6MT) 価格:568万円 全長4410×全幅1850×全高1480mm ホイールベース2640mm 車重1480kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費12.4km/リットル

 今回の改良は、スーパー耐久シリーズ参戦からの学びを活かし、さらなる厳しいステージでクルマを鍛えていくために基本性能の向上を図るとともに、日々のドライビングをより楽しむための快適性改善とモータースポーツを感じるサウンドづくりを目的にJBLプレミアムサウンドシステムの機能拡充を実施したことが特徴である。

▲今回の改良ではスーパー耐久シリーズ参戦からの学びを活かし、さらなる厳しいステージでクルマを鍛えていくために基本性能の向上を図る。写真はスーパー耐久シリーズ2025参戦車両のTGRR GR Corolla H2 concept

▲今回の改良ではスーパー耐久シリーズ参戦からの学びを活かし、さらなる厳しいステージでクルマを鍛えていくために基本性能の向上を図る。写真はスーパー耐久シリーズ2025参戦車両のTGRR GR Corolla H2 concept

 まず基本性能については、国内サーキットでは発生しない強烈な上下左右Gに耐えるために、ボディ骨格をさらに強化したことがトピックだ。具体的には、フロントボディ、フロア、リアホイールハウス付近を中心に、構造用接着剤の塗布量を従来のRZグレード比で+13.9mとなる32.7mに延長。質量増加を最小限に抑えながら、より高剛性なボディに仕上げた。

▲フロントボディ、フロア、リアホイールハウス付近を中心に、構造用接着剤の塗布量を従来のRZグレード比で+13.9mとなる32.7mに延長。質量増加を最小限に抑えながら、より高剛性なボディに仕上げる

▲フロントボディ、フロア、リアホイールハウス付近を中心に、構造用接着剤の塗布量を従来のRZグレード比で+13.9mとなる32.7mに延長。質量増加を最小限に抑えながら、より高剛性なボディに仕上げる

 また、長時間の全開走行でエンジンルーム内温度が上昇した場合でも安定して高いエンジン出力を維持させるため、エンジンが高回転時に作動する2次吸気口(エアクリーナー下方に配置)にクールエアダクトを追加。クールエアダクトはフロントグリルから直接外気を取り込むため、吸気空気温度を大幅に下げる効果をもたらし、高負荷連続走行などの高温環境下でも出力を安定させ、G16E-GTSエンジン本来のポテンシャルを存分に発揮させることを可能としている。

▲長時間の全開走行でエンジンルーム内温度が上昇した場合でも安定して高いエンジン出力を維持させるため、エンジンが高回転時に作動する2次吸気口(エアクリーナー下方に配置)にクールエアダクトを追加する

▲長時間の全開走行でエンジンルーム内温度が上昇した場合でも安定して高いエンジン出力を維持させるため、エンジンが高回転時に作動する2次吸気口(エアクリーナー下方に配置)にクールエアダクトを追加する

▲ボディカラーはスーパーホワイトⅡ、プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスメタル、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドⅡの計5色をラインアップ

▲ボディカラーはスーパーホワイトⅡ、プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスメタル、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドⅡの計5色をラインアップ

 普段使いの車内環境をより快適にするとともに、街中の運転でもエモーショナルなモータースポーツサウンドを楽しめるように、メーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステムの機能も拡充する。ラゲッジに新たに搭載したサブウーハー(スピーカー数は従来の8基から9基に増加)によって、オーディオサウンドはよりクリアで迫力のある音響を実現。従来から装備していたアクティブノイズコントロール(ANC)のチーニングも最適化し、エンジンなどの不快なこもり音を低減した。また、JBLプレミアムサウンドシステム装着車には新たにアクティブサウンドコントロール(ASC)を装備。アクセルやシフト操作による車両の加減速や駆動力の変化に応じたスポーツサウンドをスピーカーから鳴動させることで、ドライバーは直感的に車両の状態を把握できる。さらに、アクセルオフ時にはモータースポーツサウンドの代表のひとつであるバブリング音(ターボラグを低減するため、排気の工程で爆発を起こさせるアンチラグ制御が作動しているときに発生する排気音)を発生。あたかもレーシングカーを運転しているかのようなサウンド体験を、普段の運転で安全に味わうことを可能とした。ASCは走行モードに合わせて3パターンのサウンドを設定しており、3段階の音量調整のほか、OFFも選択できる。

▲普段使いの車内環境をより快適にするとともに、街中の運転でもエモーショナルなモータースポーツサウンドを楽しめるように、メーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステムの機能を拡充。ラゲッジに新たに搭載したサブウーハーによって、オーディオサウンドはよりクリアで迫力のある音響を実現する

▲普段使いの車内環境をより快適にするとともに、街中の運転でもエモーショナルなモータースポーツサウンドを楽しめるように、メーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステムの機能を拡充。ラゲッジに新たに搭載したサブウーハーによって、オーディオサウンドはよりクリアで迫力のある音響を実現する

▲JBLプレミアムサウンドシステム装着車には新たにアクティブサウンドコントロール(ASC)を装備。アクセルやシフト操作による車両の加減速や駆動力の変化に応じたスポーツサウンドをスピーカーから鳴動させることで、ドライバーは直感的に車両の状態を把握できる。写真はGRカローラRZ GR-DAT(8AT)のインテリア

▲JBLプレミアムサウンドシステム装着車には新たにアクティブサウンドコントロール(ASC)を装備。アクセルやシフト操作による車両の加減速や駆動力の変化に応じたスポーツサウンドをスピーカーから鳴動させることで、ドライバーは直感的に車両の状態を把握できる。写真はGRカローラRZ GR-DAT(8AT)のインテリア

▲ASCはアクセルオフ時にはモータースポーツサウンドの代表のひとつであるバブリング音を発生して、レーシングカーを運転しているかのようなサウンド体験を、普段の運転で安全に味わうことができる。写真はGRカローラRZ iMT(6MT)のインテリア

▲ASCはアクセルオフ時にはモータースポーツサウンドの代表のひとつであるバブリング音を発生して、レーシングカーを運転しているかのようなサウンド体験を、普段の運転で安全に味わうことができる。写真はGRカローラRZ iMT(6MT)のインテリア

 パワートレインは基本的に従来を踏襲し、G16E-GTS型1618cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力304ps/6500rpm、最大トルク40.8kg・m/3250~4600rpm)に、iMT(6速MT)またはGR-DAT(8AT)を組み合わせて搭載。駆動機構には電子式多板クラッチによる前後駆動力可変式のアクティブトルクスプリット4WDシステム「GR-FOUR」と前後トルセンLSDを採用している。

▲パワーユニットには従来と同様のG16E-GTS型1618cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力304ps/6500rpm、最大トルク40.8kg・m/3250~4600rpm)を搭載

▲パワーユニットには従来と同様のG16E-GTS型1618cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力304ps/6500rpm、最大トルク40.8kg・m/3250~4600rpm)を搭載

 なお、TGRは既存のGRカローラのユーザー向けに、ソフトウェアを含めたアップグレードプログラムを提供すべく開発を進めているとアナウンス。アップグレードプログラムの対象となるのは2023年発売モデルで、2024年発表、2025年日本発売の進化型GRカローラと同様に、エンジン最大トルクが30Nm増の370Nm(37.7kg・m)→400Nm(40.8kg・m)に向上するほか、GR-FOURの制御も変更され、前後輪の駆動力配分が前30:後70の“REAR”モードから前50:後50の“GRAVEL”モードに変わり、またTRACKモードの駆動力配分は前50:後50から前60~30:後40~70の可変制御に刷新される。提供時期は2026年春を予定している。

▲TGRは既存のGRカローラのユーザー向けに、ソフトウェアを含めたアップグレードプログラムを提供すべく開発を進めていると公表

▲TGRは既存のGRカローラのユーザー向けに、ソフトウェアを含めたアップグレードプログラムを提供すべく開発を進めていると公表

 

 

SNSでフォローする