アウディが電気自動車の新しいプレミアムアッパーミッドモデルとなるA6 e-tronシリーズとスポーツグレードのS6 e-tronシリーズを日本で発売。新世代のEV用プラットフォーム「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」を採用したうえで、ボディタイプに4ドアクーペのスポーツバックとステーションワゴンのアバントを設定。一充電走行距離はA6スポーツバックe-tronパフォーマンスで769kmを、オプションのレンジプラスパッケージ選択時は国内モデル最長の846kmを実現
アウディ ジャパンは、プレミアムアッパーミッドサイズの新しい電気自動車(BEV)となるA6 e-tronシリーズとスポーツグレードのS6 e-tronシリーズを日本で発売した。ボディタイプはA6とS6ともに4ドアクーペのスポーツバックとワゴンモデルのアバントを設定する。
▲アウディA6スポーツバックe-tronパフォーマンス 価格:981万円 全長4930×全幅1925×全高1495mm ホイールベース2950mm 車重2220kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)141Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)769km 写真はPlusパッケージ装着車で、ボディカラーはグレイシアホワイトメタリック
▲アウディA6アバントe-tronパフォーマンス 価格:1012万円 全長4930×全幅1925×全高1530mm ホイールベース2950mm 車重2240kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)147Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)734km 写真のボディカラーはマグネットグレー
車種展開は以下の通り。
A6スポーツバックe-tronパフォーマンス:981万円
S6スポーツバックe-tron:1440万円
A6アバントe-tronパフォーマンス:1012万円
S6アバントe-tron:1471万円
▲アウディS6スポーツバックe-tron 価格:1440万円 全長4930×全幅1925×全高1465mm ホイールベース2950mm 車重2370kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)148Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)726km 写真のボディカラーはマルペロブルーメタリック
▲アウディS6アバントe-tron 価格:1471万円 全長4930×全幅1925×全高1505mm ホイールベース2950mm 車重2370kg 乗車定員5名 交流電力量消費率(WLTCモード)152Wh/km 一充電走行距離(WLTCモード)706km 写真のボディカラーはプラズマブルーメタリック
EV時代の新世代プレミアムアッパーミッドモデルとなるA6スポーツバック/アバントe-tronとS6スポーツバック/アバントe-tronは、アウディが主導してポルシェと共同開発したEV用プラットフォーム「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」を採用した、Q6 e-tron シリーズに次ぐ2番目のモデルに位置。また、PPE採用モデルとして初めてフラットフロアコンセプトモデルを導入し、優れた走行性能や一充電走行距離、効率、充電に加えて、アッパークラスに匹敵する広い居住空間を具現化したことが特徴である。
まずエクステリアは、ダイナミックかつプログレッシブなプロポーションにエレガントなライン、そしてアウディらしいスポーティなデザインを、新解釈で具現化したことが訴求点である。各部のデザインにもこだわり、フロント部は調和がとれた豊かな表情を持ち、スリムなデザインのデイタイムランニングライトと幅の広いグリルにより、フラットかつワイドなマスクを創出。また、閉ざされたブラックマスクに囲まれたシングルフレームグリルが、アウディの電気自動車e-tronモデルであることを主張する。
▲フロント部は調和がとれた豊かな表情を持ち、スリムなデザインのデイタイムランニングライトと幅の広いグリルにより、フラットかつワイドなマスクを創出。マトリクスLEDヘッドライト/ダイナミックターンインディケーターはオプションで選択可
一方でサイドセクションは、低く力強いボディがダイナミックなルーフラインを支え、quattro(クワトロ)ブリスターの彫刻的で筋肉質な形状が四輪駆動を強調。これはアウディデザインのDNAの重要な要素である“テクノロジーの可視化”の一端である。また、車両の心臓部にあたる駆動用バッテリーのシル部分はブラックインサートによって際立たせ、フラットでスリム、かつダイナミックな印象を与えるとともに、リアまで伸びてリフレクターと一体化することで視覚的な伸びやかさを演出する。アバントについてはDピラーが前方に鋭角に傾斜したフラットなルーフラインも特徴で、Aピラーからルーフスポイラーにかけてのアルミ調のトリムも装備してより個性的なルックスを演出した。足回りにはA6 e-tronシリーズにエアロホイールとして設計された19インチの5アームダイナミックデザイン プラチナムグレーアルミホイール(前8J×19/後8.5J×19、タイヤは前225/55/後245/50R19サイズ)を標準装備し、オプションでPlusパッケージに20インチの5ツインスポークエンボスデザイン プラチナムグレーアルミホイール(前8J×20/9J×20、タイヤは前235/45/後265/40R20サイズ)を、S lineパッケージに20インチの5スポークトライポッドデザイン ブラックメタリックポリッシュト(Audi Sport)アルミホイール(前8J×20/後9J×20、タイヤは前235/45/後265/40R20サイズ)や5ツインスポークデザイン ブラックメタリックポリッシュト&スモークド(Audi Sport)アルミホイール(前8.5J×21/後9.5J×21、タイヤは前245/40/後275/35R21サイズ)を設定。S6 e-tronシリーズは新造形の20インチの5スポークトライポッドデザイン ブラックメタリックポリッシュト(Audi Sport)アルミホイール(前8J×20/後9J×20、タイヤは前235/45/後265/40R20サイズ)を標準で、マルチスポークSデザイン グラファイトグレーポリッシュトアルミホイール(前8.5J×21/後9.5J×21、タイヤは前245/40/後275/35R21サイズ)と5アームダイナミックデザイン ブラックメタリックポリッシュト(Audi Sport)アルミホイール(前8.5J×21/後9.5J×21、タイヤは前245/40/後275/35R21サイズ)をオプションで採用している。
そしてリアビューは、スポーティなエレガンスとパワフルな印象を巧みに融合。クリーンな構造と連続した立体的なライトストリップが組み合わさって、明瞭さと落ち着きを付与する。スポーツバックについては、上部に新造形のスポイラーリップを、下部に厚みのあるリアディフューザーを配して、スポーティでダイナミックな後ろ姿を具現化した。
空力特性も最大限に重視。空気抵抗係数(Cd値)はA6スポーツバックe-tronで0.21という優秀な数値を実現する。また、コンパクトなカメラを電動で格納できるように設定した、第2世代のバーチャルエクステリアミラーをオプションで用意した。
革新的なライティングテクノロジーも注目点。フロントライトにデジタルマトリクスLED、リアコンビネーションランプに第2世代のデジタルOLEDテクノロジー(デジタルOLEDリアライト2.0)を設定する。また、近接検知機能が拡張され、エグジットワーニングが作動する状況や、前方に障害物を検知した時、あるいはハザードランプ点灯時等、車両周辺の状況に合わせて通常のテールライトグラフィックスに加えて警告シンボルを表示して、周囲に注意を促すコミュニケーションライト機能を装備。さらに、リアのフォーリングスを点灯させるイルミネーテッドAudi ringsによりアウディのコーポレートアイデンティティが強調される機能をA6 e-tronシリーズにオプション、S6 e-tronシリーズに標準で採用した。
▲S6 e-tronシリーズはマットクロームシルバーのエクステリアミラーハウジングや新造形の20インチの5スポークトライポッドデザイン ブラックメタリックポリッシュト(Audi Sport)アルミホイールを標準装備
内装に関しては、3Dかつ高いコントラストを持つ先進的なインテリアデザインによって各要素を意図的に前後に配置して、デザイン性とエルゴノミクス(人間工学)を高度に融合させた室内空間に仕立てる。MMIパノラマディスプレイは曲面デザインとOLED技術を備えた11.9インチのAudiバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成し、オプションのテクノロジーパッケージに含まれる助手席用の10.9インチのMMIフロントパッセンジャーディスプレイとともにデジタルステージを形成する。また、OSにはアウディ初のAndroid Automotive OSを採用し、標準のアプリケーションに加えてYouTubeなどのサードパーティのアプリをダウンロードして利用することも可能とした。さらに、ドライバーに向かってフロントガラスに速度、交通標識、アシスト情報、ナビゲーションシンボルなどの情報を、車両から約最大200m先に焦点を合わせた位置に仮想表示するARヘッドアップディスプレイをオプションで設定している。
▲インテリアは3Dかつ高いコントラストを持つインテリアデザインによって各要素を意図的に前後に配置して、デザイン性とエルゴノミクス(人間工学)を高度に融合。A6 e-tronシリーズにはマットブラッシュトアルミニウム アンスラサイトのデコラクティブパネルを装備する。日本導入モデルのハンドル位置は右
キャビン空間自体は、機能的かつ居心地の良いスペースを作り出したことがアピールポイント。ソフトラップのインテリアはドアからドアへとパネル全体にわたって広がり、乗員を包み込むようなスペース感を創出する。また、素材は機能的な観点から選ぶとともに、さまざまなエリアを明確にデザインして差異化。快適さを重視したエリアは広々とした表面と柔らかい素材でデザインし、一方で操作・コントロール類には高品質なハイグロスブラックを採用して車両操作に必要な明確さを確保した。オプションとして、透明度を変更できるPDLC技術(ポリマー分散型液晶)を内蔵して9セグメントに分けて遮光モードの切り替えができるスマートパノラマガラスルーフも設定している。内装カラーはブラックを基調とし、デコラティブパネルはA6 e-tronシリーズにマットブラッシュトアルミニウム アンスラサイトを、S6 e-tronシリーズにマットブラッシュトアルミニウム リニアエンボス アンスラサイトを標準装備。フロントシートはA6 e-tronシリーズにレザー/アーティフィシャルレザー表皮のスタンダードシートを、S6 e-tronシリーズにレザー/アーティフィシャルレザー Sロゴ入りスポーツシートを標準で配備し、オプションでパーフォレイテッドレザー/ファインナッパレザー Sロゴ入りSスポーツシートを設定する。リアのラゲッジ容量は後席使用時で502リットル、後席格納時でスポーツバック1330リットル、アバント1442リットルの容量を確保し、さらにフロントボンネット下には容量27リットルのフランクを配備した。
▲S6 e-tronシリーズは3スポークレザーマルチファンクションパドルシフト フラットトップ&ボトムステアリングホイールやマットブラッシュトアルミニウム リニアエンボス アンスラサイトのデコラクティブパネルなどを標準装備。日本導入モデルのハンドル位置は右
パワートレインについては、PPEのために新たに開発されたリチウムイオンバッテリー(12モジュール、180個のプリズマティックセル、総電力量100kWh[正味容量94.9kWh])を搭載したことがトピックだ。モーターはA6 e-tronシリーズに最高出力270kW(ローンチコントロール起動時280kW)/最大トルク565Nmを発生するリアモーターを搭載し、一充電走行距離はWLTCモードでA6スポーツバックe-tronが769km、A6アバントe-tronが734kmを達成。A6スポーツバックe-tronはオプションでレンジプラスパッケージが装着でき、その際は一充電走行距離が同モードで846kmに延長される。一方でS6 e-tronシリーズはシステム最高出力370kW(ローンチコントロール起動時405kW)/最大トルク580Nmを発生する前後モーターを搭載し、一充電走行距離はWLTCモードでS6スポーツバックe-tronが726km、S6アバントe-tronが706kmを実現した。
懸架機構は前後5リンク式マルチリンク式サスペンションで構成したうえで、EVの特性に合わせた最適セッティングを実施。また、速度や好みに応じて車両の高さを4つのレベルで自動調整するアダプティブダンパーを備えたアウディエアサスペンションを、A6 e-tronシリーズにオプションで用意する。S6 e-tronシリーズにはSアダプティブエアサスペンションを標準で組み込んだ。
▲新世代のEV用プラットフォーム「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」を採用したうえで、PPEのために新たに開発されたリチウムイオンバッテリー(12モジュール、180個のプリズマティックセル、総電力量100kWh[正味容量94.9kWh])を搭載
▲A6 e-tronシリーズは最高出力270kW(ローンチコントロール起動時280kW)/最大トルク565Nmを発生するリアモーターを搭載して後輪を駆動。A6スポーツバックe-tronはオプションでレンジプラスパッケージが装着でき、その際は一充電走行距離がWLTCモードで846kmに延長される
充電に関しては、AC普通充電とDC急速充電に対応。プレミアム チャージング アライアンス(Premium Charging Alliance:PCA)をはじめとする150kWの急速充電器を利用する際には最大135kWの充電が可能で、充電状態(SoC)10%から80%の充電を約35分でこなす。AC充電では最大8kWに対応させた。