GRヤリスのRZ“High performance”グレードとRCグレードに「Aero performance package」を新設定。冷却性能と空力性能をさらに向上させることを目的に、妥協することなく調整を重ねた計6アイテムすべてを同時装着することで、効果を最大化
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2025年9月12日、GRヤリスのRZ“High performance”グレードとRCグレードに「Aero performance package(エアロパフォーマンスパッケージ)」を新設定し、本年10月1日に発売すると発表した。
▲トヨタGRヤリス RZ“High performance”+Aero performance package 価格:6MT(iMT)547万5000円/8AT(GR-DAT)582万5000円 全長3995×全幅1805×全高1455mm ホイールベース2560mm 車重6MT(iMT)1290/8AT(GR-DAT)1310kg 乗車定員4名 写真のボディカラーはプレシャスメタル
車両価格は以下の通り。
RZ“High performance”+Aero performance package:6MT(iMT)547万5000円/8AT(GR-DAT)582万5000円
RC+Aero performance package:6MT(iMT)405万5000円/8AT(GR-DAT)440万5000円
▲トヨタGRヤリス RC+Aero performance package 価格:6MT(iMT)405万5000円/8AT(GR-DAT)440万5000円 全長3995×全幅1805×全高1455mm ホイールベース2560mm 車重6MT(iMT)1250/8AT(GR-DAT)1270kg 乗車定員4名 写真のボディカラーはスーパーホワイトⅡ
新設定のAero performance packageは、モータースポーツやサーキット評価の現場で出た1つひとつの課題に向き合い、プロドライバーとともに冷却性能と空力性能をさらに向上させることを目的に、妥協することなく調整を重ねた計6アイテムを同時装着することで、効果を最大化させたことが特徴である。
▲Aero performance packageはモータースポーツやサーキット評価の現場で出た課題に向き合い、プロドライバーとともに冷却性能と空力性能をさらに向上させることを目的に、妥協することなく調整を重ねた計6アイテムを装着する
6つのアイテムを解説していこう。
まず全日本ラリー選手権参戦車において先行で開発し、GRMNヤリスに採用したカーボン製フードと同形状のダクト付きアルミフードを採用。高速走行中、エンジンルーム内の熱をダクトから放出し、冷却効果を高める。
次に、スーパー耐久シリーズで学んだ高次元の空力バランスを実現するために、フロントリフトの発生を抑えてフロントの接地感と空力バランスを高め、車両のトータルリフトバランスを向上させるフロントリップスポイラー。当初はこのフロントリップスポイラーを除く5点のアイテムで完了することを検討していたが、TGRレーシングドライバーの大嶋和也選手からのフィードバックを受け、より高次元のバランスを目指し、最終的にこのフロントリップスポイラーを追加採用するに至った。
3つめは、ホイールハウス内に溜まる空気を後方へ放出させるフェンダーダクト。これを組み込むことにより、ノーズダイブ時のステアリングフィールや、コーナー入り口での操縦安定性をいっそう向上させた。
4つめは、スーパー耐久シリーズ参戦車両の安全燃料タンクの下部をフラット形状にするアイデアを活かした燃料タンクアンダーカバー。ボディ下部の空気の流れを最適化し、空力性能をより引き上げている。
5つめは、高速域での操縦安定性に寄与し、またブレーキング時のスネーキング現状を抑制する大型のリアウイング。可変式を採用し、サーキットなどの走行シーンに即してウイングの角度を変えることが可能だ。
最後の6つめは、リアバンパーにおけるパラシュート効果を抑制し、空気抵抗係数(Cd値)を低減するリアバンパーダクト。過酷なレース条件下であるスーパー耐久シリーズの現場で、空力負荷によりリアバンパーが外れたことを起点に、モータースポーツ特有の厳しい環境に対応する目的で開発した。
パワートレインは通常モデルを踏襲し、G16E-GTS型1618cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力304ps/6500rpm、最大トルク400Nm(40.8kg・m)/3250~4600rpm)+iMT(6速MT)/GR-DAT(8速AT)に、スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式)を採用している。