10月号の「クルマと音楽」では、日本のラップアーティストたちの人気が上昇し、海外でも高い評価を獲得、今や日本の音楽界において多き存在になってきていることを解説した。ここでは誌面では、書ききれなかった各アーティストの活躍の状況をさらに詳しく解説しよう。
2025年、Creepy Nutsは日本のみならず世界規模でその存在感を強めた。まず、2月11日には自身初となる東京ドーム単独公演を開催し、約5万人の観客を動員して完全ソールドアウトを達成したのである。同公演はPrime Videoでの世界独占配信も決定し、国内外への影響力を一層広げたのだ。
また同月にはアルバム『LEGION』をリリースし、ヒット曲「オトノケ」と「Bling‑Bang‑Bang‑Born」を収録。これらの楽曲が、ストリーミングの面でも驚異的な成果を見せた。2025年1月初週、“Global Japan Songs Excl. Japan(日本以外の世界において人気な日本の楽曲が算出したもの)”チャートにおいて「オトノケ」は世界全体で779万回のストリーミングとして13週連続首位を獲得し、また「Bling‑Bang‑Bang‑Born」も2位にランクインした。さらに、「オトノケ」はシンガポール、フランス、イギリス、ブラジル、南アフリカ、アメリカで13〜14週連続の首位を継続、ドイツでは6〜7週連続トップを飾っている。
Spotifyの2025年上半期海外再生ランキングでは、「オトノケ」が海外で最も再生された国内楽曲として1位に輝き、「Bling‑Bang‑Bang‑Born」も4位にランクイン。これはアニメタイアップ楽曲として、世界中のリスナーの心を掴んだ証といえるだろう。
受賞面でも海外での評価は際立っていた。5月25日にアメリカで開催されたアニメの世界的なアワード『クランチロール・アニメアワード2025』では、「オトノケ」が<最優秀アニソン賞>ならびに<最優秀オープニング賞>をダブル受賞。これは世界200以上の国と地域からのファン投票により選定された栄誉であり、海外ファンの支持の厚さが如実に示されている。
国内では、5月21〜22日に京都・ロームシアターで開催された初の国際音楽『「Music Awards Japan 2025」において、Creepy Nutsは最多ノミネート16件から最多9冠を獲得。Artist of the Yearにも輝き、代表曲「Bling‑Bang‑Bang‑Born」はSong of the Year、さらには「Top Japanese Song in Europe/Latin America/North America」などグローバル部門でも多数の受賞を飾っている。
そして、2025年秋には自身初となるアジアツアー『Creepy Nuts ASIA TOUR 2025』を計画中で、ソウル(10/18–19)、台北(10/25–26)、香港(10/29)、上海(10/31)、北京(11/2)と、5都市を巡り全公演がSOLD OUTとなっている。
今や日本代表するアーティストといっても過言ではない存在だ。
2024年2月、「チーム友達」をリリース。国内外の豪華ラッパーらによるリミックスも話題となり、Spotify『Weekly Viral Songs Japan』で首位を獲得し、一気にバイラルヒットを生み出したのである。続く同年6月にはMegan Thee Stallionとの共演による「MAMUSHI (feat. Yuki Chiba)」を発表し、全世界のSNSを席巻。さらにロンドンO2アリーナでの「ホットガール・サマー」最終公演にて2万人の観客を前にMeganと共演初披露を果たし、圧倒的な存在感を示した 。
また、「MAMUSHI」は米ビルボード『US World Digital Song Sales』で1位、『TikTok Billboard Top 50』で6位、『US Hot R&B/Hip‑Hop Songs』で7位、『Global 200』で29位、『US Billboard Hot 100』では36位を記録し、日本でもSpotify『Daily Viral Songs Japan』の首位を奪取している。
そして9月11日、MTV Video Music Awards(VMAs)2024のメインステージに日本人アーティストとして初めて登壇し、「MAMUSHI」で Best Trending Video を受賞し、大きな話題となった。
2025年に入っての勢いは止まらず、3月にセカンドアルバム『億万長者』を発表し、5月には世界的プロデューサー Murda Beatz との共作曲「Maybach」をリリース。
さらに6月18日には、3枚目のアルバム『永遠』およびStillzとの共同名義による『separated at birth』を同時リリース。6月24日には、人気FPSゲーム『VALORANT』とのコラボレーションも発表され、ゲーム界にも進出した。
7月3日には、東京・日本武道館にて自身初のワンマンライブ『千葉雄喜 – STAR LIVE』を開催。会場にはプロデューサー Murda Beatz をはじめ、DJ RYOW、Jin Dogg、キングギドラ、SKY‑HI、¥ellow Bucks など豪華ゲストが集結し、伝説的な一夜となった。
そして、2025年7月にはワーナー・ミュージック・ジャパンと包括契約を締結し、米レーベル 300 Entertainment Japan に所属することが発表。これによりロサンゼルスを活動拠点とし、グラミー獲得に向けた本格的なグローバル進出をスタートさせた。
2025年には自身最大規模の全国アリーナツアー『AREA OF DIAMOND 3』を、12都市14公演にわたり展開し、チケットは全公演即完売という人気を博した。また、東京・国立代々木第一体育館(6月29日)の模様はU‑NEXTでライブ配信され、大きな反響を生んでいる。
さらに、ちゃんみな自身も2025年に新たにソニー・ミュージックの『Mastersix Foundation』に移籍するとともに、自身のレーベル『No Label Music』を再始動させた。この下で、アニメ『Bullet/Bullet』主題歌「Work Hard」(4月30日リリース)や、映画『か「」く「」し「」ご「」と「』のイメージソング「I Hate This Love Song」(5月30日)など、メディアタイアップ楽曲を連続発表し、ヒットとなっている。特に「Work Hard」のミュージックビデオでは、スカイダイビングに挑戦、個性的なファッション&アクロバティックな演技で沢村一樹、竹内力、那須川天心と共演。大きな話題となった。
加えて、2025年5月の『MUSIC AWARDS JAPAN』では圧巻のスペシャル・パフォーマンスを披露、終わった直後にMCの菅田将暉が「カッケー!、すごいエネルギー」と称賛、 “日本版レディー・ガガ”的存在感として注目を集めた。
また音楽活動に加え、ちゃんみなはガールズグループプロデュースにも挑戦。2025年、「No No Girls」オーディションを通じて結成された7人組グループ「HANA」がデビュー。4月リリースのデビュー曲「ROSE」は、ストリーミング再生数約878万回、ダウンロード数約1万2,870件、Billboard Japan Hot 100では初登場1位を獲得するなど、プロデューサーとしての手腕をも明確に示した。
アメリカのカルチャー雑誌『GQ』において「次世代グローバルヒップホップスター」として大々的に取り上げられ話題に。また横浜・Kアリーナで展開したライブでは、20,000人を前にした圧巻のパフォーマンスを披露し、人気を決定づけた。
2025年には本格的な米国進出を開始。4月には、Wu‑Tang Clanの総帥RZA全面プロデュースによる楽曲『Butcher Shop feat. FERG』を配信リリース。ニューヨーク・ハーレム出身ラッパーFERGを客演に迎え、RZAの緻密かつ映画的なプロダクションを背景に、日本、沖縄(Awichの出身地)、東京、NYの三つのリアルが衝突し融合するサウンドを完成させた。同楽曲のMVは4月14日20時に公開され、短編映画のような没入感ある映像として大きな話題を集めた。
7月には、RZAプロデュースの第2弾シングル『Wax On Wax Off feat. FERG & Lupe Fiasco』をリリース。FERGに加え、グラミー賞受賞の知性派ラッパーLupe Fiascoが参加し、東映映画『明日なき無頼派』の主題歌『ジーンズぶるうす』をオフィシャルにサンプリングすることで、東洋の美学とNYヒップホップDNAが見事に共鳴する一曲となった。
さらに4月には、人気YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』第540回に出演。RZAプロデュースの楽曲を一発撮りで熱演した舞台には、なんとFERGがサプライズ出演し、世界に挑むAwichの存在感を示した。RZAやFERG、Lupe Fiascoといった世界的アーティストと真っ向から火花を散らし、国際ヒップホップシーンにおいてその存在を確固たるものとしつつある。
タイトル:CreepyNutsタイトル:Mirage
配信リリース中
配信サイト:https://creepynuts.lnk.to/Mirage
タイトル:ちゃんみな「I hate this love song(Acoustic Session)」
配信リリース中
配信サイト::https://NOLABEL.lnk.to/Ihatethislovesong_AS
タイトル:Awich「Frontiers」
配信リリース中
配信サイト:https://lnk.to/awich_frontiers