新型ゴルフ8のヴァリアントは、なぜこんなにもカッコ良くて使えるのか?

TOP.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜17時50分~18時TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』


●ベーシックモデルは特にお買い得

 待望の8th・VWゴルフが日本上陸してからわずか1ヵ月強。主要ファミリーであるワゴンモデルのゴルフ・ヴァリアントが登場した。

 いままでならハッチバック発売から半年以上は経って追加されてたはず。価格差は約14万円、セールス現場では迷う人も出てくるに違いない。

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 早すぎるのは販売的に不利な気もするが、関係者は言う。
「ヴァリアントが早かったというより、ハッチバックに時間がかかったというべきでしょう。マスコミのみなさんにも『遅い遅い』と言われてましたし、ヴァリアントが早く出せて良かったです(笑)」同じ轍は踏みたくなかったというところだろうか。

 早速、実車チェックだが、基本的なプラットフォーム、パワートレイン、グレード構成はゴルフ8と一緒。ピークパワー&トルクが110ps&200Nmの1リッター直3ターボ+48Vマイルドハイブリッド(MHV)仕様と、150ps&250Nmの1.5リッター直4ターボ+48MHV仕様の2本立てだ。

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 1リッターモデルが「eTSIアクティブベーシック」と「eTSIアクティブ」、1.5リッターモデルが「eTSIスタイル」「eTSI Rライン」の2種類になる。

 特筆すべきは価格だ。一番手軽なアクティブベーシックが305.6万円から。ある意味国内的ライバルたるスバル・レヴォーグが310.2万円で、先進安全のアイサイトXを付けると+約38万円ということを考えると相当オトク。なにしろゴルフ・ヴァリアントは同一車線運転支援のトラベルアシスト標準なのだ。

 最もヴァリアントは標準でナビも付かないし、ナビ系パッケージと先進パッケージを付けると40万円前後は上がる。難しいところだが、考えようによってはオトクなのは確かだ。

●リアはシューティングブレーク風造形

 実車は1.5リッターのスタイルに乗ることができたのだが、まず驚いたのはカッコ良さ。特にリアビューだ。スポーティでスタイリッシュ。いままでのゴルフ・ヴァリアントにあった野暮ったさがない。

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 それもそのはず、従来は造形的にラゲッジ部を伸ばしていただけだったのが、今回はホイールベースを旧型比で35mm、ハッチバック比で50mmも伸ばし、伸びやかさが増している。

 リアのクオーターピラーも従来はハッチバックの延長線上だったが、新型はかなり寝ていてちょっとクーペライク。オシャレっぽさが全然違う。

 それでいてすごいのはラゲッジ容量で、なんと611リッター。旧型より6リッター増えているだけでなく、スバル・レヴォーグの492リッターと比べると100リッター以上広い。全長はゴルフが4.6m台、レヴォーグが4.7m台と後者のが長いのに、である。ゴルフ・ヴァリアントのスペース効率がいかに高いかがわかる。

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 同時に良いのが走りだ。確かにヴァリアント化で増えているがプラス50〜70kgに留まっているため、さほど遅さを感じないのと、なによりもホイールベースが50mm伸びたお陰もあってしっとり感が増している。ハンドリングはハッチバックより大人っぽいのだ。

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 ラゲッジが広くなっただけじゃない。同時にカッコ良く上質になったゴルフ8的存在ともいえる。

 しかも新型ヴァリアントは全幅10mmダウンの1790mmと扱いやすい。全長4640mmも狭い日本国内でも全然許容範囲だ。

 これがハッチバックに約14万円プラスで買えるなんて! 個人的には「ゴルフ買うならヴァリアント」とマジで思った次第である。

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