アマチュアレーサーが最も参加しやすいモータースポーツイベントは、サーキットコースを利用しないジムカーナといえるだろう。決められたコースをテクニカルな走行でタイムを競う。ここでモータースポーツの楽しみを覚え、もっと上のカテゴリーに参加したいと思うなら、一般的にはワンメイクレースが有力候補だ。
現在開催されている主なワンメイクレースは、GR86/BRZカップ、ヤリスカップ、ホンダN-ONEオーナーズカップ、マツダ・ロードスター・パーティレース、ロードスターカップ(富士チャンピオンレースのイベント)などがある。これらのシリーズは、いずれもナンバー付き車両が対象で、改造範囲は限定的。つまり、安全性と参加費用高騰対策に配慮したうえで運営されている。
今年のGR86/BRZカップは、4月から11月までに全7大会を開催。北海道から大分県まで日本全国の主なサーキットを転戦し、1サーキット1大会の開催。シリーズはプロフェッショナルクラスとクラブマンクラスに分かれている。プロクラスには井口卓人選手や小林利徠斗選手がエントリーしている。クラブマンには個人名でのエントリーも見えるが、しっかりとしたスポンサーを得て活動しているチームが主体だ。
N-ONEオーナーズカップは、指定のロールケージを装着しておけば、サーキットでの作業はフックの装着とタイヤ空気圧の調整程度になる。全国を転戦するようにシリーズは構成されているが、サーキットを限定して参戦することもできる。
マツダ・ロードスター・パーティレースは北日本/東日本/西日本シリーズを年間4戦開催するほか、主要サーキットを転戦するジャパンツアーシリーズを全8戦で構成している。今季から参加できる車両は2015年以降に発売されたND型に限定された。参加車両はロールバーセットを組み込み、指定タイヤ(ブリヂストン・アドレナリンRE004)&推奨ブレーキパッドに交換し、バケットシートと5点式シートベルトの装着が必要になる。タイヤを除いたこれらの本体価格は約60万円である。車両は一度作れば、2年目からは消耗品が中心になるので、費用は抑えられる。
ND以外のロードスターでワンメイクに参戦したいなら、富士スピードウェイで開催されているロードスターカップを選択するといい。こちらはユーズドカーを購入して参戦するという方法があるし、場合によってはガレージなどを通じて参戦車両そのものを購入できるかもしれない。地道な一歩がすべての始まりだ。