スズキがブランド初のバッテリーEVである「eビターラ」を2026年1月16日に日本で発売すると予告。トヨタと共同開発した新設計の「ハーテクトe」プラットフォームに、機電一体型ドライブユニット「eAxle」を採用。グレードは総電力量49kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと最高出力106kWのフロントモーターを組み合わせたFWDのX、総電力量61kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターを組み合わせたFWDのZ 2WD、総電力量61kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと最高出力128kWのフロントモーターおよび最高出力48kWのリアモーターを組み合わせた4WDのZ 4WDという3タイプを設定。生産はインドのグシャラート工場が担当
スズキはブランド初のBEVモデルとなる「eビターラ(e VITARA)」を、2026年1月16日に日本で発売すると発表した。
▲スズキ・eビターラZ 4WD 価格:492万8000円 全長4275×全幅1800×全高1640mm ホイールベース2700mm 車重1890kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)472km 交流電力量消費率(WLTCモード)144Wh/km
車種展開および車両価格は以下の通り。
X:399万3000円
Z 2WD:448万8000円
Z 4WD:492万8000円
▲スズキ・eビターラZ 2WD 価格:448万8000円 全長4275×全幅1800×全高1640mm ホイールベース2700mm 車重1790kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)520km 交流電力量消費率(WLTCモード)131Wh/km
eビターラは“エモーショナル・バーサタイル・クルーザー”を商品コンセプトに、近代的なEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つデザイン、高効率なeAxleとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで構成するEVパワートレイン、前後に独立した2つのeAxleを配置した電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e」、EV専用に新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」などを採用して、新進のBセグメント電動クロスオーバーSUVに仕立てことが特徴。生産はインドのグシャラート工場が担当し、本国インドや欧州地域、そして日本などでの販売を予定している。
▲スズキ・eビターラX 価格:399万3000円 全長4275×全幅1800×全高1640mm ホイールベース2700mm 車重1700kg 乗車定員5名 一充電走行距離(WLTCモード)433km 交流電力量消費率(WLTCモード)124Wh/km
エクステリアについては“ハイテク&アドベンチャー”をテーマに、EVの先進感とSUVの力強さを高度に融合させたことがトピックだ。各部のデザインにもこだわり、フロント部は押し出し感の強いマスクと力強いアンダーガードを配してSUVらしさを演出。グリルは上質なピアノブラック調で仕立てる。また、LEDデイタイムランニングランプには3ポイントが特徴的なシグネチャーランプを採用し、先進感を表現した。一方でサイドビューは、EVならではのロングホイールベース、四隅に踏ん張った大径タイヤ、SUVらしいアップライトなフロントガラス、そして空力性能を考慮したクーペライクなシルエットを採用。さらに、サイドスプラッシュガードによって車体をリフトアップさせた印象を出してアウトドア感や走破性の高さを表現する。リアドアにはスタイリッシュな意匠と高い操作性を両立した縦型ドアハンドルを配備した。また、足もとには空力と軽量化を両立させた樹脂製ガーニッシュ付のアルミホイールを装着。アルミだけでは表現できない樹脂による精緻な造形が、下回りの存在感アップに貢献する。そしてリアセクションは、腰高なフォルムで力強さを出しつつ、フロントと合わせた3ポイントのLEDコンビネーションランプを組み込んで、印象に残る後ろ姿を実現した。ボディサイズは全長4275×全幅1800×全高1640mm、ホイールベース2700mmに設定。ボディカラーはランドブリーズグリーンパールメタリック ブラック2トーンルーフ、スプレンディッドシルバーパールメタリック ブラック2トーンルーフ、オピュレントレッドパールメタリック ブラック2トーンルーフ、アークティックホワイトパール ブラック2トーンルーフ、ブルーイッシュブラックパール4という5色をラインアップしている。
▲エクステリアは“ハイテク&アドベンチャー”をテーマに、EVの先進感とSUVの力強さを高度に融合。フロント部は押し出し感の強いマスクと力強いアンダーガードを配してSUVらしさを演出し、合わせてLEDデイタイムランニングランプには3ポイントが特徴的なシグネチャーランプを採用して先進感を表現する
▲ボディカラーはランドブリーズグリーンパールメタリック ブラック2トーンルーフ、スプレンディッドシルバーパールメタリック ブラック2トーンルーフ、オピュレントレッドパールメタリック ブラック2トーンルーフ、アークティックホワイトパール ブラック2トーンルーフ、ブルーイッシュブラックパール4という5色を用意
インテリアに関しては、最新デバイスの搭載やSUVらしいタフな造形と機能的な装備を持たせると同時に、ブラックとブラウンを基調とすることで上質さを表現したことがアピールポイント。コクピットには10.25インチメーターディスプレイと10.1インチセンターディスプレイを同一平面上に配置した“インテグレーテッドディスプレイシステム”を採用し、優れた操作性と繋ぎ目のない1枚ガラスの高い質感によって、BEVならではの先進感を演出する。また、フローティングさせたセンターコンソールやフロントドアとセンターコンソールミドルトレイにアンビエントライトなどを配備してハイテク感を表現。さらに、インパネやフロントドアトリムにはブラウンのソフトパッドを配し、合わせてエアコンルーバーの周辺にはダークシルバーガーニッシュやピアノブラック調の加飾を施すことで、タフでありながら洗練されたイメージを創出した。
▲コクピットには10.25インチメーターディスプレイと10.1インチセンターディスプレイを同一平面上に配置した“インテグレーテッドディスプレイシステム”を採用。優れた操作性と繋ぎ目のない1枚ガラスの高い質感によって、BEVならではの先進感を演出する
一方でシートについては、柄ではなく3種の表皮を組み合わせることで洗練かつタフな印象を実現。Z系グレードにはメランジ表皮のメイン材、ブラウン合皮のボルスター材、パーフォレーション合皮のアクセント材を、Xグレードには織物のメイン材、ブラウン合皮のボルスター材、メランジ表皮のアクセント材を採用する。また、前席にはホールド性を高めたシート(運転席は10WAYパワーシート)を、後席には6:4分割シートスライド&リクライニング機構および4:2:4分割可倒機構を内蔵したシートを配備した。機能装備として、ワイヤレス充電器やメモリーナビゲーション[フルセグTV・AM/FMラジオ・スマートフォン連携機能付、Bluetooth対応]、プレミアムサウンドシステム「Infinity(インフィニティ)」、前USB電源ソケット[Type-C]/オーディオ用USBソケット[Type-A]/HDMIソケット/アクセサリーソケットおよび後USB電源ソケット[Type-A][Type-C]/AC電源コンセント(100V、1500W)[非常時給電モード付]なども採用する。ラゲッジスペースは荷室長835(最大1455)×幅1165×高さ660mmを確保し、荷室開口部も幅1020×高670mmの広さを実現した。
基本骨格については、トヨタと共同開発して大型の駆動用バッテリーの搭載を可能とした新設計の「ハーテクトe(HEARTECT e)」プラットフォームを採用。高ハイテン材の使用率を従来の約2倍にアップすると同時に、アッパーボディも高ハイテン材の使用率を高めて、軽量かつ高剛性な骨格を実現する。また、最小回転半径はロングホイールベースや大径タイヤを採用しながらも、タイヤの切れ角を大きくすることで5.2mを達成した。
▲基本骨格にはトヨタと共同開発して大型の駆動用バッテリーの搭載を可能とした新設計の「ハーテクトe(HEARTECT e)」プラットフォームを採用。サスペンションはフロントに専用設計のマクファーソンストラット式を、リアにマルチリンク式を配備
注目のパワートレインは、モーター、インバーター、トランスアクスルを一体型とした新設計の「eAxle」を搭載。構成部品を一体にすることで、エネルギー効率を高めると同時にコンパクトな設計を実現する。仕様としては、Xが最高出力106kW/最大トルク193Nmを発生するフロントモーターに総電力量49kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせて前輪を駆動し、Z 2WDは最高出力128kW/最大トルク193Nmを発生するフロントモーターに総電力量61kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせて前輪を駆動。そしてZ 4WDは、最高出力128kW/最大トルク193Nmのフロントモーターおよび最高出力48kW/最大トルク114Nmのリアモーター、システム最高出力135kW/最大トルク307Nmを絞り出す前後モーターに総電力量61kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせて4輪を駆動する。一充電走行距離はWLTCモードでXが433km、Z 2WDが520km、Z 4WDが472kmを実現した。充電に関しては、200V 3kWと200V 6kWのAC普通充電、CHAdeMO方式のDC急速充電に対応。出力50kWの急速充電器を使用した際は約55分で、同90kWの急速充電器を使った際は約45分で、10→80%の充電が完了する。充電速度を高めるためのバッテリー昇温機能や、バッテリー出力を高めるバッテリーウォーマー機能、エネルギー消費を抑えながら車内を暖める高効率ヒートポンプシステムなども組み込んだ。普通充電ポートは運転席側に、急速充電ポートは助手席側に配備する。双方向充電機能も搭載し、ビークル・トゥ・ロード(V2L)およびビークル・トゥ・ホーム(V2H)の電力供給を可能とした。
走行面では、アクセルペダルの操作のみで加減速をコントロールできるイージードライブペダルに加え、NORMAL/ECO/SPORTの3つのドライブモードを設定。また、2WDモデルには緩やかにトルクを発生させることで雪道でのスリップを抑制するSNOWモードを、4WDモデルにはヒルディセントコントロールを配備する。シフト部とeAxleを電気的に接続するシフトバイワイヤー技術により、回転操作やスイッチ操作でシフトチェンジが可能な電子制御シフト[ダイヤル式]も採用した。さらに、4WDには走行状況に応じて70:30~50:50の間で前後の駆動力を自動配分する「ALLGRIP-e」を導入。オートモードとトレイルモードの2つのモードが設定でき、オートモードは路面状況に応じて各制御を最適化し、優れた操縦安定性と悪路走破性を実現。一方でトレイルモードは、タイヤが浮くような路面でも空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側のタイヤに駆動力配分(LSD機能)することで悪路からのスムーズな脱出を可能としている。
▲シフト部とeAxleを電気的に接続するシフトバイワイヤー技術により、回転操作やスイッチ操作でシフトチェンジが可能な電子制御シフト[ダイヤル式]を採用。ドライブモードにはNORMAL/ECO/SPORTの3モードを設定
先進安全運転支援システムの面では、デュアルセンサーブレーキサポートⅡや車線維持支援機能、誤発進抑制機能、アダプティブハイビームシステムなどを組み込む最新の「スズキ セーフティ サポート」を全車に標準装備。また、メモリーナビゲーションにはEVサポート機能を配し、さらにEVのある暮らしをもっと“安心”“快適・便利”にする目的で3年間無料のスズキコネクトにEVライフをサポートする新たな機能を搭載している。