ソニー・ホンダ モビリティ(SHM)が事業方針の見直しを発表。EVを取り巻く市場環境の変化を受けて、電気自動車の第1弾モデル「アフィーラ1」および第2弾モデルの開発と発売を中止。合わせてソニーとホンダ、SHMの3社で今後の事業展開を再検討していくとアナウンス
ソニー・ホンダ モビリティ(SHM)は2026年3月25日、今後の事業方針を見直すと発表した。
SHMは高付加価値型の電気自動車の開発および販売と、モビリティ向けサービスの提供を目的に2022年6月に設立したソニーとホンダの合弁会社で、「多様な知で革新を追求し、人を動かす。」という企業パーパスのもと、最先端の技術と感性を掛け合わせて“Mobility Tech Company”としてモビリティの革新を追求していた。
しかし、ホンダがEVを取り巻く市場環境の変化を受けて2026年3月12日に発表した四輪電動化戦略の見直し、具体的には北米向けBEVモデルの3車種「Honda 0 SUV(ホンダ・ゼロSUV)」「Honda 0 Saloon(ホンダ・ゼロ サルーン)」「Acura RSX(アキュラRSX)」の開発中止などに伴い、ホンダによる提供を想定していた技術やアセットの活用など、SHMの事業展開に係る重要な前提条件に大きな変化があったため、今回、電気自動車の第1弾モデル「アフィーラ1(AFEELA 1)」および第2弾モデルの開発と発売を中止。合わせて、ソニーとホンダ、SHMの3社でSHMの今後の事業展開を再検討していくと公表した。

SMHの活動は2026年に入っても進んでいて、1月には米国ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー国際見本市のCES2026においてクロスオーバースタイルの「アフィーラ プロトタイプ2026(AFEELA Prototype 2026)」や、アフィーラ1のプリプロダクションモデル(先行量産車)を出展。アフィーラ1は米国カリフォルニア州での納車を2026年内に開始し、合わせてアフィーラ プロトタイプ2026をベースとした量産車を2028年以降に米国で発売すると予告する。また、同月には米国カリフォルニア州サンディエゴのショッピングモール「Westfield UTC」にブランドの発信拠点となる「AFEELA Studio San Diego」を、ビバリーヒルズに「AFEELA Studio Beverly Hills」をオープンし、さらに音楽業界最大の祭典の第68回グラミー賞シーズンにおいて公式イベント「グラミー・ハウス」に協賛し、イベント会場でアフィーラ1を展示した。2月になると、米国カリフォルニア州のアナハイム・コンベンションセンターにて開催された世界最大級の音楽製品・音響機器の展示会「The NAMM Show 2026(ナムショー)」にアフィーラ1を出展。また、米国カリフォルニア州のサンタモニカ空港にて開催された国際的な現代アートフェア「Frieze Los Angeles 2026(フリーズ・ロサンゼルス2026)」ではアーティストのMatt Copson氏とコラボレーションしたアフィーラ1を披露する。そして3月には、専用の納車拠点としての機能を備える「AFEELA Studio&Delivery Hub」を米国カリフォルニア州フリーモント市とトーランス市に開設していた。それだけに、今回の事業展開の見直しは相当に早いプロセスを経て決められたものと推察される。

▲アフィーラ1のコンセプトを踏襲しながら空間の自由度を高めたクロスオーバースタイルの「アフィーラ プロトタイプ2026」をCES2026に出展。量産モデルを2028年以降に米国で発売すると予告していたが、これも中止となる
なお、アフィーラ1をすでに予約していた顧客には予約金の返金を始めるとアナウンス。そして、SHMの今後についてはEVを取り巻く最新の市場環境を踏まえ、今一度、ジョイントベンチャーの設立主旨に立ち返り、中長期的なSHMのあり方、モビリティの進化への貢献の可能性、事業の方向性について3社で協議・検討を行い、明確化した上で、なるべく早いタイミングで公表すると告知している。
