【カーデザインを語ろう】マツダ・ロードスターは絶滅の危惧にあったオープン2シーターを復権。一貫してFRライトウェイトの爽快さを追求

初代ロードスター(海外名MX-5)は1989年2月の北米シカゴ・ショーで初披露。同年9月に日本でも発売された。初期型は1.6リッターDOHC搭載

初代ロードスター(海外名MX-5)は1989年2月の北米シカゴ・ショーで初披露。同年9月に日本でも発売された。初期型は1.6リッターDOHC搭載

世界に大きな共感を生み出し、数多くのフォロワーも登場

 誕生からすでに36年、ロードスターは世界中に熱烈なファンを持つ2シーターオープンである。
 ロードスターは「こんなクルマがほしい」という社内有志の強い思いのもと商品化され、1989年にNA型が誕生する。それは当時絶滅の危機に瀕していたライトウェイトオープンスポーツの復活でもあった。

リア

ロードスターは「人馬一体」の走行フィールと爽快なオープンフィールが魅力。トップは簡単操作で開閉可能。室内からも操作できた

ロードスターは「人馬一体」の走行フィールと爽快なオープンフィールが魅力。トップは簡単操作で開閉可能。室内からも操作できた

 価格が手ごろでスタイリッシュ、しかもオープンスポーツならではの非日常性が味わえるNA型は世界的なヒットを記録。その後、BMW Z3&Z4やメルセデス・ベンツSLK、フィアット・バルケッタなど、数々のフォロワーを産み自動車界に大きな影響を与えた。
 人気の秘密は、「人馬一体」の軽快なハンドリングと、そのオープンフィールにある。ドライバーの意思にあくまで忠実な「ヒラリ感」たっぷりの操縦感覚は、ワインディングロードにクルマを持ち込まなくても、街中の交差点を曲がるだけでも存分に味わえた。

ロードスターはオープン2シータースポーツを復活させたメモリアルモデル。そのオープン衰退を決定的にした1台が初代フェアレディZだったことを考えると感慨深い。スタイリングはプレーン

ロードスターはオープン2シータースポーツを復活させたメモリアルモデル。そのオープン衰退を決定的にした1台が初代フェアレディZだったことを考えると感慨深い。スタイリングはプレーン

 決して速いクルマではないが、気分的な高揚感は満点。しかも室内からも簡単にオープンにできるため、オープンフィールが気軽に満喫できたのだ。普段の走り慣れた道も、陽光と風を感じてのドライビングだと爽快感が格段に違う。軽快なエンジン音と街の雑踏、時には小鳥のさえずりがBGMのドライビングは、まさに特別な時間だった。
 そのうえでNA型はスタイリングが魅力的。千葉匠氏が「気負ったところがないプレーンさが魅力」と語るフォルムは、まさにタイムレスな味わい。すべてがチャーミング、それがNA型の本質である。

4代目となる現行ND型は2015年に登場。コンセプトは初代NA型に原点回帰。ボディの軽量コンパクト化を徹底し、ソフトトップモデルは1.5リッターを搭載。走りはもちろん人馬一体フィール

4代目となる現行ND型は2015年に登場。コンセプトは初代NA型に原点回帰。ボディの軽量コンパクト化を徹底し、ソフトトップモデルは1.5リッターを搭載。走りはもちろん人馬一体フィール

 

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