【20世紀名車】未来を感じさせた日本初のスペシャルティ、「1971年トヨタ・セリカ1600GT(TA22型)」の特別な時間

1971年式トヨタ・セリカ1600GT。セリカは日本初のスペシャリティカーとして1970年12月にデビュー。ラインアップはEX/LT/ST/GTの4グレード構成。GTは1.6リッターツインカムを積み最高速は190km/h

1971年式トヨタ・セリカ1600GT。セリカは日本初のスペシャリティカーとして1970年12月にデビュー。ラインアップはEX/LT/ST/GTの4グレード構成。GTは1.6リッターツインカムを積み最高速は190km/h

1600GTは名機2T-G型ユニット搭載。トップスピードは190km/hに到達

 初代トヨタ・セリカは日本初のスペシャリティカーとして1970年12月にデビューした。キャッチコピーは「未来の国からやってきたクルマ」。セリカはセダン派生ではなく、クーペ専用にデザインされた流麗ボディ、そして高いパフォーマンスが幅広い層から支持され、大反響を巻き起こした。

 中でも、トップグレードのGTがイメージを牽引する。GTはソレックス製キャブレターを2連装した直列4気筒DOHCエンジン(2T-G型)を搭載。1588㏄の排気量から、115ps/6400rpm、14.5kgm/5200rpmの出力とトルクを発揮した。スピード性能は国産トップレベル。2T-G型エンジンのレブリミットは7000rpmと高く、5速MTとの組み合わせで190km/hのトップスピードと、16.5秒の0→400m加速性能をマークした。その駿足ぶりは、2リッター級スポーツモデルを凌駕するほどだった。

リア

エンジン

 初代セリカは、ラグジュアリーテイストでもライバルを圧倒する。コクピットは、5連丸型メーターを配置したラウンディッシュ造形。GTはFM付きステレオラジオ、パワーウィンドウを標準装備。スポーツモデルというとスパルタンなイメージが強かった当時、セリカの室内は快適性が高く、まさにスペシャルな空間だった。シートは前席がハイバック形状のビニールレザー張り。赤いステッチが入った精悍なデザインである。

 セリカはモータースポーツ分野でも輝かしい戦績を残した。1972年にはレース・ド・ニッポン、日本GP、鈴鹿1000kmなど国内主要レースでクラス優勝を飾る。翌1973年は海外レースにも参戦。BMWやアルファロメオなどの強豪を抑えニュルブルクリンク6時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースでクラス優勝を飾った。

 セリカは、1972年8月にマイナーチェンジを実施し、GTVグレードを新設定すると同時に、リアランプ形状をリファイン。翌1973年4月にはテールゲートを備えたリフトバック・シリーズが登場する。初代は1977年8月にモデルチェンジするまで高い人気を持続し、日本国内だけで累計販売38万5000台に達する大ヒットとなった。

インパネ

 取材車は1971年式GT。内外装ともにオリジナル状態をキープしたフルレストア車両だ。ボディはキズとサビの補修を丁寧に行ったうえで、新車時と同じカジュアルターコイズで全塗装。ウィンドウ部などのゴム類は新品に交換済み。バンパーなどのメッキパーツの状態もいい。ホイールは純正キャップ付きスチールを装着していた。

 内装のコンディションも良好だった。インパネに割れや歪みはなく、シートは、きれいな状態でクッション性が保持されていた。パワーウィンドウも問題なく作動した。気になった点は本革巻きステアリング。グリップ部の革が摩耗している。この部分は早めのリペアが必要だ。

 機関系は絶好調。2T-G型DOHCエンジンはセル一発で始動。吹き上がりは鋭い。2000rpm前後から太いトルクを発生し、高回転域になるほどパワーが盛り上がる。

 カチッとした手応えの5速MTを介した加速は力強く、周囲の交通の流れを容易にリードできた。足回りはしなやかで、ボディはしっかりとした印象だった。

 初代セリカGTは、豪快な走りと、現代のトヨタ車に通じる運転のしやすさ、そして信頼性を備えていた。パフォーマンスは現在でも新鮮。日本が誇る名車の1台である。

エンブレム

諸元

真正面

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