日産自動車は2025年11月に開始予定の自動運転モビリティサービスの実証実験に参画するパートナー企業を発表した。
日産が計画する実証実験は、日本国内における自動運転によるモビリティサービスの事業界に向けたロードマップのフェーズ1に該当する。実験内容は複数台の車両を用いて自動運転のモビリティサービスを提供する。この自動運転はセイフティドライバーが同乗するレベル2になる。
今回発表されたパートナー企業はBOLDLY(ボードリー)、プレミア・エイド、京浜急行電鉄(京急)の3社。BOLDLYは自動運転サービスの遠隔監視を行う監視システムを提供する。プレミア・エイドは、監視システムを使用した乗客のサポート業務を担う。京急は交通事業者の視点で、運行・運用体制の構築を支援する。
日産は実証実験の企画・運営主体であり、自動運転の車両提供と運行を行う。
自動運転をモビリティサービスとして提供するには、自動運転が可能な車両の開発だけでは不十分だ。事業者として車両の運行を管理する視点が必要になるし、サービスが安全に提供・運用されているかの遠隔監視が必要になる。
ボードリーはソフトバンクの子会社で「安心な移動手段を誰もが自由に利用できるようにしたい」(佐治友基代表取締役兼CEO)という理想を掲げ、持続可能な公共交通を社会実装することを目指している。石川県小松市の自動運転バスや、愛知県日進市の自動運転バスの運行などを進めてきた。
プレミア・エイドは緊急通報サービスやIT関連事業(IoTマルチデバイス接続サービス)を行う企業で、安全運転サポート事業として自動運転管制司令室の仕事を行っている。
京急は横浜市に本社を持ち、交通事業の分野では鉄道・バス・タクシーを展開。利用者の安全・快適・確実な移動を実現するために日々努力と改善を積み重ねている。
こうした各分野のスペシャリストとともに、日産自動車が開発した自動運転技術搭載車がモビリティサービスを提供することになる。現在の計画によれば、2025年度から26年度にかけては最大20台規模の自動運転車両を使用したサービスを運営するという。