IT企業である「SCSK」がソフトウェアからクルマづくりを変えていく取り組み

 SCSKはモビリティショー2025で最新EVを出展して大きな話題となった。このEVはSCSKがクルマづくりの変革の象徴として9か月で完成させた点が注目ポイントだ。SCSKはソフトウェアの会社であり、ハードウェアは開発していない。今後も開発予定はないが、現在の大きな変革期にある自動車業界に一石を投じるかたちで海外パートナーとの水平分業モデルによりEVを作り上げた。

 9か月という短期間で作る、というのは、そうとう社員が無理したんじゃないか、とか想像してしまいがちだが、それは誤解だ。実はSCSKはIT業界の中でも働き方改革を実践し社員を大切にする会社として知られている。ブラック企業が多いといわれるIT業界では異色の存在なのだ。2017年にはテレビ東京のカンブリア宮殿でも取り上げられたので、ご存知の方も多いだろう。

 今回はクルマの作り方をソフトウェア起点で考え、エコシステムを再定義して水平分業モデルで最先端のSDVを作り上げた。簡単にいえば、水平分業モデルは従来の垂直統合モデルと違って複数の企業がハブとなる企業と連携しながら並行で開発が進行するため、短期間で開発が進む仕組みだ。完成した今回のコンセプトモデルでは流麗な内外装デザインが施され、個々のユーザーの好みに最適化されたAIエージェントと対話しながらパーソナル空間として車内が活用されるなど工夫が凝らされている。

 SCSKは今回の取り組みで、ひとつの企業では成しえない“共創”によるモビリティ社会の実現を目指したという。既存の自動車業界が構築してきた枠組みにとらわれず、複数の企業がパートナーとなり、クルマを作り上げていく。しかも短期間で、となると、大きな可能性が見えてくるようで、未来に対する期待は大きい。

 

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