J.D. パワー、2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査℠を発表。国際ブランドではメルセデスが1位

 顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である J.D. パワーは、「中国新エネルギー車両顧客体験価値調査℠」の結果を発表した。

電気自動車が充電ステーションで充電されている様子

▲購入からアフターサービスまでの顧客体験価値スコア、前年より低下

 この調査は、新エネルギー車(NEV)購入後2~12ヶ月を経過した所有者を対象に、新エネルギー車の購入から使用、そしてアフターサービスまでのトータルな顧客体験を評価するものだ。

調査は、2023年4月~5月の間に2022年4月~2023年3月の間に新エネルギー車を購入した所有者を対象に行われ、調査回答者数は5,059人になる。

本年調査の中国国内ブランドの総合顧客体験価値インデックススコア(CXVIスコア)は768(1,000ポイント満点)で、昨年の795から-27ポイントとなった。国際ブランドの総合CXVIスコアは779で、昨年比-23ポイントとなった。

「購入体験」「使用体験」「アフターサービス体験」の3段階で、最もスコアが高かったのは「使用体験」(775ポイント)で、最もスコアが低かったのは「購入体験」(764ポイント)だった。「購入体験」では「購入計画」が758ポイントで最も低い評価で、特に価格や条件や特典について不明瞭だったことが要因として挙げられる。

携帯を操作しながら電気自動車を充電している様子

▲「購入体験」「使用体験」「アフターサービス体験」の3段階で、最もスコアが高かったのは「使用体験」だった

 2023年調査の主なポイントとしては、オンライン販売ブランドの CXVI スコアは 787 で、ディーラー販売ブランド (771) や混合販売ブランド (761) よりも大幅に高い評価となった。オンライン販売ブランドは、価格の明瞭さと専門的な情報提供により、「購入体験」「使用体験」の両方で優位に立っている。一方「アフターサービス体験」では、混合販売ブランドの方が利便性や修理などの顧客の基本的なニーズをより満たしており、オンライン販売ブランドより3ポイント高い783ポイントとなった。

「アフターサービス体験」において、初めてNEVを購入した人のCXVIスコアは774ポイントで、買い替え購入者(759)や追加購入者(754)のスコアを大きく上回った。さらに、「入庫時の対応」「サービス品質」「サービスプロセス」において、新規購入者の顧客体験は、買い替え購入所有者や追加購入所有者の顧客体験よりも優れていた。

購入価格が20万~30万元のNEV所有者の35%が、車両やサービスについて喜んで他の人とコメントを共有している。この割合は、10万元から20万元のNEV所有者(30%)や30万元以上のNEV所有者(31%)よりも高い。また、CXVI スコアが775 以上の高評価ブランドのNPS®(ネット・プロモーター・スコア®)*¹ は 35 で、 NEV-CXVI スコア が759 未満の低評価ブランドのNPS®は 19 だった。

*¹ ネット・プロモーター・スコア®及びNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

J.D. パワー 2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査ランキング

▲J.D. パワー 2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査ランキング 中国国内ブランド

 J.D. パワーの2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査ランキングは下記の通りだ。

中国国内ブランドにおいては、第1位はZeekr (ジーカー)(792ポイント)、第2位はDeepal(深藍、ディーパル) (791ポイント)、第3位はNIO(蔚来汽車、ニオ)(789ポイント)となった。

▲J.D. パワー 2023年中国新エネルギー車顧客体験価値(NEV-CXVI)調査ランキング  国際ブランド

 国際ブランドにおいては、第1位はメルセデス・ベンツ(794ポイント)、第2位はテスラ(788ポイント)となった。

■J.D. パワー ジャパン 代表取締役社長 兼 オートモーティブ部門 部門長 山本浩二のコメント
「中国で実施した本調査では、新エネルギー車所有者 のカスタマージャーニー全体における顧客体験について測定しています。CXVIスコアを見ると、中国国内の新興EVブランドの評価が非常に高く、車の開発や販売において多くの経験やノウハウを持っているはずの既存OEMを大きく引き離している状況がうかがえます。また、中国で増加しているオンライン販売ブランドの購入体験の評価は非常に高く、中国での購入プロセスのオンライン化は今後、更に進んでいくと思われます。一方で、アフターサービス体験では、オンライン販売ブランドにはまだ改善の余地があり、購入をオンライン、アフターサービスを実店舗、というハイブリッド販売が一つの主流となっていく可能性も高いと思われます。」

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