表紙のモデルは「GRスープラ GT4 EVO2」。GT4カテゴリーのマシンだ。開発はTOYOTA GAZOO Racing(TGR)が手掛けている。
GRスープラGT4は2020年にデビュー。2023年シーズンにはEVOが投入された。これまでの累計販売台数は120台以上。11の国と地域のGT4シリーズ戦、国際レースに参戦し、500回以上の表彰台を獲得している。イラストのEVO2は、2025年シーズンに向け2024年6月に発表された進化モデル。世界中のレーシングチームやドライバーの声を反映しパフォーマンス/信頼性/操作性を向上させた。つまりGRが掲げるポリシー、“レースを通じた、もっといいクルマづくり”の代表である。GT4 EVO2は日本でも活躍。スーパー耐久のST-Zクラスに参戦するシェイドレーシングがEVO2で戦っている。
EVO2は、タイヤの種類や摩耗、コースコンディションに応じて最適なブレーキング&コーナリングができるようABSマップを再チューニング。さらにエンジン、ブレーキ、ドライブトレインの冷却性能向上に加え、コクピット温度の最適化も図られた。
パワートレーンは3ℓ直6ターボとZF製ATの組み合わせ。最大トルクは660Nm、最高出力は出場するレースのレギュレーションに対応する可変式となっている。ちなみに欧州販売価格は20万2000ユーロ(約3325万円)。この車両はモータースポーツ向けのため公道走行はできない。
先日、A90スープラは、現行モデルの生産終了を発表。集大成として “A90ファイナルエディション(1500万円/日本150台限定)”をリリースした。ファイナルエディションはいわばGT4マシンの公道版というイメージだった。GT4に憧れを抱く世界中のファンに向けたプレゼントだったのだろう。
ちなみにTGRは、ファイナルエディションを発表した2024年11月のリリースで「現行スープラの生産は終了を予定していますが、今後もモータースポーツ活動を通じてスープラを鍛え続けていきます」と明言している。スープラはトヨタ、そしてGRのスポーツフラッグシップとして、これからも数々の伝説を築いていくに違いない。期待したい。