【Z世代のクルマ談義】フェラーリ・レーシング・デイズで感じたブランド力を生み出す歴史の重み

フェラーリ・レーシング・デイズで感じたブランド力を生み出す歴史の重み

 最近、新しいコンセプトのハイパフォーマンスモデルに触れる機会がありました。ひとつがヒョンデのアイオニック5N、そしてもうひとつがジャガー・ランドローバーのディフェンダーオクタです。

 アイオニック5NはBEVでもサーキットを楽しめるという新たなコンセプトで誕生したモデル。実際にサーキット走行をしましたが、重たい電気自動車とは思えないほど振り回す楽しさがありましたし、新しい可能性を感じました。オクタは「オフロードもオンロードも速く」をコンセプトに掲げ、ダートトライアルのようなコースでは大柄のSUVとは思えないほど振り回す楽しさがありました。

 どちらも素晴らしい性能とコンセプトを持つモデルでしたが、現場でコミュニケーションを取ると「高価格帯で人気のある」モデルになるにはブランド力が必要であることも実感しました。ブランド力をつけるためにこのようなハイパフォーマンスモデルを投入している面もあり、まだまだその可能性を広げている段階といえます。

 そしてブランド力といえば、その頂点にフェラーリがあると最近改めて思い直しました。若い世代はあまりブランドでクルマを評価する傾向がないと思いますが、ポジティブな印象やシンプルに「スゴい!」と感じるブランドは素晴らしいと感じています。その究極系がフェラーリであると、フェラーリ・レーシング・デイズの会場(6月21〜22日、スピードウェイ)で実感しました。

 フェラーリの歴史はF1を始め、モータースポーツと切っても切り離せない関係にありますが、モータースポーツをとても大切にしているのがこのイベントは強く伝わるものでした。

 イベントの定番ともいえる、参加者たちが連なってのパレードランなどもあるのですが、レーシング・フェラーリ・オーナーによる走行イベントが中心となっていて、歴代F1マシンを始めスポーツプロトタイプカーなどが一般オーナーの手によって走行していました。フェラーリは歴代のF1マシンを選ばれし顧客に販売していて、近年はWECマシンの499Pと基本メカニズムを共有する499Pモディフィカータも発売しました。レーシングカーを自分の愛車にできる…それはクルマ好きの究極の憧れでもあります。モータースポーツの世界で数々の輝かしい成績を収めているフェラーリですが、その歴史を刻んだマシンを自分の手にできると想像しただけで胸が高鳴ります。

 もちろん、手にできる選ばれし顧客になるには相応の経済力とフェラーリからの信頼が必要ですが、多くの人にレーシングカーのステアリングを握る可能性が開かれているのです。

「頑張って○○のクルマを買う!」はよくある話ですが、フェラーリの場合それがさまざまなレンジで存在していて、その頂点がレーシングカーにあると感じました。

 経済的に豊かな人に「頑張ってフェラーリのレーシングカーを…」と思わせる果てしない世界、それは積み重ねてきた歴史があるからこそ。絶大なブランド力はモータースポーツで培ってきました。フェラーリ・レーシング・デイズはその奥深さを実感するイベントでした。

 

 

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