日本でも需要があるかも!?　日産の中国市場向け新型PHEVセダン「N6」が登場

日産の中国合弁会社である東風日産が新エネルギー車（NEV）技術アーキテクチャーを採用した新世代プラグインハイブリッドセダン「N6」を発表。パワートレインには1.5Lガソリンエンジンと高効率モーター、総電力量20kWhを超えるLFPバッテリーを搭載。車両価格は日本円で220万円～286万円に設定

　日産自動車の中国合弁会社である東風日産乗用車公司は2025年12月1日（現地時間）、プラグインハイブリッドセダンの新型「N6」を発表した。

▲日産自動車の中国合弁会社である東風日産乗用車公司がプラグインハイブリッドセダンの新型「N6」を発表。グレードは180 Air、180 Pro、180 Max、180 Max＋、170 Max＋旗舰（写真）という5グレードで構成。車両価格は9.99万元（約220万円）～12.99万元（約286万円）に設定する

　東風日産初となるプラグインハイブリッドセダンの新型N6は、同社独自の新エネルギー車（NEV）技術アーキテクチャーを採用したうえで、流線形の美しいデザインや家族でくつろげる快適な室内、経済性を徹底追求したパフォーマンス、スマートコックピットと最新の運転支援技術などを実現して、エレガントかつ先進性あふれるPHEVサルーンに仕立てたことが特徴。グレードは180 Air、180 Pro、180 Max、180 Max＋、170 Max＋旗舰という5グレードで構成（数字はCLTCでのEV最大航続距離180kmおよび170kmを示す）し、車両価格は9.99万元（約220万円）～12.99万元（約286万円）と、非常にリーズナブルに抑えている。

▲東風日産独自の新エネルギー車（NEV）技術アーキテクチャーを採用したうえで、流線形の美しいデザインや家族でくつろげる快適な室内、経済性を徹底追求したパフォーマンス、スマートコックピットと最新の運転支援技術などを実現して、エレガントかつ先進性あふれるPHEVサルーンに仕立てる

　エクステリアについては、“風迹美学（風の軌跡をイメージしたデザイン哲学）”をテーマに据えて、流麗で有機的なラインによる自信と躍動感みなぎるスタイリングを創出。ディテールにも凝り、鷲の翼のように展開するウィンドウィングLEDヘッドライトを配したナチュラルかつアジャイルなフロントマスクや、見た目が最も快く感じられる0.618の黄金比にミニマリストなウエストラインを配したサイドビュー、ダックテール形状の後端と立体的な造形のLEDコンビネーションランプを採用したリアセクションなどによって、どこから見ても印象的かつ存在感あふれる新進のセダンスタイルを具現化した。ボディサイズは全長4831×全幅1885×全高1491mm／ホイールベース2815mmに設定。ボディカラーは中国の自然をテーマにした6色をラインアップする。エアロダイナミクス性能も重視し、空気抵抗係数（Cd値）はクラストップレベルの0.248を実現した。

▲“風迹美学（風の軌跡をイメージしたデザイン哲学）”をテーマに据えて、流麗で有機的なラインによる自信と躍動感みなぎるセダンスタイルを創出

▲ボディカラーは中国の自然をテーマにした6色をラインアップ

　インテリアに関しては、包み込まれるような温かな空間を目指して設計。広範囲にソフト素材を配し、触感にこだわり抜いた独自開発のシート表皮、ゼロホルムアルデヒド認証を取得した内装素材を採用するなど、家族が安心してくつろげる快適なキャビン空間を形成する。また、前席には最新EVモデルのN7と同様に、AIにより乗員の体形に合わせてシートを調整する「ゼロプレッシャーシート」を採用。合わせて、後席には新開発の「ゼロプレッシャーソファ」を配備した。インテリアカラーはアイボリーとブラックの2種類を設定し、ローズゴールドやダークパープルの装飾が細部に高級感を添える。

▲包み込まれるような温かな空間を目指して設計したインテリア。広範囲にソフト素材を配し、ゼロホルムアルデヒド認証を取得した内装素材を採用するなど、家族が安心してくつろげる快適なキャビン空間を形成する

▲前席にはAIにより乗員の体形に合わせてシートを調整する「ゼロプレッシャーシート」を採用

▲後席には新開発の「ゼロプレッシャーソファ」を配備

　最新のスマートコックピットを採用したことも訴求点で、2.5Kの15.6インチタッチスクリーンと最新の「NISSAN OS」を装備。搭載されるAI音声アシスタントの「小尼（シャオニー）」は方言対応やカラオケ機能に加え、ユーザーの声を記憶・再現して読み上げる音声複製機能など多彩な機能を組み込んでいる。

▲2.5Kの15.6インチタッチスクリーンと最新の「NISSAN OS」を装備

　注目のパワートレインは、1.5リットル直列4気筒DOHCガソリンエンジン（最高出力75kW／最大トルク135Nm）と電気モーター（最高出力155kW／最大トルク320Nm）、ハイブリッドトランスミッション(DHT)、総電力量21.1kWhまたは20.3kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで構成するプラグインハイブリッドシステムを搭載して前輪を駆動する。性能面では4つの基準を定義。1つ目は2L台/100kmという低燃費性能（180系グレードで2.79L/100km）、2つ目は総電力量20kWhを超えるバッテリーによるEV最大航続距離180km、3つ目は20分以内で必要分が充電できる急速充電性能（30→80％の直流急速充電で17分）、そして4つ目は年間のランニングコストを2000元以内に抑えることで、この4つの基準が次世代のプラグインハイブリッドに求められる新しい価値を提供する。なお、N6は中国一周燃費チャレンジを実施し、28日間で30省を横断、総走行距離1万4000kmを走行して2.9L/100kmという燃費を達成し、ギネス世界記録を更新している。

▲パワートレインには1.5リットル直列4気筒DOHCガソリンエンジン（75kW／135Nm）と電気モーター（155kW／320Nm）、ハイブリッドトランスミッション(DHT)、総電力量21.1kWhまたは20.3kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで構成するプラグインハイブリッドシステムを搭載

　ADASにおいては、モメンタ社と共同開発したエンドツーエンド型の統合運転支援システムを採用。高速道路での疲労軽減、通勤での手間削減、駐車でのストレス軽減を実現する16アクティブの安全機能を採用したほか、擦り傷や駐車時の偶発的な衝突など車両の周囲環境をリアルタイムで監視するセンチネルモードを設定している。

▲モメンタ社と共同開発したエンドツーエンド型の統合運転支援システムを採用

　なお、N6の日本への輸出に関しては、現在未定とのことである。