トヨタ自動車の北米統括会社、トヨタ・モーター・ノース・アメリカは11月18日、米国市場でのハイブリッド車(HEV)需要の拡大に対応するため、米国内にある11工場のうち、5工場に総額9億1200万ドルを投資する方針を明らかにした。
トヨタは11月13日に「今後5年間で米国内で最大100億ドルの追加投資を行う」方針を明らかにしていたが、これはその計画の一環である。この追加投資により、トヨタが米国に進出してから70年間の総投資額は約600億ドルに達する見込みだ。
投資対象となる工場以下のとおり。カッコ内の数字は投資に伴い拡大する雇用者数。
・ウェストバージアニア州バッファロー工場(80)=4気筒のハイブリッド対応エンジン、ハイブリッド用トランスアクスル、リアモーターなどを生産
・ケンタッキー州ジョージタウン工場(82)=2027年にラインオフ予定のハイブリッド用新型4気筒エンジンを生産
・ミシシッピー州ブルースプリング工場=米国に展開する工場で最初にハイブリッド仕様のカローラを生産した実績を持つ。
・テネシー州ジャクソン工場(33)=ハイブリッドのトランスアクスルケースなどの増産に伴い従業員も増やす。ハイブリッドの生産ラインを増やし、新しいラインは2027〜2028年に稼働予定
・ミズーリ州トロイ工場(57)=ハイブリッド車用シリンダーヘッドの生産ラインを新設する。
トヨタの次世代パワートレーン戦略は、米国においてもマルチパスウェイ路線である。HEV、PHEV、BEVを開発し、ユーザーが選びやすい商品バリエーションを展開する。現在、トヨタの北米販売状況は、半数近くが電動モデルになっており、その中核を占めるのはHEVである。
「私たちの工場が成長拡大していくことを誇らしく思うし、トヨタがモビリティカンパニーに変貌していく動きに参加できることを自慢したい」と語るのは、ウェストバージニア工場のアリビア・ルイカートさん。この言葉から、工場の現場で働く全員が、モビリティカンパニーに移行していくトヨタの将来像をイメージしている様子が想像できる。
