日産/ニスモ、2020年のモータースポーツ活動概要を発表

 日産およびニスモは16日、日産本社ギャラリーにてファンイベントを開催し、日産/ニスモの2020年のモータースポーツ活動概要を発表した。

Nissan and NISMO confirm 2020 motorsports programs - image 01.JPG.jpg▲日産/ニスモ、2020年はFIAフォーミュラE選手権とSUPER GTを二本柱に活動

 日産/ニスモは、FIAフォーミュラE選手権とSUPER GTをモータースポーツ活動の二本柱として取り組み、またNISSAN GT-R NISMO GT3や日産車、日産エンジンで活動を行うチームへの支援をカスタマーレーシング活動として引き続き実施していく。

「日産/ニスモは、フォーミュラEとSUPER GTを二本柱として、今年も全力でモータースポーツ活動に取り組みます」とニスモ社長でCEOの片桐隆夫氏はコメントした。「私たちは様々なテクノロジーを駆使し、そしてチーム全員の情熱とファンの皆さまの熱い応援を力に変えて、参戦、サポートするあらゆる選手権において、熱い戦いをお見せしていきたいと思います」

Spacesuit-Media-Lou-Johnson-177463.jpg▲昨年に続きFIAフォーミュラE選手権に参戦し優れたパフォーマンスを訴求を目指す

 日産は、初参戦となった昨シーズンに引き続き、FIAフォーミュラE選手権(FE)のシーズン6に参戦している。日産はフォーミュラE選手権に参戦している唯一の日本メーカーであり、レースを通じて「ニッサン インテリジェント モビリティ」が提供する優れたパフォーマンスを訴求していく。

Spacesuit-Media-Shivraj-Gohil-173145.jpg▲セバスチャン・ブエミ(スイス)が23号車を、オリバー・ローランド(英国)が22号車をドライブ

 日産e.damsチームは、昨シーズンと同様の体制で今シーズンに挑む。チーム監督はオリビエ・ドリオとグレゴリー・ドリオが務め、フォーミュラE史上最多勝を誇るセバスチャン・ブエミ(スイス)が23号車を、昨シーズンにルーキーオブザイヤーを獲得したオリバー・ローランド(英国)が22号車をドライブする。そして、引き続きチームのリザーブ兼テストドライバーを高星 明誠、シミュレータードライバーをヤン・マーデンボローが務め、第5戦マラケッシュe-Prixの後に行われるテストに参加する。

1.jpg▲日産e.damsチーム体制

■マイケル・カルカモ 日産グローバルモータースポーツダイレクター コメント
「フォーミュラEの人気はますます高まり、スリリングなEVモータースポーツの世界に新たなファンを惹きつけています。今シーズンも激しい戦いが続きますが、その中で私たちはフォーミュラEに参戦する唯一の日本メーカーとして、電気自動車の楽しさや高いパフォーマンスを訴求していきます」

Nissan and NISMO confirm 2020 motorsports programs - image 11.JPG.jpg▲新発表されたSUPER GT GT500クラスに参戦するNISMO MOTUL AUTECH GT-R 23号車

SUPER GT GT500は、今シーズンも4チーム、4台のNISSAN GT-R NISMO GT500でSUPER GTに参戦する。各チームの体制及び車両名は以下のとおり。

2.jpg▲SUPER GT GT500クラス チーム体制

 総監督はニスモCOOの松村 基宏が引き続き務め、本山 哲とミハエル・クルムがエグゼクティブアドバイザーとして日産系チームの競争力アップに尽力する。

 新車となる2020年型NISSAN GT-R NISMO GT500は、ドイツツーリングカー選手権(DTM) との共通技術規則「クラス1」に沿った車両として開発された。新規採用となる両シリーズ共通のサスペンションを最大限に活かす車両セットアップ、安定して高いダウンフォースを発生する新空力デザイン、新エンジン「NR20B」によるエンジン出力の向上とパワーカーブの最適化を目標に開発。さまざまなサーキットに対応し、参戦チームの競争力を高めていく。

Nissan and NISMO confirm 2020 motorsports programs - image 06.JPG.jpg▲SUPER GT GT500は、今シーズンも4チーム、4台のNISSAN GT-R NISMO GT500でSUPER GTに参戦

 カスタマーレーシングプログラムとしては、ニスモはSUPER GT GT300クラス、ニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)、スーパー耐久シリーズをはじめとする世界各地で開催されるレースにFIA GT3規定のNISSAN GT-R NISMO GT3で参戦するチームに引き続き技術支援を行う。

190701-00_06-source-source.jpg▲SUPER GT GT300クラスに参戦する#10 GAINER TANAX triple a GT-R

 SUPER GT GT300クラスには、5台のNISSAN GT-R NISMO GT3が出場する。GT3オフィシャルパートナーチームであるGAINERから引き続き2台、同KONDO RACINGから1台のNISSAN GT-R NISMO GT3がエントリー。また、NILZZ Racing、TOMEI SPORTSが参戦することが発表された。

 KONDO RACINGは、日産・自動車大学校の学生や販売会社のテクニカルスタッフが参加する、レース活動を通じた人材育成プロジェクト「NISSAN MECHANIC CHALLENGE」を、昨年に引き続き今シーズンも実施。スーパー耐久シリーズより開始した本活動は、9年目へ突入し、今年も日産圏全体の人材育成プログラムとして活用していく。

3.jpg▲SUPER GT GT300クラス チーム体制

 ニュルブルクリンク24時間レースでは、3か年計画を掲げて挑戦しているKONDO RACINGが、トップクラスであるSP9クラスにNISSAN GT-R NISMO GT3で2年目のレースに挑戦する。(ドイツ 決勝:5月23日~24日)参戦初年度だった昨年は、総合9位に入賞しており、今年はさらなる上位を目指す。

 また、ニスモパフォーマンスセンター(NPC)*のテクニカルスタッフから選抜された数名が、今年もKONDO RACINGに合流してプロのレースメカニックと共に24時間レースを戦う。
*NISMOロードカー、NISMOパーツを常時展示し、専門トレーニングを受けた認定スタッフ「NISMOマイスター」が常駐する日産販売店

4.jpg▲ニュルブルクリンク24時間レース チーム体制

 スーパー耐久シリーズでは、ST-XクラスにMP RacingとTAIROKU Racing with B-MAX Engineeringから各1台、合計2台のNISSAN GT-R NISMO GT3が出場し、日産/ニスモは、今年も技術支援を行う。なお、ST-3クラスには、OKABEJIDOSHA motorsportからFAIRLADY Z NISMO RCが出場を予定している。

 カスタマーレーシング - エンジンサプライプログラムとして、日産/ニスモは、プロトタイプカー向けのレースエンジンを引き続き供給し、技術支援を行う。今シーズンは、世界各地で開催されるLMP3クラスのレースに出場するチームに2015年から供給してきたVK50エンジンに加え、2020年シーズンから導入されるLMP3規則に対応してVK56エンジンを新規開発し、オレカ社を通じて供給していく。VK56エンジンは、ヨーロピアン・ルマン・シリーズやミシュラン・ルマン・カップなど欧州でのシリーズ参戦チームに供給される。

 グラスルーツ支援及びその他の活動として、国内外で行われる参加型モータースポーツでのパーツ供給や技術支援等を通じて、日産車ユーザーのグラスルーツモータースポーツ活動を適宜支援していく。海外では、カナダでマイクラ(日本名:マーチ)によるワンメイクレース、マイクラカップが行われることが決まっている。

 ニスモドライビングアカデミーは、ロードカーユーザーとモータースポーツとをつなぐ活動として、NISMOロードカーやNISSAN GT-R、フェアレディZのユーザーを対象としたドライビングレッスンを本年度も実施。ミハエル・クルムが校長、ニスモ契約ドライバーが講師を務める本活動は、日本各地のサーキットで開催を予定している。

 シーズンオフの恒例となったファン感謝イベント「NISMO Festival」。23回目の開催となる今年は12月6日(日)に富士スピードウェイで開催する。

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