今号の特集はランボルギーニである。イタリア、エミリア=ロマーニャ州ボローニャのサンタアガタ・ボロネーゼに本社を構える泣く子も黙るスーパーカーブランドをフィーチャーした。かつて日本でもスーパーカーブームで名を馳せたブランドだ。自分を含め当時の子供は誰もが“カウンタック”の名を口にしていた。スペルアウトすると「Countach」。イタリア人は「クンタッチ」と読み、世界では日本人だけが「カウンタック」と発音するらしい。アメリカ人は「クンタッシュ」に近い。
ただ、これを最初に「カウンタック」と読んだ人はセンスがいい気がする。英語のカウント「Count」とストマック「Stomach」の語尾がつながったようなものだ。
ちなみに、速度の単位を示す「Mach」はマッハと読む。なので、「カウンタッハ」なんて読めなくもなかっただろう。それにそのまま読めば「カウンタッチ」もあったはずだ。
なんて話はともかく、ランボルギーニの近年のイベントで思い出すのは、2023年2月23日に鈴鹿サーキットで行われた「60th Anniversary Lamborghini Day Japan」である。つまり、創業は1963年2月。学年でいえば私のひとつ上だ。1900年代初頭に誕生したヨーロッパのカーブランドが多い中では珍しい戦後組となる。
イベント最大の見せ場はサーキットを埋め尽くした251台のパレードラン。なんたってギネス世界記録に挑戦ということで、ギネス認定員が来場し見届けた。
それをサーキットで見ていて思ったのは、壮観な眺めもそうだが、集まったランボルギーニがじつにカラフルだということ。アヴェンタドール、ウラカン、ウルス、ムルシエラゴ、それにミウラ、カウンタックなどが列をなしたが、想像以上に色とりどりなのだ。赤いクルマや黄色いクルマが何台か繋がることもなく、バラけている。目立ったのは黄緑色や金ピカゴールドあたり。それ以外では白、黒、青、水色、紺色、赤、黄色、シルバー、オレンジなどだが、メタリックもあればマット系もある。それにGTラインに大型リアスポイラーを備えたりするので、同じものは二つとないといった印象だ。よくまぁ、これだけバラけたものかと感心させられる。
もしかしたらこれが昨今のランボルギーニのアイデンティティなのかもしれない。個性的なカタチに色づけするのはカスタマーに一任ってところだろう。このクルマに触れないと、「スーパーカーは赤か黄色だろ」といった固定観念で決めてしまいそうだが、じつはそうではないということを目の当たりにした。なるほど、ランボルギーニは自由な乗り物なのだ。
そこには今回、ザ・ラウンジ東京のレポートでも触れた“Ad Personam(アドペルソナム)”が大きく関係する。ランボルギーニが提供する究極のパーソナライゼーションプログラムがしっかり機能しているのだ。いやはやお見事である。
先日、とあるハイエンドスポーツカーのシンボリックな場所に行ってコンフィギュレーターを大画面で体験したが、それとは大違い。体験はあくまでバーチャルだった。リアルに買うのであればシートベルトの色やステアリングのステッチまで徹底的にこだわりたくなる。きっと最終的にフィックスするまで何週間、いや何カ月もかかるに違いない。
いずれにしろ、定説にとらわれないランボルギーニ・オーナーの自由な発想には敬服する。
