【人とクルマの物語】夢は実現するためにある! エディターの西坂和浩氏はラリーレイド参戦を目指し86とクラシックアルファの2台体制を構築!

西坂さんはダートラ仕様の初代トヨタ86と、往年のアルファロメオという個性的な2台もち。86は将来のラリーレイド参戦を見据えた運転技術の鍛錬用マシン。腕前は確実に上達中

西坂さんはダートラ仕様の初代トヨタ86と、往年のアルファロメオという個性的な2台もち。86は将来のラリーレイド参戦を見据えた運転技術の鍛錬用マシン。腕前は確実に上達中

素敵な出会いが出発点。夢の実現に向かって邁進中

 今年で31歳になる。物心がついたころからクルマが好きだった。そしていまは、幸せなことに、メンズファッション・ライフスタイル誌『UOMO』の編集者として、新旧を問わず魅力的なクルマに触れている。僕にとって、クルマは息抜きや仕事ではなく、もはや生きることと同義といっていい。

西坂さん01

 高校を卒業後すぐに免許を取得し、今日まで所有したクルマは6台。その中でも印象深いのは、今も所有する1970年式のアルファ ロメオ GT1300 Jr.と、ダートトライアル仕様のトヨタ 86だ。アルファは昔の映画に出てきそうな洒落たたたずまいだが、一方の86は競技車両で傷だらけ。

「この2台を同じ人が持っているとは思えない!」とたまにいわれるが、ほめ言葉とは思わないようにしている。当の本人もこの“2台持ち”はヤバいと思っているのだから……

 両極なカーライフになったのには、幼少期からのクルマ好きが大いに関係している。洒落たエンスーなクルマを好きになり、ファッションやライフスタイルにも興味を持ち始めたのは高校時代から。だが、子供時代の夢は「パリダカに出ること」だった。当時の絵日記や七夕の短冊にも幼い字でそう書いてある。

86

アルファ

 きっかけは、小学校の通学路に止まっていた日野チームスガワラのカミオン(ダカールラリーに出場するトラックベースのマシン)との出会いだった。都心の一角にあるそこは、“パリダカの鉄人”こと菅原義正さん率いる日本レーシングマネージメント社。タイヤが自分の背丈ほどあるレンジャーに魅せられ、放課後にこっそり通う日々を送った。同時期には、現チーム三菱ラリーアート総監督の増岡 浩さん、そして日本を代表するオフロードレーサーの塙 郁夫さんにもお会いする機会に恵まれた。小学生相手に、遠い地の話を聞かせてくださった皆様と、そこに連れて行ってくれた両親には感謝しかない。

カミオン

藤原さん

増岡さん

塙さん

 しかし、子供とは成長するにつれほかのことに興味が湧く生き物なのだろう、しだいにラリーレイドとは疎遠になっていった。だが20年あまりが経った2023年、ひょんなことから再び火がつくことになる。近年、ファッション関係者の間ではポルシェ911が人気だ。彼らのインスタグラムで、ラリー仕様の930や959、911ダカールを見かけるようになったのだ。

「そういえば、これって小さいころの僕の夢……」。まさか、ファッションのフィールドから、過去に抱いた夢に気づくことになるとは思いもよらなかった。

 再び夢見る異国の地への挑戦。現在はラリーモンゴリアかアジアクロスカントリーラリーへの参戦を考えている。しかし、そのためには多額の資金のみならず経験も必要。そこでまず始めたのがダートトライアルであり、愛車の86に繋がる。ダート路面を、トリッキーかつパワーのないFRで速く走るのは難しく、鍛錬にはうってつけ。マシンとして仕上がった個体に巡り会えたため制作費は抑えられたが、やはり消耗は激しい。昨年はクスコ、ウィンマックス、ダンロップ3社によるBライ競技支援プログラムにも選出され、後半は関東選手権や丸和カップで入賞できるようになった。今年も走れる環境に感謝しつつ、勝てるように頑張りたい。

リア走り

 振り返ると、僕のクルマ人生は、過去に受けた鮮烈な体験が出発点になっている。素敵な出会いに恵まれたら、憧れや夢のままにせず、生涯を通して実現してほしい。自分も諦めないつもりだ。

西坂さん02

【プロフィール】
西坂和浩(にしざかかずひろ)/1995年生まれ、東京都出身。集英社のメンズファッション・ライフスタイル誌『UOMO』で、クルマ、ファッション、時計などの記事を担当する。現在の愛車は、アルファ ロメオGT1300Jr.と、ダートトライアル仕様のトヨタ 86。日本カー・オブ・ザ・イヤーの実行委員も務める

SNSでフォローする