歴史と権威があるグラミー賞を主催する米レコーディングアカデミーが、2025年の大きなトレンドとして、『ロック(あらゆる形態)がメインストリームを席巻する』を挙げ、以下のコメントを発表した。
「2024年はポップ・ミュージックがまぎれもなく覇権を握ったが、新しい年にはロック・ミュージックが猛烈なカムバックを果たすように感じられる。 ロック・アーティストの最新の波は、権力に真実を語り、革命と反乱のサウンドにチャンネルを合わせ、 不安定さを増す世界における抵抗の声として、このジャンルの役割を取り戻そうとしている」
ここ10年ほどはビルボードが発表するチャートにおいて、ロックはヒップホップやR&B、ポップスに押され、上位ランクに食い込むめなかったが、ロックはそのエネルギーや表現の自由さから、再び音楽シーンの中心に返り咲くというのだ。
実際、2024年にはGreen DayやLinkin Parkがニューアルバムをリリースし、大々的なライブを各地で行い、その多くがソールドアウト。90年代に活動をスタートしたビッグネームバンドが人気復活を遂げている。ベテラン勢だけでなく、米レコーディングアカデミーは、My Chemical Romance、Meet Me、The Romanceなどの中堅バンドが大きな人気を得ると述べている。
現在、ロックは、ヒットトップチャートに顔を出していないが、ビルボードに音楽デジタルデータを提供しているLuminateの調査によると、音楽アルバムの市場シェアはR&B/ヒップホップが27.8%で1位、ロックが22.3%で2位になっている。シェアは決して低くなく、高い人気を得るバンドの登場などきっかけさえあれば、ロックがヒットトップチャートを席巻することは十分にあり得る話だ。
このロックの復権には、日本のバンドも大きく貢献すると思われる。現在、日本のバンドは、その実力がワールドワイドで認められ、長期ライブツアーを大きめの会場で行い、会場は大盛況になっている。欧米の著名バンドとのコラボも頻繁に行い、人気は拡大している。2025年になってその勢いは増している。この状況は、日本のバンドが珍しい存在として注目されているからではない。ロックの本場、米国はロックに対してシビアで、実力や人気が本物でないと観客は関心を示さない。米国、そして海外でツアーが大盛況という状況は、本物と認められている証だといえる。
現在、どのような日本のロックバンドが海外で人気を集めているか紹介しよう。
ONE OK ROCK。高い英語力を持つボーカルのTakaが率いるバンドだ。2017年に、アメリカの大手レーベル、Fueled by Ramenと契約。その後本格的に海外進出を進めた。アルバム『Ambitions』(2017年)は、ビルボードのTop Rock Albumで12位となり大注目を集め、その後にリリースしたアルバムも海外で好調だ。ライブにおいても、アメリカのVans Warped TourやイギリスのReading and Leeds Festivalなど、海外の大型ロックフェスにも出演し、2025年は4月にラテンアメリカ、5月に北米、10月からはヨーロッパで大規模のツアーを行う。
MAN WITH A MISSION。狼の姿で知られる5人組ロックバンドだ。2014年にアメリカデビュー。その後、2015年にはアメリカの人気バンド、Zebraheadと共作アルバム『Out of Control』をリリースし、海外で多くのファンを獲得した。海外ツアーは2012年からスタート、徐々に規模を広げ、2024年には大規模の北米ツアー、ヨーロッパツアーを行い、ソールドアウト連発の大盛況で終了。2025年は10月に大規模のヨーロッパツアーを行う予定だ。
海外では、日本のパンクロックバンドの人気も高い。SiMは2022年にリリースした『The Rumbling』が、ビルボード・ホットハードロックソングチャートで1位を獲得。その後、海外マネージメント/海外レーベルとの契約が成立し、2023年には7万人を集めた大規模の北米ツアー、2024年にはヨーロッパツアーと海外で不動の人気を獲得するまでになっている。
HEY-SMITHはホーン楽器を多用したバンドで、2013年に米国デビュー。ヨーロッパ、オーストラリアで人気が高く、2024年はヨーロッパのパンク系フェスに多数出演した。オーストラリアでは世界的パンクバンドVoodoo Glow Skullsと対バンツアーを行い大盛況となっている。
ロックの復権が予測されている2025年、日本のロックバンドがワールドワイドで著名になっていくことは間違いないだろう。
クルマとロックの共通項目は、オリジナル性の高い姿、スピード&パワー、自由の象徴、開放感など数多い。2025年はドライブBGMにロックを中心にセレクトして、いままで以上にエネルギッシュなカーライフを送ってみてはいかがだろうか。ベイビー、ユーキャンドライブマイカー!